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第2章 榊原宗介がふたり?
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榊原宗介は、わたしの言葉が心底、理解できないという表情を浮かべた。
「たしかに俺は俳優だけど、別に妖怪ってわけじゃなくて普通の人間だし。気になる人ともう少し話したいと思ったって、別におかしくないだろう」
気になる人……
だから、わからないのはまさにそこなのだけど。
「でも、榊原さんの周りには、アイドルとか女優さんとか、素敵な方が大勢いるでしょう? なんでわざわざ、わたしなんかに。からかわれているとしか思えないです」
彼はきわめて真面目な顔をして言った。
「なんかピンと来たんだ。橋本さんに会った瞬間に。第六感っていうのかな。宇宙からの指令的な……?」
やっぱり、ふざけてる。
こうやって、素人をもてあそんで、心のなかで笑っているに違いない。
話を聞けば聞くほど、不審感が募る。
よっぽど顔をしかめていたのだろう。
亮介さんがぷっと吹き出した。
「『宇宙からの指令』って、何言ってんの。なんか、兄貴が口を開けば開くだけドツボにはまってる気がするけど」
亮介さんはわたしを見て言った。
「たしかにちょっと変わったこと言い出しますけれど、本人に悪気はないんで」
「はあ……」
うーん、でも、どうしてもこの状況、狐につままれているとしか思えない。
「俺が翻訳して、言い直してもいいんですけど、ま、それは余計なお世話になりそうなんで控えておきますね」
「たしかに俺は俳優だけど、別に妖怪ってわけじゃなくて普通の人間だし。気になる人ともう少し話したいと思ったって、別におかしくないだろう」
気になる人……
だから、わからないのはまさにそこなのだけど。
「でも、榊原さんの周りには、アイドルとか女優さんとか、素敵な方が大勢いるでしょう? なんでわざわざ、わたしなんかに。からかわれているとしか思えないです」
彼はきわめて真面目な顔をして言った。
「なんかピンと来たんだ。橋本さんに会った瞬間に。第六感っていうのかな。宇宙からの指令的な……?」
やっぱり、ふざけてる。
こうやって、素人をもてあそんで、心のなかで笑っているに違いない。
話を聞けば聞くほど、不審感が募る。
よっぽど顔をしかめていたのだろう。
亮介さんがぷっと吹き出した。
「『宇宙からの指令』って、何言ってんの。なんか、兄貴が口を開けば開くだけドツボにはまってる気がするけど」
亮介さんはわたしを見て言った。
「たしかにちょっと変わったこと言い出しますけれど、本人に悪気はないんで」
「はあ……」
うーん、でも、どうしてもこの状況、狐につままれているとしか思えない。
「俺が翻訳して、言い直してもいいんですけど、ま、それは余計なお世話になりそうなんで控えておきますね」
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