地球の昔はちょっとファンタジーな世界だった

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最初のいっぽぉ!

33 やっちまった事はしょうがねぇだろ?

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夜の廃墟はモンスターや人の亡骸がまだ処理されずに至る所に有るせいで、日常とは違う世界になっていた。

特に何が動くと言う訳ではないのだが、ふと意識を吸い寄せられるような場所が散見された。
「ウイ、おまえこう言う所ダメだったよな?」
さすがにこの世界の人の考える奴隷服(ほぼ裸族認定)では今からの行動に不向きだと言う事で、ウイちゃん怪盗モードで勘次郎かんじろうと一緒に来てる。

黒いピッチリとしたツナギに青色のベルトを巻きインナーも同色で揃え、腰にはポーチと腕には時計と何か他にも機能が有りそうな物を装着。
「大丈夫♡です♡あ、でもこの状態は維持してください。」
今観察してる部屋の中で動きが止まるまでは待機と言う事で物影に隠れて静かにしていたのだが、特になんとも思ってなかったけど、とりあえずウイちゃん、
「勘ちゃん…怖い…ちょっとで良いから抱きしめて♡」
そう言ってちょっとニヨニヨした勘次郎に今抱かれてマントの中から鼻から上だけ外に出し、中で勘次郎の右手を自分の股間に挟んで楽しんでたりする。

このネコの怪盗の装備って2種類のバージョンがあったけど前着た時こっちが反応良かったと思ったけど…ちょっと失敗したかなぁ…これ胸元が重ね着になるからちょっと柔らかさが伝わり難いのよね…もう1個の青一色の腰に布を巻いただけの方がこの状態なら楽しめたかもしれないわね…

相変わらずのウイちゃんだった。

「ウイ?そろそろ寝そうだな。」
勘次郎の目の前に3D映像照射機で見えてる監視ドローン映像には、少女に口で処理させてやっと満足したらしいメナードが、白いローブの様なパジャマみたいな服を着てベッドに戻ろうとしてる所が写ってる。

「そうですね~…このデブ『あの女を思い出したらまたその気になってしまった。しょうがないから口でしろ』とか言って全員部屋から出したと思ったのにまた一人呼んで来ちゃったからね。でも勘ちゃん、この子裸のまま一緒にベッドに連れ込まれて寝そうなんだけど…どうする?」
「…そうだな…出来るだけそんな場面は見せたくないが…騒がれると面倒だからな、一気にメナードの首だけ飛ばす。この頭の奴って、暗視モードに出来るよな?」
勘次郎の装備してる簡易頭部エアバック内臓型装備は360度アラウンドビューモニターシステムが搭載されていた。
そのおかげで昼間の連続モンスター襲撃状態でも一人で無双出来てたりする。
「一応出来ますけど…いやん♡エッチなんだから勘ちゃんは~♡」
「あぁ?いきなり何がだ?」
「だってその暗視モードって赤外線を使うから私の体のちょっとHOT♡になってる部分が丸見えになっちゃうんですもの~~~♡♡♡」

見える事を恥ずかしがってる様に見えないウイちゃん。

「お前の体は毎日見てるから今更心配するな。」
「…なんかお前の体にはもう飽きたって聞こえるんだけど…プンプン!」
※ 筆者、自分で「プンプン」とか言う女…正直チョットダケ苦手です。

その後ちょっとデレた勘次郎に謝られつつ、しょうがないので今夜戻ったら4連中出しの約束を取りつけた頃に映像の中で光が消えた。

「よっし、行くぞ。ウイは出来れば女の方の回収を頼む。」
「は~い♡」
包まれていたマントから出て勘次郎が移動するすぐ後ろを付いて移動するウイちゃん。
監視ドローンの位置情報から建物のどの場所にメナードが居るかは判っていたので、その部屋の突き出し窓の部分を装備していた剣を使って5回ほど斬る。
昼間モンスターを倒してた時は破壊モードで使用してたので周囲に破壊音を撒き散らせていたが、今は切断モードで使用してるせいか、ほとんど音がしなかった。
3角形を歪に2個組み合わせたような穴が開いた壁をウイちゃんが先行して潜り、そのままベッドの中の少女を抱いてベッドから飛び退く。
その瞬間ベッドの頭側1/3位の場所からベッドが2個に別れた。

「勘ちゃんちょっと速過ぎだよ?もう少しで私も切れそうになったよ??」
「俺がお前を斬る訳無いだろ。しっかり見えてたから安心しろ。」
室内にはウイちゃんの腕にお姫様抱っこされたランとほぼ同年代に見える女の子が声も出せないぐらい驚きつつ体を震わせていた。

「俺はもう少しモンスターがやった感じに破壊して戻るから、ウイ、宿に戻ってそいつの体を綺麗にしてやれ。すぐに俺も戻るから。」
「は~い♡では~♪」
ベッドの上の血だらけのシーツを綺麗な部分だけ切り取り勘次郎がウイの抱いてる少女を包む様にしてからウイちゃん、簡易服のテクスチャーはそのままに筋力強化モードを使いそのまま抱いたまま走って部屋から出て行った。

その後メナードの体をモンスターが食べた様に見える位に破壊して進入する為の壁の穴ももう少し細工をしてから勘次郎もその場を後にする。

部屋の中には肩の辺りから綺麗に切り取られたメナードの体が壊れたベッドと共に血塗れの状態で残されていた。

そしてそれが見つかったのは、朝の日課で水を張ったタライと清潔なタオルを持った少女2人がドアを開けた時だった。


ウイちゃん勘次郎に後を任せて走り出して借りてる宿の自分達の部屋の窓の下辺りに来たら少女を一回地面に降ろした。
「ちょっと待っててね。あ、逃げたりしたら私があなたを殺す事になるからやめてね♡勘ちゃんに怒られちゃうから。」
ウイの言ってる事を本能で本気だと理解した少女は高速頷きで返事を返す。
「いい子ネッ♡」
そして腕の時計の様な物を弄り、何か操作をすると部屋の窓が開いた。
そこにはランが突きだし窓を押さえたままもう片方の手で結び目が等間隔に付いたロープを下ろしてきた。
とりあえず自力で登れない様な体の少女をロープの端っこに結びロープを伝ってスルスルと音もさせずに登るウイちゃん。
「ラン、とりあえず水を用意しなさい。予定とは違う事になったから今から引き上げる子をあなたがうまく説明して落ち着かせてね。」
「誰か来ちゃったんですか?」
「あのデブが最後に口でさせてた子がそのまま一緒に寝始めたのよ。だから騒がれないように攫って来たの。」
普通に喋りながらロープに結ばれた少女を腕の力だけで引き上げるウイちゃん。

「あ、この子話した事の無い子です。えっと…名前聞いてもいい?」
ロープで引っ張り上げられてかなり怖がっていた少女をランが見て話しかけると、みた事のある子を見かけた安堵からか、その場に尻を落としやっと話し始めた。
「私コリンナです…あなた少し前にあの場所に連れてこられた…」
「そうだよ、ランって言うのよろしくね♪」

見知った相手が居るという状況になんとか落ち着いてきたコリンナをランが手伝って綺麗にしていく。

その間特に手伝いもしなかったウイちゃんいきなりベッドに足を組み座ってた状態から立ち上がり二人の方に近づいてきて、
「勘ちゃんそろそろ戻ってくるから一応教えておくわね。ランには一回言ったと思うけど、勘ちゃんに色目を使ったら、この世のどんな拷問よりも痛い目に合わせてあなた達が生きてきた以上の時間をその状態で居させてあげるから…忘れない用にねっ♡」
今まで勘次郎に言われるままに、自分を抱いて飛ぶような早さで走ってきたウイが、そんな事を言うとは思ってもみなかったコリンナは、ちょっと呆然としていた。
「なんか反応が緩いわね…ラン?あなたしっかり教えてあげなさいよ?」
「は~い♪」
そんな話をしてるとドアの方からノックの音がした。
「あっ勘ちゃんだ~♪は~い♡」
いきなり今までの般若&権力者モードからデレ妹モードになったウイを見て更に目を大きく見開き驚いているコリンナの肩に手を置いたランが教えてくれた。

「ウイさんって勘次郎様に近寄らなかったらすごくいい人だから、あ、それとスラング使ったらチビルまで追い掛け回されて土下座させられるから憶えておいた方がいいよ?」
なんとなくウイの生態を理解したコリンナは何度も頷いていた。


次の日コリンナとランを宿に残したままウイと一緒に昨日の現場に来てみると、大騒ぎになってた。
「なぁウイ、あの場でどんな話がされてるか分かるか?」
「えっとですね…あ~勘ちゃんの考えてた感じにはなってませんね…」
「ん?何が問題だったんだ?」
「話してる声から判るのは、勘ちゃん剣で切った切断面そのままにして戻ってるよね?それがモンスターの仕業じゃないって感じに皆思ってるっぽいね。」
「あ…そういえばウイが最初にけいちゃんの痕跡の説明した時にも言ってたな…俺体を何回か切り裂いて食われた感じにはしたけどそっち忘れてた…」
「勘ちゃんって私が居ないとこんなポカしちゃうんだよね~もうっ♡ダメダメさんだなぁ~♡」
ダメ出しをしつつもとっても嬉しそうなウイちゃん。
「それで?他には何て言ってるんだ?」
「ん~とりあえず孤児はこれからも増えるはずだし町の再建にお金が必要だからこの際全員売ろうって話になってるみたい。」
「だとしたら…?」
「早めにこの町を出たほうが良いねっ♡」
「はぁ~~~…まぁしょうがねぇか。もう少しゆっくりする気で居たけどこうなったら圭ちゃんが行きそうな方向を探しつつ動くしかないか…」
「私も勘ちゃんともう少し観光とかしたかったんだけどね~。」
「まぁでもやっちまった事はしょうがねぇ。さっさと動くぞ。」
「は~い♡」
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