あちらの悪役令嬢は、前世が猫だったようです。

藤 都斗(旧藤原都斗)

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それからどんどこしょ

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 「あぁ、エトワール、君はこんな時でも優しいんだね...、でも、今はその優しさはあだになってしまうよ」
 「そんな、王子...!」

 「大丈夫だよ、俺がきっと君を助けてみせるから」

 甘ったるい空気を発し始める王子とエトワール嬢に困惑したのは、それを見守っていた観客ギャラリーである。
 突然の茶番劇に、呆気に取られているものが大半であった。

 頬を染め、見つめ合う二人に水を刺したのは、王子の側近であるこの国の次期宰相、モルディクト・ロンスーン侯爵子息。
 濃い緑色の長髪の美青年である。
 彼は、神経質そうな表情のままに眼鏡をくいっと上げ堂々と進言した。

 「王子、そこまでに致しましょう、まずはその悪女を断罪しなくてはなりません」

 その彼に続くように姿を見せたのは、これまた王子の側近である次期王国騎士団長、ジャスパー・ロードライト。
 背の高い赤髪の寡黙な美青年である。
 それから、王子の側近で次期王族補佐官の、まるで美少女のような顔をした、水色の髪の鏡合わせのようなサイドテール以外は見分けの付かない、双子。
 グランディ・ディズパブール、ディエライト・ディズパブールが現れ、冷たくわらう。

 「そうだよ王子、黒薔薇の君とか呼ばれて調子乗り過ぎな馬鹿女を何とかしないと、ねぇライ」
 「そうそう、エトワールちゃん虐めて、王子の気を引きたかったんだろうけど、無駄骨だったよね、ラン」

 クスクス、アハハ、とバカにしたような下卑た笑顔で可愛らしい顔を歪めながら、そっくりな双子は嘲笑った。

 次に現れたのは、なんでこんな事に巻き込まれてるのかさっぱり分からないまま、登場させられてしまった俺。

 ギンセンカ・リクドウイン伯爵子息。
 漢字で書いて読ませるなら、六道院 銀盞花だろう。
 ギンセンカとかいう花マイナー過ぎて聞いた事ないけど、この世界・・・・では東の国で有名らしい。知らんけど。

 膝裏まであるストレートな白金髪《プラチナブロンド》に、ひと房差し色として入る紫紺しこん色のメッシュを一緒くたに三つ編みにしてブランブランさせているんだが、このメッシュはとある精霊と契約したら生えてきただけで、俺の趣味ではない。
 一応、次期王国魔術師団長という地位を約束されているので、王子の側近であるのは決定事項らしい。
 正直めちゃくちゃ帰りたい。

 何が楽しくてこんな訳の分からない茶番に付き合わされなければならんのか。
 俺は今日学園を卒業したら家に帰って思う存分魔法の研究したかったんですけど。なにこれめっちゃ面倒臭い帰りたい。
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