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第4章 大嵐のち快晴!

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 でも、彼がその後でとった行動は予想にまったく反するものだった。

「すまなかった」
 わたしが顔を上げると、彼も深々と頭を下げていた。

「いや、謝るのは俺のほうだ。なんであんなこと言っちまったのか。ずっと悪いことをしたと思っていた」

 そう言うと、もっと深く頭を下げた。

「それなのに、つい意地をはって今日まで謝りもしないなんて、最低な男だな、俺は」

「部長、もう頭を上げてください。わたしのほうこそ、もう部長に愛想をつかされたかと思ってました。すぐに頭に血が上ってしまって、立場もわきまえず言いたい放題言ってしまって」

 わたしもすみません、ともう一度、頭を下げた。

 そして、顔を上げたとき、ほぼ同時に部長も顔を上げた。

 ばっちり目が合った。
 そして……

「ぷっ」
 先に吹き出したのは部長。

「くっくっ……」と耐えきれないといった様子で声を殺して笑い出す。

 その様子を見ていたわたしも笑いがこみあげてきて、止まらなくなった。

 しばらくそうやって、ふたりで笑っていた。

 部長はすっかり和んだ表情でわたしのグラスにビールを注ぎながら「なに、やってんだろうな、俺たち。ああ、酔ってんのか」と言い、また少し笑った。

 わたしは「そうですね」と言いながらビールに口をつけた。
 とってもぬるかった。

「でも、さっき言ったことは本心だ。本当に悪かった」
「はい。わかってます」
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