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第4章 大嵐のち快晴!
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「俺さ……お前のコンペの企画書を読んだとき、なんかさ、すごくいいなと思ったんだ」
「えっ?」
「他の企画は、『これがトレンドです』、『最先端です』っていうのばっかりで。そこに突然『駄菓子屋』だからな。思わず吹き出しそうになった。でも、これ書いたの、どんな奴なんだろうって興味が湧いた。で、プレゼンがまた下手なんだけど、熱意はピカイチだった。で、ぜひ俺がこいつを鍛えたいと思ったんだ」
「部長……」
「だから俺のところに引っ張った。ちょうど『ヤマモト』から最初の打診があったところだったしな。お前なら、子供の目線に立った、いい企画を立ててくれるだろうと思ったんだ」
部長の思いがけない言葉にじわじわと喜びが込み上げてくる。
部長がわたしを見つめている。
こんな優しい眼差し、できる人だったんだ。
「期待してるぞ」
「はい」
それから、部長はふっと視線を外して窓のほうをみて、小さな声で何かつぶやいた。
「米川の言ったこと、当たってんのかもな」
「えっ」
よく聞こえなかったのでわたしが問い直すと、何でもないと言って、部長はグラスに手を伸ばした。
「えっ?」
「他の企画は、『これがトレンドです』、『最先端です』っていうのばっかりで。そこに突然『駄菓子屋』だからな。思わず吹き出しそうになった。でも、これ書いたの、どんな奴なんだろうって興味が湧いた。で、プレゼンがまた下手なんだけど、熱意はピカイチだった。で、ぜひ俺がこいつを鍛えたいと思ったんだ」
「部長……」
「だから俺のところに引っ張った。ちょうど『ヤマモト』から最初の打診があったところだったしな。お前なら、子供の目線に立った、いい企画を立ててくれるだろうと思ったんだ」
部長の思いがけない言葉にじわじわと喜びが込み上げてくる。
部長がわたしを見つめている。
こんな優しい眼差し、できる人だったんだ。
「期待してるぞ」
「はい」
それから、部長はふっと視線を外して窓のほうをみて、小さな声で何かつぶやいた。
「米川の言ったこと、当たってんのかもな」
「えっ」
よく聞こえなかったのでわたしが問い直すと、何でもないと言って、部長はグラスに手を伸ばした。
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