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第7章 自爆覚悟の告白の末……

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 彼は身体を起こしてわたしを見た。
「香川と? なんでそんな話になる?」

「あの、この間、沙織先輩と部長が話しているところを見かけて……そのとき、先輩、部長の肩にしなだれかかっていて」

 部長は意外そうな声を出した。
「なんだ、お前ら親しいのに、香川が誰と付き合っているかも知らないのか?」

「そういえば、そういう話、したことなかったです」

 沙織先輩の彼氏は株のディーラーで、現在はシンガポールに赴任しているのだそうだ。

 つまり、国際遠距離恋愛。
 部長もその彼と知っているそうだ。

「香川とは、もう10年以上の付き合いだからな。肩ぐらい貸すこともある。珍しく、あの気丈な奴がだいぶ参っていたしな、あのときは」

「えー、でも……」
 部長はテーブルにおいてあった煙草を咥え、火をつけた。

「香川に確かめてみろ。大爆笑されるのがオチだぞ。それよりお前のほうがどうなんだ。『ヤマモト』の社長とは。今日も会ってたんだろう?」

「なんで知ってるんですか?」
「電話取ったの俺だぞ」

 あ、そうだった。

「さっき、俺と香川がどうこう言ってたが、俺もてっきり、お前は『ヤマモト』の社長とくっつくもんだと思ってたから」

「ないです、それは」

「あのさ」
「はい?」
「いや、やっぱいいや」
「えー、言ってください。気になるから」

 部長は言いづらそうにしてたけど、わたしがじっと顔を見ていると、観念して話しはじめた。
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