異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央

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最終章 プリシータで商売人

探し人

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「…………何時だ?……チラッ……はぁぁ。
こりゃお天道様が真上で笑ってら。 ははっ」


俺は、この世界に来る前から、
女性の裏表ある性格が苦手だった。
全員そうなのか?
と問われれば「違う」と言えるんだが

まあ、社会に出れば女も男も
裏の顔なんて晒して生きてはいけない。

人に雇われてサラリーマンやOLをやってたら
ふんぞり返った腹ポっこり上司や
嫌味ばかり言う先輩とか
接待で女を侍らせ酌させる取引先とか
出来ないゴルフヘ無理矢理連れてく重役とか

そんな奴等に裏の顔を引っ込めて
ヘコヘコ頭下げなきゃ
どんな目に合うかわからない。
だから、皆必死に取り繕う。

中には素で勝負するヤツもいるかもしれないが。

まあ、だからビジネスモードの時は
裏表あっても全然気にならないんだ。

プライベートでも、そこまで親しくないなら
「頭隠して尻隠さず」でもいいんだ。

だが、恋人となれば別だろう?
男にはブリブリなのに、女には暴言吐くとかさ
男の前では酒弱いフリしても
女子会とかではガバガバ飲むとかさ~。

そういう女の人が苦手なんだよ。俺はな?
あくまで俺はって事。気に触ったなら悪ぃ。


まあ、だから。この世界に来たら
極力女性とは関わらないでスローライフ!
するつもりだったんだよ……

なのに……チラッ……はぁー。

いや、最高だったんす。それは否定しない!
ただな……まっさらちゃんだったんだよ……


「可愛いかったから、良しとしよう。うん
コレっきり……。いや、最低だな!ははは!」


「……リョウゴ。聞こえてるのよ~?
コレっきりにするなんて、許さないわよ?
いいのかしら?直斗くんにバラすわょ~?」


「…………いやぁ。朝からご馳走様です。
……直斗に言うのだけは止めて?」バッチーン!

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あの後、思いっきりビンタされるわ
魔法使って攻撃してくるわ
最低だって怒られるわで散々だった……

だが!聞いてくれ!と必死に紡いだ言葉がコレだ


「恋人を作るつもりないからさ、
コレっきりにしたいって言ったのよ。
お前も楽しんだんだから、お相子って事で!」


「こ、恋人になりたいなんて言ってないわよ!
それと、絶対コレっきりにはしないわ!
いーい?これは取引きよ?
私は〈スパーダ〉を抜けるわ。冒険者は続ける。
抜けたら、貴方について行くわ。
あ~あ。まだ、腰が痛いわ~」


リョウゴくん今日一びっくりだよ!
恋人にはならないけど、俺についてくる。
そして、パーティを抜けるときたもんだ。
青天の霹靂とはまさにコレだよ!


「お前なぁ…。どうしてもか?」「そうよ!」

「パーティ抜けるわけ?」「抜けるわよ?」

「ついて来ると?」「そう言ってるでしょ?」

「恋人は求めてない?」「…そ、そうよ?」

「…お前今どもったぞ?」「なんの事かしら」


コンコン{先輩?起きてます?入りますよ?}

ガチャ「先輩おはようござ……」パタン


「……直斗ー!ヤバい、見られたぁ!おいおい。
は!俺パンイチじゃねぇか!服だよ、着替え!」


「うるさいわねぇ。黙りなさいよ。
いいじゃない裸くらい。男同士でしょ?
早く着替えたら?私先に行ってるわ~
直斗くんとお話しして待ってるわねぇ。ほほほ」


そう言って部屋を出て行ったマリベル。
まさに魔女。いや、悪女だなあれは

俺は兎に角急いで服着て、追い掛けた。
宿の前に2人が居て、
俺を見て妖艶に笑う悪女と
軽蔑の眼差しを向ける狐耳の直斗。そして一言


「飛鳥先輩は、相変わらず女性に失礼ですね」


そう言ってマリベルと一緒に歩き出した。
あの悪女は振り返って「諦めなさい」
と、声に出さずに口元だけで言ってきた。

やられたよ。俺が食った側なのに
食われた気分だよ……
はぁ~あ。

ま、ここまでされたら諦めるか~
別に嫌いじゃないしな。

しっかし、パーティなんて簡単に抜けれるのか?
しかも、領主お抱え専属冒険者じゃなかったか?
Aランクつったら指名依頼とかあんだろ?

そもそもついて来るっても、
俺普段この街に居ないぞ?
明日、積荷降ろしたら島に帰る予定なんだけどな

パーティ抜けてまで
俺について来るっつってんのに、
今更放置も出来ないし……う~ん……

いや、勝手に抜ける訳で俺が頼んだんじゃないし
放置しても問題無いのでは?

そんな事したら直斗の怒りが爆発すんな……
アイツがあんなに女性に懐くとはなぁ
日本に居た時は常にオドオドしてたのになぁ

マリベルの性格が好きなんだっけ?

てか、あーやって並んで歩いてると
母親に甘える子供だな!(笑)
まあ、直斗が人見知りしないで笑顔になるなら
マリベルも島に連れてってやるか!


「おーい!ところでどこに向かってんだ?」


「先輩遅いですよ!朝ご飯食べに行きましょう」


「食堂じゃなくて、市場で買いましょう?
朝は結構賑わってて、色んなお店あるから
楽しいと思うわよ?」


「へいへい。市場ね。了解!
その後、俺ちょっと明日の為に一旦船戻るわ」


「え!?リョウゴ貴方船持ってるの?
さすが愛し子様よねぇ。
私、リーダーに脱退伝えに行きたいから
後で合流していいかしら?」


「先輩!僕はギルド行って来ます!
ちょっと怖いけど、頑張って来ます!」


「直斗、お前一人で平気か?知らない人
いっぱいいるぞ?絡まれたらどうすんだ?
それに、マリベル。脱退してついて来んなら
俺も一緒に話し合いの場に付き合うぞ?」


「そりゃぁ…1人じゃ心細いですけど……
憧れの冒険者になったから、頑張りたいです」


「リョウゴは、明日の用意があるんでしょ?
私は平気よ?エクスは解ってくれるわ。
最近うちの男共がなーんかおかしくてね~。
心ここに在らずって言うのかしら?
それで少し前から脱退の話はしてたのよ」


「あー、それなら心配だから。
直斗と冒険者ギルドまで行くわ。
それで、大丈夫そうなら船にいる

マリベルは、まあ話し合い終わったら来い」


そんな話しをしながら市場に到着。
本当に色々なお店があって、楽しかった。

朝飯に選んだのは、クレープみたいな生地に
野菜やら肉が包んである “ケバブサンド” 
みたいなヤツで塩味だけど美味かった。

食べ終わった後、少しブラブラしてから
マリベルと別れ、直斗と一緒に冒険者ギルドへ。

朝のごった返したギルドとは違い、
少し喧騒から遠ざかったギルド内は人も疎らで、
昨日絡んできた変質者4人組も居なくて、
結構平和だった。

依頼ボードには取り残された
報酬の少ないのしか無かったが、


「これ見て下さいよ!
これって先輩の事じゃないです?」


直斗が見せてきた1枚の依頼札。
そこに書いてあったのは、正しく俺の事だった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『探し人、発見者に金貨1枚
不思議な甘味を持つ偉人。
依頼主、オルサの宿店主』

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