ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

はな

文字の大きさ
257 / 262

淀み①

しおりを挟む


そんなこんなで、陣痛間隔が5分になると、なぜか陣痛が弱くなってしまった。





五母「ひなちゃん、さっきから陣痛遠のいてるわよね。悠仁、ちょっと先生呼んで」





お母さんもすぐに気がついて、悠仁さんがナースコールをし、





真菰「ひなちゃんどう~?」





まこちゃんが来てくれて、





五条「陣痛が急に弱まってて……」


真菰「本当ですね……。先生呼びます」





まこちゃんが宇髄先生を呼び、





宇髄「うーん……陣痛弱いな……。子宮口はいい感じに開いてきてるんだが……促進剤入れようか」





内診もエコーもしてもらって、促進剤を使うことに。





宇髄「促進剤で一気に痛くなると思うから、麻酔も一緒に入れていくな」





促進剤に加え、麻酔もここで入れ始めてもらい、





ひな「あれ、麻酔のボタンは?」
 

宇髄「ん?」


ひな「自分で痛くなったらボタン押すやつじゃないんですか?」


宇髄「あ~。それにすると、ひなちゃんパニックですぐ麻酔足しそうだから。こっちで管理する」


五条「確かに」


ひな「うっ……。でも、どうせ一定時間ごとにしか出ないじゃないですか……」

 
宇髄「一定時間つったって、そのたびに麻酔追加して、いざ一番苦しいって時に使えなくなったらどうする?」


ひな「おっしゃる通りです……」


宇髄「だろ?ちゃんとコントロールしてあげるから、ひなちゃんは気にせず集中したらいい」





なんて話ながら、しばらく様子見。

けれど、相変わらず陣痛は弱いままで、促進剤を追加。

すると、





ひな「ゔっっ……ハァハァ、んん"……っ……」





今度はとても良く効いて、麻酔が追い付かないくらいに。





ひな「ふゔっ……、あ"ぁー…………んんん"~……っ!」


五母「悠仁、先生呼んであげて」


五条「わかった」


五母「ひなちゃん、力抜ける?ふぅ~ってしようか」


ひな「ハァ、ハァ……ふぅ~、ん"~っ、あ"ーーっ……!」


五母「痛いね。今一気に陣痛進んでるからね、大丈夫よ」





急に襲われたこれまでとは違う痛みに、さっきまで話せてたのが嘘みたいに余裕がなくなるわたし。





五母「声は出てもいいから、力入れないようにね。ふぅー、ふぅー……」


ひな「ふぅぅ……っ、んっ……ゔ、ふぅ、ハァ、ふぅ……」





お母さんが誘導してくれるのになんとか付いていき、
 




宇髄「よしよし、進んできたな。ひなちゃん陣痛いい感じだからな。麻酔足すからね」





と、麻酔を足してもらう。










ひな「ふぅ~…………すぅ、ふぅ~……」


五条「ちょっと落ち着いたか?」


ひな「コクッ……」





麻酔が効いて、痛みが遠のいて、ゆっくり深呼吸するわたし。





宇髄「今陣痛来てるけど痛くないか?」


ひな「はい、大丈夫です……」


宇髄「よかったよかった。麻酔効いてきたな。痛いの我慢しなくていいからね。痛くなったらまた教えて」


ひな「はい」





無痛ってすごい……。

さっきの痛みを考えると、無痛にしてよかったかも……。



なんて思いながら、穏やかな時間を過ごす。





ひな「宇髄先生?」


宇髄「ん?」


ひな「あとどのくらいで産まれますか?」


宇髄「ん~、そうだな~……」





部屋の時計はもう23時。

病院に来たのがまだ午前中のうちだったから、なんだかんだ丸半日。

聞かれて困る質問だとわかりつつ、いざとなると聞いてしまう。





宇髄「朝には産まれてくれたらと思うけど、どうだろうな」


五条「母さん、今のうちに一旦帰るか?ひなも落ち着いてるし、まだ時間かかるだろうから、風呂入って休んだら?」


五母「そうねえ、でもひなちゃん大丈夫?」


ひな「はい。悠仁さんもいてくれてますし、麻酔が効いて眠れそうなくらいなので」


五母「そう?そしたら一度帰ろうかしら。でも、少し休んでまた来るからね」


ひな「はい、ありがとうございます」


五条「何かあったら連絡するから。送ろうか?」


五母「いいわよ。大丈夫だから、あなたはひなちゃんといてあげなさい」





と、まだまだ時間はかかりそうなので、お母さんは一度帰宅。

すると、入れ違いになるように、





藤堂「ひなちゃん」





白衣姿の藤堂先生が来てくれて、





藤堂「当直暇だから様子見に来た。落ち着いてそうだね」


ひな「今朝はありがとうございました。おかげさまで」


藤堂「今どんな感じなの?」


宇髄「陣痛5分間隔で子宮口6cm。自然な陣痛だけで来てたんだが、弱まったんで促進剤入れて麻酔も入れて、少し前に落ち着いたところだな」


藤堂「そうでしたか。頑張ってるね、もうすぐだね」


ひな「はい」










***



——数十分後





ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……





宇髄先生と藤堂先生が部屋を出て、悠仁さんと2人きり。

静かな部屋に、モニターから赤ちゃんの心拍数が響く中、





五条「ひな?」


ひな「はい?」


五条「ありがとうな」


ひな「なに、急に……」


五条「2人で過ごすのも本当にもうあと少しだな」


ひな「はい。ちょっと寂しいけど、楽しみですね。赤ちゃん、どっちに似てるかな」


五条「ひなに似てるよ、きっと」


ひな「わたしに似ると大変ですよ?」


五条「ま、それもそうだな」


ひな「なっ、ひどい!」


五条「ははっ」



ちゅっ……



ひな「んっ……、もう……」





最後の2人時間を過ごしていると、





コンコンコン——





真菰「失礼しまーす」





まこちゃんが来て、





真菰「ちょっと確認するね~」





陣痛モニターをチェックするまこちゃんが、





真菰「あれ……?」


五条「ん?」


ひな「まこちゃん……?」


真菰「ひなちゃん、また陣痛止まってるね。先生呼ぶね」





と、宇髄先生にその場でコール。





宇髄「陣痛弱い?」


真菰「はい。20分くらい前から弱まってます」


ひな「どうしよう……気づかなかった……」


宇髄「大丈夫だ。麻酔も入れてるから、ブレーキがかかることはよくある。ちょっとごめんな、息吐いて~」





と、また内診。





宇髄「子宮口変わりないな。赤ちゃんは元気そうだから心配ない。ただ、あまり長引くのは避けたいから促進剤は足すな。また痛くなると思うけど、麻酔も調整するから頑張ろうな」





ということで、今度は少し強い促進剤を入れることになり、





ひな「ハァ、ハァ……っゔ」


真菰「ひなちゃんゆ~っくりね」


ひな「すぅ、ゔゔっ……ふぅ~」


真菰「うん、そうそう、上手だよ~」





これまた強い痛みに襲われて、麻酔を足してもらったと思えば、





ひな「うっ……」


五条「ひな?」


ひな「やばい……は、吐きそう……」





突然気持ち悪くなって、吐き気に襲われる。





真菰「ひなちゃんお腹痛い?」


ひな「フリフリ……」


真菰「痛くはない?」


ひな「コクッ」


真菰「ちょっと身体起こしてみようか」





麻酔が上手く効くように、ベッドでずっと仰向けになっていたわたし。

吐いても大丈夫なように上体を起こし、





真菰「出しちゃっていいからね」


宇髄「ひなちゃんどした」


真菰「急に気分が悪くなったようで」


ひな「目が暗くなる……っ、ハァハァ、どうしよ……」


宇髄「うん、大丈夫大丈夫。落ち着いて深呼吸しよう」





パニックになりかけるのを先生たちに落ち着かせてもらって、少しすると気持ち悪さがスーッと引いていき、





宇髄「陣痛の痛みは無いな?」


ひな「はい……」


宇髄「であれば、カテーテルが圧迫されて、迷走神経反射で気分悪くなったかもしれんな。このまま座った姿勢の方がいいかもしれん」





ということで、ここは一件落着。



でも、またまた今度は、





宇髄「ひなちゃん痛みかなり強い?」


ひな「コクコクコクッ……はぁ、はぁっ、もういきみたいかも……っづ」


宇髄「ちょっと待ってよ。内診しよう」





って、内診してもらっても、





宇髄「7cm。まだいきむの我慢してな。頑張って逃そう」





こんなに痛いのにまだ7cmで、麻酔を追加してもらったら、





ひな「うっ……、オエッ……ゴホッ、うっ、オエッ!!」





痛みは落ち着くのに、また気持ち悪くなって、今度は本当に吐いてしまって、





宇髄「吐き気止め足してるけどまだ気持ち悪い?」


ひな「ハァ、ハァ……コクッ……」


宇髄「これ以上は麻酔が合わんかもしれんな……。1回麻酔やめてみる?その代わり、痛いのは我慢しないといけないけど……」





麻酔のリスクは出産前からわかっていた。

わたしは過去に麻酔で気持ち悪くなった経験があるから、こうなる可能性は十分にあった。

それでも、宇髄先生や、藤堂先生や工藤先生とも、もちろん悠仁さんとも。みんなでたくさん相談して考えて、無痛の方がメリットが大きいねと無痛に決めて、麻酔に関しては、最初から吐き気止めを入れてもらって対策していた。

けれど、麻酔の量が増えてくると、やはり身体が拒み出してしまったよう。



試しに麻酔をやめてみたら、





ひな「ゔぅっ……!はぁ、はぁっ、もっと押して……っ!」
 

五条「ごめんっ、こうか?」


ひな「んづ……っ、違っ……、もっと上……!!」





悠仁さんに当たってしまうくらい痛くて、





ひな「やっぱり麻酔したい……」





痛みに耐えるのが辛くなって麻酔を入れてもらったら、





ひな「うっ……、っ、オエッ!!」





当然のように気持ち悪くなってしまい、





宇髄「ひなちゃん、どっち取る……?痛いのと気持ち悪いの」





究極の二択を選ばないといけなくなり、





ひな「痛いの……頑張る……」





もともとは陣痛に耐えて産むつもりだったんだから。

痛いのもつらいけど、吐き気が続くのはつわりで懲り懲り。

麻酔を中断して、陣痛に耐えることに。





けれど……


しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

朔望大学医学部付属病院/ White Dictator

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
White Dictator______通称:『白衣の独裁者』 <ホワイト・ディクテイター> ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 圧倒的な「実力」と「技術」で捩じ伏せ・現場を支配する凄腕たち。 ___ ごく僅かな一瞬の隙も逃さない神手の集まり。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...