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そりゃそうか
しおりを挟むちなみに現在、こんな意味不明なド修羅場を見せられている観客達はというと、王子には冷えきったブリザードな視線を。
クロや王様や俺には労りの篭った優しーい視線を向けながら、今後一体どうなるのか、固唾を飲んで見守っていた。
他国の皆様ですら、気の毒そうな視線を向けてくれているので、もはや王子は完全にアウェイである。
「国の重鎮や他国の王族を前に、まるで猫そのもののように演技する意味があると?」
「己の悪事を誤魔化す為以外に何があるのですか!」
この王子ポンコツ過ぎてどうしよう。
何も見えてないよ、馬鹿過ぎてもう何をどうしたらいいのか分からない。
案の定、王様はなんかもう、全てを諦めたみたいな、チベットスナギツネみたいな顔である。
漫画だけの表現かと思ってたけど、人間ってホントにあんな顔出来るんだね知らんかった。それとも王様が器用なんだろうか。知らんけど。
「............貴様にはほとほと愛想が尽きた。
こんな輩を次期王に据えようと考えていた己の浅はかさに泣けてくるわ。
貴様には謹慎を申し付ける。
衛兵!王子を連れて行け!」
威厳ある頼もしい声が響き渡り、扉や窓際を警備していた兵士達が、ガチャガチャと鎧の音を響かせながら王子を拘束した。
「なっ、父上!まだ途中です!何を......くっ!離せ!」
「きゃあっ!王子!何故ですか王様!、やめて!王子に乱暴しないで下さい!」
「エトワール!」
意図せずして引き離された恋人同士の寸劇ような、なんか腹立つやり取りにこっちまでチベットスナギツネみたいな顔になりそうだ。
何この茶番。
「暫く頭を冷やし、己がやった事を省みるのだな」
独特の呼吸法や発生法でもあるのか、それとも何か魔道具でも使っているのか。
そう告げる王様の声は辺りに響き渡った。
さすがは王様マジカッコイイマジリスペクト。
もうスタンディングオベーションでブラボー!と叫びたい。
でもきっとこれは、王様から息子である王子への最後通告だろう。
俺が大声出して雰囲気を台無しにする訳にもいかない。
「くそっ、エトワール!エトワール!!」
「いやぁああ!王子ぃぃぃい!!」
なお現在クロが何をしているのかというと、俺に撫でられなくなったあとすぐに催促するように頭をぐりぐりと押し付けて来たので、ソッコーで頭を撫でた。
え?王子とエトワール嬢?
知らん。
で、そこからずっと頭を撫でているからか今はご機嫌にゴロゴロと喉を鳴らしている。めっちゃ可愛い。もっかい言おう。めっちゃ可愛い。
でも俺にそんなに撫でさせてたら髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうぞクロ。
まあそんなヘマしないけどな!!
毛の流れに沿って、撫で付けるように撫でる。
もふもふでふわふわでめちゃかわである。
「んなぁーん」
はああああ!!かわいいいいいいいい!!もっかい言おう。かわいいいいいいいい!!ごめんあと一回言わせて。かわいいいいいいいいいいい!!
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