先生、僕って…なんか転生してるみたいなんですけど

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第一章 青葉

09 思い出した話 リベンジ

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朝、両親からの置き手紙をリビングのテーブルの上に見つけた。
どうも2人は僕と愛奈が寝たあと家に戻り、洗濯機の中身と干してある敷き布団と、おそらく僕と愛奈の部屋を見て勝手な想像をしたらしい。

父さんからは、『新之助、その年で寝小便ってマジか?』って一言だけ書いてあった。
母さんからは、『愛奈にはナイショにしておくわ。布団一式もう一組ぐらい買っておいてくれたら助かるのでヨロシクね』って書いてあった。

2人は今日、昼前頃から仕事みたいで、『絶対に起こしてはならないAM10:45』って書いてあるメッセージプレートをドアに掛けて寝てる。

オヤジは一回死ね。母さんはなんとなく分かってそうな分かって無さそうな…愛奈にナイショってのは、僕が寝小便をしたって思っての言葉なのか、愛奈が原因ってわかってて騙されておくからうまくやれってって意味なのか…

母さんには嘘ついても何かを隠していても全部気づいたらバレてたって覚えしかないんで、おそらく後者が正解だと思うが…

僕はとりあえず、愛奈が起きてくる前にシーツと毛布を洗濯機から回収して、干しておいた敷き布団と共に自分の部屋に持って行き、ベッドを元の状態に戻した。
敷き布団とシーツと毛布が愛奈の部屋とと入れ替わったけど、まぁ問題無いだろ。

僕が自分の部屋で学生服に着替えていたらドアが少し開いた気がした。

「ん?」
スラックスを穿きながら振り返ると愛奈の片方の目が僕の方を見てるのがドアのスキマから見えた。

「何見てんだ愛奈?おはよ」
「んっ…おはようお兄ちゃん」

愛奈は昨日僕が着せた姿のまま部屋に入ってきて僕の首に腕を回して頬にチュッってしてくれた♡
「どうした?今日はずいぶんとサービスがいいんじゃないか?」
「んっ…サービスって…愛奈は今日から朝起きたらお兄ちゃんにキスして挨拶する事になったの」
そう言って愛奈はもう一回今度は唇に軽くチュッ♡

「ひやっ!?…お兄ちゃんのエッチ。そんなこと!まだ朝だよ!ダメだってば!」
口にキスした瞬間愛奈が急にビクッ!って体を硬直させたと思ったら、少し怒った顔をしてこんな事を言って部屋から出て行った。

「僕…何かした?」
自分の姿を見下ろしてみても、穿きかけのスラックスとトランクスとランニングシャツぐらいしか見えない。
キスされて少しだけおっきくなりそうな感覚はあったけど、トランクスを押し上げるまで大きくなってる訳では無いし…

「なんで僕は今怒られたんだろ?」

愛奈の言った事が分からないまま僕は首を傾げながら服を着てリビングに行くと、愛奈がいつも通りスマートフォンを弄りながらトーストを口に運んでいた。

僕もいつも通りに食パンを2枚トーストして食べ、愛奈と一緒に家を出ようとしたら、先に靴を履いた愛奈が僕を見上げていた。

「ん?何?」
「んーん。何でもない」
愛奈はそう言って僕の頬を両手で持ってキスしてくれた。

チュポン

「んっ…いつもの所でこんな事できないから、今日からはここでして出るね」
真っ赤な顔の愛奈がそう言ってドアを開けて出て行った。

そして僕はなぜ急に愛奈にキスしてもらえる様になったのかを玄関で考えていたら、学校に遅れそうになった。



□■授業中■□



僕はノートに文字を書きつつ、一つ忘れていた事を思いだし、困っていた。
そう言えば昨日南さんに借りた消しゴムを返してなかった。

筆箱に入っていたMonoケシを見てその事に気付いた僕だが、1日借りっぱなしにしておいて『ありがとう』だけで返していいものなのだろうか?
さすがに花束と一緒に借りた消しゴムを返すのが普通なんて思う訳では無いが、何かお礼に一緒に渡した方が『借りておいて言葉だけって…童貞はこれだから全く…ハァー』などと思われずに済む気がする。

南さんがそんな事を言うとは思ってないけど、でも僕の知らない所で南さんに返してる姿を見られて『言葉だけで済ませるなんて谷口君って何様?』とか陰口が広がったりしたらちょっと困るって言うか…

いや、いじめとかうちのクラスには無いと思うんだけど…

でも、南さんには何かお礼がしたいなぁ…魔法を使う為に腰を動かす必要が無い事に気付かせてくれたり、あんなに何度も恥ずかしい姿を見せてくれたんだから♡

イヤ、違うか。僕が勝手に何度も南さんのオナニー姿を見たくなって見ただけだ。

そう言えば南さん…あいつの事が好きっぽいよなぁ…何か動画とか撮ってあげたら喜んでもらえたりするかな。そうだ、そう言えば幸之助が確かあいつとたまに話してるのを見た気がする…ちょい聞いてみるか。

僕は筆箱の中にある借りっぱなしの南さんの消しゴムをそのまま奥に押し入れて授業に意識を向けた。



□■昼休憩■□



幸之助はけっこうアッチコッチ行っていろんな奴と話をしてるので、僕はとりあえず幸之助があいつの席に居ないのを確認して教室を出た。
とりあえず保健室に行くのは最後でいいとして、隣の1組とあいつの居る3組に行ってみると、1組の方に幸之助が居た。
「幸之助。チョイいい?」
おいでおいでしつつドアの所から声をかけると幸之助が気づいて話してた奴に一言言って出てきた。

「どうした?何か用か?」
「あぁ、お前って確か3組の…サッカー部の奴とけっこう仲良かったよな?」
「それは新海しんかいの事だよな?…仲はいいが…あいつに何か用でもあるのか?」
なんだろ?何か不思議がってるって言うか、分からないって感じって言うか…?

「あぁ、実は…」
そう言えば南さん周りの人にあいつの事好きなの言ってない感じだったか…親友なんかには言ってるかもしれないけど、でも僕が勝手にその事を漏らすのはまずい…

「あーっと、その…新海って奴のかっこいい姿とか、あと、あまり他人に見せない様なエッチな感じの動画を少しだけ撮らせてもらいたいって思ってるんだけど、そのへんの話を一回幸之助からしてもらえないかと思って…なぁ、なんでそんな顔すんの?」
幸之助が驚愕って感じの顔で僕を見下ろしていた。
そこまで驚く様な事を言ったか?

「いや…お前って妹バカだと思ってたから…あいつに興味を持つとかちょっと驚いただけだ…そうか…」
何がそうかなのか分からんが。

「とりあえず妹バカってのは否定しないが、僕も妹ばかりを見てる訳じゃないんだからな。気になる人ぐらい居るし…」

やっべ。この手の話ってこんなとこでしたらまずいってば。こんな廊下で恋愛関係の話をしてると…ほら、女子がクスクス笑いながら通り過ぎる声が聞こえてきた。失敗した…恥ずかしいなぁまったく。
んっ?幸之助の顔がまた大驚愕!って顔になって固まった。

こいつ何をそんなに驚いてるんだ?
あっ、まださっきの女子がこっち見ながら笑ってる。フゥ、顔が熱い…恥ずかしー…
っていつまで驚いてるんだこいつ。

「なぁ、聞こえてるのか?」
幸之助の肩の辺りを軽く押すとそのまま廊下の壁までフラフラと下がって行った。

「あぁ…大丈夫。そうだな…ちょっとばかり時間をもらう感じになるが…んっ、そうだな。お前には天さんの件で大変な目に遭わせたもんな。少しぐらいは俺も何かしてやらないとって思ってた所だし…オーケー分かった。俺に全部任せろ。新海の動画は今日中にお前のスマホに送ってやるから楽しみにしておいてくれ」

幸之助が何かよく分からないが、すごく思い詰めている様な…気合いの入った様な…そんな感じに僕の肩に両手を置いて、僕の目を見ながら一回頷き、3組の方に向かって颯爽と振り返らずに歩いて行った。


「そこまで気合を入れる様な事か?」


僕はとりあえず幸之助から動画が届くのを待つことにして、南さんに一言『ちょっとお礼になるものを用意してるから消しゴム明日一緒に返すね』って伝えるに留め、南さんに『お礼とか消しゴム貸しただけなのに大げさだよ』なんて笑われつつも了承を得て授業を終えた。



□■放課後■□



さぁ…僕は戻ってきた。(デデッデッデデン)※T2のオープニング風に脳内再生してお楽しみください。

肩に掛った通学バッグを抱えなおし、気合を入れてドアを開けると来客を知らせるメロディーが鳴った。
(フフムフ~♪デデッデッデデン)

「お願いします」

僕は自分の保険証を受付に渡し、受付の看護師さんの指示通り、静かに待合席で待つ。(デデッデッデデン♪デデッデッデデン♪デデッデッデデン!ジョワァ~ン♪)

「谷口さん診察室へどうぞ~」
「はーい♪」
シリアスな感じにできたのはここまでだった。


「やぁ谷口君。久しぶりって程時間は空いて無いけどその後どうだい?」
ヤブ医者が軽い感じに聞いてきた。
「あっ、はい。あの夢は見なくなった…気がする?うん。見なくなりました」
「ほう?それはよかったね。それで今日はどうしました?」

「実は…」
僕はソラ先生との鬼畜な実験に関しては触れない様にしつつ、魔法が使えた事と、新しい夢を見てもう2個ほど魔法が使えるようになったことを説明した。
「そうか…」
このヤブ…全然信じてない。
だって、いう事を全然聞かない困った子でも見下ろしてる感じに僕の事を見てるし。

「だから先生にも一回実験してもらいたいんですけど、どうかな?」
「ふむ…実験か…そんなに長時間付き合えるほど僕も暇な訳じゃないんだが…とりあえずやってみようか」
よっし。

僕は思う様に話が進んだ事に、少しだけざまぁみろ的な感じを覚えていた。

「では、先生が12時間前ぐらいまでの間、身に着けていた物を何か貸してください。出来れば素肌に触れていた物でお願いします」
僕が要求すると先生はもう一回さっきと同じ様な顔をして聴診器を手渡してきた。
「これは今日病院が始まってからずっと首に掛けていたんだけど、これでもいいかな?」
男のパンツとか渡されても困るので差し出された聴診器の首の辺りに当たっていた部分を握って魔法を使ってみた僕にとんでもない映像が見えた。

「先生………今日うちの学校の女子と…その…何て事してんの?」
「んっ?学校の女子?誰の事だろうか?」
声のトーンは全く変わらないけど、医者の額に汗が一滴浮いたのが見える。
「先生…脚を舐めるのはせめてストッキングを脱がしてからにした方がいいんじゃないかと思いますけど…」
「だから君は何を言っているんだ?」
先生の額に何粒も汗が浮いてる。

「コハル様?」
「ナンノコトカナァ…」
まったく動揺が隠せなくなってるド変態医師が僕の目の前に居た。

「とりあえずここまでにしましょう」
与っていた聴診器をそっと差し出すと、一瞬ビクッとした後でゆっくりと手を伸ばし受け取ったドM野郎。

「フゥ…そうしてくれると僕も助かるよ。ハハハ…とりあえず谷口君だったか?明日までに君の話をじっくりと検討してみるんで…もしよければ明日の夕方ぐらいに…もう一度来てもらえないだろうか?」

医者が少し焦った感じに僕にお願いしてきた。
弱みを握った奴の考えてる事を少しだけ理解した僕は、医者のいう事に頷きその日は病院を後にした。

これで、あのヤブ医者も、僕の事をまじめに考えてアドバイスなんかをくれる様になってくれる…気がする♪


少しだけ浮かれた感じに歩きはじめた僕を病院の2階の窓から見ていた少女が居た事に、僕はまったく気づかなかった。
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