15 / 139
第1章 誰、それ?
12
しおりを挟む
でも、彼らがなんでうちの会社を選んだか、その理由はわかった。
テレビ局のすぐ近くにあるからだ。
ここ『飯倉スクエア』は超高層のオフィスビルを中心に、ショッピングセンターや超高級レジデンス、それにサンライズ・テレビの本社が隣接する複合パーク都市。
わたしの会社はそのオフィスビルの41階にあった。
撮影の合い間に立ち寄るには、まさに打ってつけのロケーション。
「お話はわかりました。ではまず、ここで簡単に仕事の説明と、模擬プレゼンをさせていただきます。説明、プレゼンの最中でもどうぞご遠慮なくご質問ください。では、さっそく始めましょうか」
「よろしくお願いします」
わたしはよそ行きの顔を作ってプレゼンをはじめた。
途中で榊原宗介に目をやると……
え?
もしかして寝てる?
彼は腕と脚を組み、椅子の背に体を預けて、目を閉じている。
ちょっと腹が立ってきた。
そりゃ、話が面白くないのはわかる。
でも、こっちは忙しい時間を割いて、わざわざ、あなたのためにこんなことで時間を浪費しているんだけど。
ちょっと怖い顔をつくって、睨んでみた。
すると、私の視線に敏感に反応した榊原宗介は目を開け、微笑んだ。
い、いや、あの笑顔には負ける。
起きて、ちゃんと聞いていてくれれば、文句はないです、はい。
わたしの話が終わりに差しかかったとき、向井さんの携帯が鳴りだした。
画面に目を落としてから、彼女は「ちょっと失礼します」と、部屋の外に出ていった。
テレビ局のすぐ近くにあるからだ。
ここ『飯倉スクエア』は超高層のオフィスビルを中心に、ショッピングセンターや超高級レジデンス、それにサンライズ・テレビの本社が隣接する複合パーク都市。
わたしの会社はそのオフィスビルの41階にあった。
撮影の合い間に立ち寄るには、まさに打ってつけのロケーション。
「お話はわかりました。ではまず、ここで簡単に仕事の説明と、模擬プレゼンをさせていただきます。説明、プレゼンの最中でもどうぞご遠慮なくご質問ください。では、さっそく始めましょうか」
「よろしくお願いします」
わたしはよそ行きの顔を作ってプレゼンをはじめた。
途中で榊原宗介に目をやると……
え?
もしかして寝てる?
彼は腕と脚を組み、椅子の背に体を預けて、目を閉じている。
ちょっと腹が立ってきた。
そりゃ、話が面白くないのはわかる。
でも、こっちは忙しい時間を割いて、わざわざ、あなたのためにこんなことで時間を浪費しているんだけど。
ちょっと怖い顔をつくって、睨んでみた。
すると、私の視線に敏感に反応した榊原宗介は目を開け、微笑んだ。
い、いや、あの笑顔には負ける。
起きて、ちゃんと聞いていてくれれば、文句はないです、はい。
わたしの話が終わりに差しかかったとき、向井さんの携帯が鳴りだした。
画面に目を落としてから、彼女は「ちょっと失礼します」と、部屋の外に出ていった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる