りさと3人のDoctors

はな

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今度の模試の結果は…

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——2ヶ月後





ピルを飲み始めてから、りさの調子は絶好調だった。

薬を飲み始めて1ヶ月は少量の出血もあったりしたが、蓮に診てもらってピルの影響範囲だからと問題もなかった。

その後も蓮に言われたとおり薬を飲んで止めると、狙った日に生理が始まってりさは驚いた。

さらに、生理痛も以前よりか軽くなったので、りさにとっては嬉しいことだらけで、悩みがひとつ減って心も元気になったようだった。



そして、今日はそんな調子のいい時に受けた模試の結果が返ってくる日。

りさは緊張した面持ちで教室に座っていた。










キーンコーンカーンコーン——





担任「はーい。そしたら今から模試の判定表配るぞー。名前呼ばれたら取りに来るように。相沢~、今田~……」





模試の結果が配られ始めた。

りさは自分の名前が呼ばれるのを、今か今かと待っている。





担任「小南~、篠原~、白鳥~……」


りさ「はいっ」





りさは椅子から立ち上がって前に出ると、先生から結果を受け取った。

そして、足早に席に戻り、そっと2つ折りの紙を広げる。





りさ「……」










***



ドタドタドタ——





りさ「ただいま!!」


豪「こら!りさ、なにそんな興奮してるんだ。走ったらダメだろ?」





家に帰るなり、玄関から急いでリビングにやってきたりさに豪が一喝する。

でも、今のりさには全く届いてない。





りさ「あっ!豪先生!ねぇ、聞いて、Aだったんだよ。模試の結果、ノワールAだったの!!」


豪「本当か?」





りさは嬉しそうに模試の結果を豪に見せた。

確かに、そこにはAと書いてある。

もちろん、他の志望校も全部A判定だった。





豪「すごいな、りさ。半年足らずでよく伸びたな。まぁ、あれだけ勉強したもんな。報われてよかった。このまま試験まで頑張れよ」


りさ「うん!豪先生、ありがとう!先生とにぃには?今日帰ってくる?」


豪「あぁ。2人とも夜には帰って来るはずだ」


りさ「わかった!」





そう言って、りさは部屋に戻り、夜までまた机に向かった。










そして夜。20時過ぎ。

りさがちょうどお風呂に入ってる時、蒼と蓮が帰ってきた。





蒼「ただいま」
蓮「ただいま~」


豪「おかえり」





リビングで豪がソファーに座ってる。





蒼「豪、りさは?」


豪「お風呂入ってる。そろそろ出てくると思うけど」





と、豪が言った時、ちょうどりさがリビングに現れた。





りさ「先生!にぃに!おかえり!!」





やけにテンションが高いりさに、蒼と蓮は若干顔をしかめる。





蒼「りさ、どうした?なんでそんなニコニコしてるんだ……?」


りさ「ふふっ。あのね、今日ね、先月受けた模試の結果が出たの。それでね、ノワールがA判定だったの!」





りさはテーブルに置いてあった判定表を取り、スタスタと蒼と蓮の元へ駆け寄った。





りさ「じゃーん!」





蒼と蓮が覗き込むその紙には、たしかにAの文字が書いてあった。





蓮「へー!りさすごいじゃん!まぁ、体壊してまで勉強してたんだもんね……ちゃんと結果に表れてよかったじゃん!」


蒼「よかったなりさ。気抜かずにこのまま最後まで頑張ってな。って、最近調子いいからって無理はダメだぞ?わかった?」


りさ「わかってる、わかってる!」





そう言って、りさは鼻歌を歌いながら自分の部屋に戻っていった。


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