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怒濤の潮騒
しおりを挟む10分後——
ひな「んん"ゔ~~っ、ふあ"ー、はぁっ、はあ"~~っ!…………ハァ、はぁ、っ、何セ、ンチ……?」
宇髄「ん、確認しようか」
宇髄先生が内診をするけど、
宇髄「んー……、まだ7……7.5cm」
で、
ひな「ハァ、ハァ……なんで……、ぅっ、どうしたらいいの……。こんなに痛いのに……、もう痛いっ、はぁ、はぁっ、痛い……うぅ、グスン、痛い……っ!!!」
内診こそ声を上げても、陣痛の最中に絶対に"痛い"と言わなかったひなが、初めて"痛い"と声に出した。
五条「ひな……」
俺の手を握り締めるひなの手がもうずっと震えてる。
命懸けで、心も身体も極限状態で頑張るひなに、ここでまた頑張れとは……もうなんと声を掛ければいいかわからない。
でもひなの気持ちが切れないようにしてあげないと、タイムリミットまでになんとか産ませてやりたい。
見かねた俺は、
五条「おい!こらちび!!いつまでお腹にいるつもりなんだ!居心地良いのか知らんがママが苦しいだろ!!いい加減出てこんか!!ママの声も俺の声も聞こえてるだろ!!これ以上ママを苦しめるな!!」
お腹に手を当てて声を張り上げると、
ひな「ああ"っ!!」
痛みがより強く、胎児が下にグッと降りてくる感覚に変わったようで、陣痛間隔も1、2分になり、
宇髄「ひなちゃん内診しよう、な」
ひな「痛いっ!ハァハァ、嫌、痛いっ!!」
宇髄「痛いな。痛いけどもう赤ちゃんそこまで降りてきてそうだから、内診させて。な?」
ひな「ハァハァ、あ、づ……っ、ああ"——っ!」
もう陣痛もお構いなしに内診してもらい、
宇髄「9cm!ひなちゃん、もうあとちょっとだ」
やっと、ようやく、一気に9cmまで開き、
ひな「ゔぅーっ、ハァハァ、いきみたいっ……。早くっ……いきみたいっ!!もういきむっ!!」
言うと、
宇髄「ん、よしよし。わかった。そしたら、押さえといてあげるからいきむ練習してみようか」
ということで、宇髄先生が児頭を押さえてくれ、ひなは"やったぁ……!"という表情で、思いっきりいきむ。
ひな「んんっ……」
宇髄「うん、そうそう。グーッとお臍見るように力入れてな~。上手上手」
ひな「…………っ、はぁっ!はぁ、はぁ……」
痛みは変わらないか、むしろ増しているはずなのに、荒れ狂う波濤の中をどれほどもがき苦しみ耐えていたのか、いきみ始めたひなの顔は晴れやかになり、さっきより辛くなさそうに見える。
宇髄「よし、力抜いて~、ちょっと休憩しよう。陣痛来てない時はしっかり休憩するよ」
言われたひなは、
ひな「ふぅ~……、すぅ~……、ふぅ~……」
呼吸もしっかりして、
藤堂「ひなちゃん、頭クラクラしない?」
ひな「コクッ……」
藤堂「気分悪くなったらすぐ言ってね」
貧血も大丈夫そうで、一生懸命、お腹の子に酸素を送り、
ひな「ぁ、ゔっ!」
宇髄「来たね。大きく吸ってー」
ひな「すぅーっ」
宇髄「はい」
ひな「ふんっ…………!」
宇髄「そうそうそう。上手だぞ~。目しっかり開けとくよ」
ひな「……っ、んっ……、っ、ふはぁっ!ハァハァ……」
数回いきんだところで、子宮口が全開大に。
宇髄「ひなちゃん、全開になったから次陣痛来たらながーくいきもうか。思いっきりいきんでいいからな」
言われて、ひなはコクコクと頷き、
ひな「ぁ、きますっ……!」
宇髄「ん、息吸ってー」
ひな「すぅー……、ふんんっ……」
宇髄「そうそうそう、上手だぞ~」
ひな「んん~……っ、はぁっ!」
宇髄「もう1回いける?吸ってー」
ひな「すぅー、ふんっ……」
宇髄「お腹にグーッと力入れて~。そうそう、いいよ~」
ひな「…………んっ、はぁっ!ハァハァ」
落ち着いていきむこと、さらに数回。
ひな「んっ…………ぁ、ん"っ……、あ"ーーっ!痛い、痛いっ!!」
宇髄「ん、休憩しよう。ひなちゃん力抜いていいよ」
ひな「ハァ、はぁ、っ……、ハァ、痛い……っ」
宇髄「痛いな。もう頭かなり見えてるからな」
ひな「ハァハァ、ハァハァ、ふぁ……っ、くる……っ」
宇髄「よし、頑張ろう」
ひな「はうっ……!ん~……っ、はぁっ」
宇髄「もう1回」
ひな「すぅ、んっ……、……ん"ー、ん"ぁっ!んっ、はぁ、んんっ——!」
宇髄「ん、力抜こう」
ひな「ハァ、ん~っ、んーっ!」
宇髄「ひなちゃん、ストップストップ」
五条「ひな」
真菰「ひなちゃん、今いきまなくていいよ。一旦呼吸整えようか」
ひな「……っ、はぁっ、はぁ、いきまないと、赤ちゃん戻っちゃうっ……」
宇髄「うん、戻っちゃうけど大丈夫。少しずつ勢いつけて出てきてくれるから、焦らなくて大丈夫だ」
ひな「ハァハァ、でも痛い……早く出したいっ」
宇髄「早く出したいな。でもゆっくり出さないと裂けちゃうから。ちゃんと出てきてるから大丈夫だぞ。だから合間はしっかり休もう。短くても必ず休憩あるから」
ひな「ハァ、ハァ……はあ"っ……きたっ!」
宇髄「ん。きたら大きく息吸ってー」
ひな「すぅ~……っ」
宇髄「いきんでいいよ」
ひな「んん"っ…………、っ、あ"ーっ!」
宇髄「頑張れ頑張れ。声出さないでもう1回!」
ひな「は、ゔんっ!!…………っ、…………はぁ!ハァ、はぁ、痛いっ、痛い……っ」
宇髄「痛いな。今一番痛いところだ。赤ちゃん狭いところ通ってるからな。赤ちゃんにもひなちゃんにもしっかり酸素送ってあげて」
ひな「ハァ、はぁ、ハァ、すうっ、ハァハァ……」
と、ひなは必死で酸素マスクから酸素を取り込む。
ひな「あゔっ」
宇髄「吸ってー、はい」
ひな「んんづ……」
宇髄「いいよ~、まだだぞ~」
ひな「んん"っ……、はぁっ」
宇髄「もう1回いこう。吸ってー、せーのっ」
ひな「ふぅっ!……んっ……ん"ん"っ~……」
宇髄「上手上手。そのままそのまま」
ここまで、ひなは何度いきたんだか。
力んでも脱力しても全身を震わせて、そろそろ頭が出てもいいはずが、挟まったままなかなか出てこない。
宇髄「ダメだな……。工藤手伝え。ひなちゃん?赤ちゃん苦しいからちょっとお手伝いするな」
と、宇髄先生は吸引の準備をし、
宇髄「ごめんな、ひなちゃん。ちょっと切らせてな」
ひな「ハァハァ、赤ちゃん、苦しい……?」
宇髄「うん。挟まって上手く出てこられなくなってる。このままだとひなちゃんも苦しいし、裂けちゃうから、ごめんな」
と、宇髄先生はひなに声をかけ、ひなが避けたいと希望していた会陰切開もすることになり。
宇髄「麻酔するよ、チクッとするぞ~」
ひな「ハァハァ、こわいっ……」
五条「ひな、大丈夫大丈夫……」
ひな「ぁ、くるっ……ダメ、陣痛きちゃう……っ!」
宇髄「いいよ、ひなちゃん。陣痛来たらいきんでいいよ」
ひな「んんっ~!んっーー!ん"あーー!」
宇髄「工藤エピ入れて。7時の方向」
工藤「はい」
ひな「……んん"っ……あ"っ、痛いーっ!!」
宇髄「よし、ひなちゃん一緒にいきもう。タイミング合わせていきむぞ。吸って~、せーのっ」
切開して、吸引して、1番大変な頭を出すのに、ひなは声を押し殺せない。
宇髄「ひなちゃん、呼吸整えて。痛いの来たらしっかりいきもう」
ひな「はぁ、はぁっ、痛い、もうずっと、全部痛い……っ、陣痛わかんないっ……」
宇髄「大丈夫大丈夫。わかるから大丈夫。わかんなかったら教えてあげるから、もう少しで頭出るから一緒に頑張ろう、な」
もう何がどう痛いのかもわからないと言いつつ、
ひな「ハァ、ハァ……あゔっ!」
モニターの数値が上がるより先に、波が来るのを感じ取るひな。
宇髄「ひなちゃん来たよ、吸って~……ん、頑張れ」
ひな「ゔんんっ……、ん"~、んあ"っ、あ"っ、痛っ、いたい"ーーーっ!!!」
宇髄「頑張れ頑張れ。もう頭出るよー」
ひな「あ"——っ!!」
宇髄「よしっ、出た出た。頭出たよ」
ひな「はぁ、痛い"っ、ハァハァ、痛っ……!」
真菰「ひなちゃん、おてて離そうか。身体の力抜こうね」
宇髄「もういきまなくていいぞ~、ハッハッって短く呼吸してー」
ひな「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……」
頭が出て、短息呼吸に変え、
宇髄「ごめん、ひなちゃんちょっといきめる?」
ひな「はっ、ハァ、ふんっ……!」
もう一度踏ん張るけど、
工藤「宇髄先生、引っかかってます……?」
宇髄「ああ、びくともせん……」
今度は、肩が出てこず肩骨難産に。
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