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第三章 旅の始まり
第40話 引っ越し
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日差しも少しずつやわらぎ、過ごしやすい季節になった。
ここ、商業国イデオンの首都ブラルでは、今日も多くの人が道を行き交っている。
俺たちは泊っている宿屋を引き払い、今日からあの、新居に住むのだ。
荷物を山のように抱えて、宿屋の主人に挨拶をする。といっても、永遠の別れという程ではない。同じ町に住んでいれば、きっとここの食堂には毎日のように飯を食べにくるだろう。
「おお、何とも門出にふさわしい、美しい朝であろうか」
「アア、ソウジャノウ」
「ちょっ、リクさん、リリアナさん、もう少し自然に、自然にですよ」
俺達がセリフを口に出したら、横からシモンが小声で茶々を入れる。
シモン、静かにしないか!
打合せ通りだっただろう?
と、大荷物を抱えて、宿屋の前でごにょごにょ話す。
人通りは多く、邪魔なのだろう、迷惑そうに顔をしかめながら通行人が避けていく。
そんななか、ふらふら歩いてきた男が一人、リリアナにぶつかりそうになった。
素早くリリアナの手を引いて避けると、その男は俺にぶつかって、下を向いたままブツブツ小さな声で謝ると、そのまま顔を隠すように人込みに消えていった。
その男の後を追うように、目立たずこっそりと歩く女がいる。すれ違いざまにこっちを見て、軽くウインクしてから男を追って彼女も消えた。
前回の依頼の時に出会った冒険者パーティー「西の鳶《とび》」のリーダー、ゾラだった。
ぶつかってきた男とゾラが遠く離れてから、笑いながら出てきた三人の男女。「西の鳶」の残りのメンバーだ。
槍使いのエリアスは筋肉自慢の大男、魔法使いのヒューは金髪の優男だが口は悪い。大きな剣を腰から下げたレンカは、ヒューよりも大柄だがれっきとした女だ。栗色の長い巻き毛を無造作に後ろでくくって、いかにも女剣士という雰囲気。
この三人と合流して、家に向かって一緒に歩く。
今日はこれから、家の中の最後の大掃除を、彼らにも手伝ってもらうことになっているのだ。
「よう! くくく。すげえ棒読みだったな。セリフ考えてたのかよ?」
筋肉自慢の槍使い、エリアスが必死に笑いをこらえて言った。
「勘弁してくれよ、エリアスさん。あそこでじっと黙って突っ立ってるのもおかしいし、どうせなら今日引っ越すってのを強調した方が良いって言われたんだ。俺だってやりたくなかったさ」
「ははは、まあ良いだろう。あいつはゾラに任せとけばいい。拠点を見つけてから戻ってくるだろ。あの男が仕掛けてきたのは間違いないか?」
「ああ。ぶつかってきたときに、確かに俺に魔力が向かってきたのを感じた」
◆◆◆
家を買ってから今日までの数日間、俺たちは宿屋に泊まりながら何度も家に通って、室内を生活できるように整えてきた。
そんな俺たちを見張っている者たちが複数いるのには、すぐに気が付いた。
家の中では、何も起こらなかったのだが、外に出るとどこからか視線を感じる。
人込みではすれ違いざまに何度もぶつかられた。ただ、刃物で刺されたとかではなかったので、何をされているか最初は気づきにくかった。
分かったのは、シモンが初めてぶつかられた後に体調を崩したからだ。
「少なくとも連中のうち二人は、治癒系の魔法使いだ思う。あれは治癒魔法を悪用して他人の体内魔力を乱すやり方だ」
「自分の魔力を流し込んで悪影響を与えるってのは、かなり難しいはずだ。ってゾラが言ってたぞ」
「そうじゃ。人には防衛本能というものがあるからのう」
普通は治癒の為に魔力を流し込むことは出来るが、悪意を持って流し込もうとしても無意識に拒絶される。だが、中には魔力を相手に流して体の中から攻撃するような技を持つものがいる。その多くが治癒を得意とする魔法使いというのは、皮肉だな。
俺とリリアナはその魔法が効きにくいらしい。おそらく身体強化が得意なせいだと思うんだか、詳しくは分からん。
シモンが攻撃されて初めて分かったのだ。それも、本人は何も気づいていなくて、ただ急に気分が悪くなっただけだという。シモンにとって運が良かったのは、リリアナがその場ですぐに治癒魔法を使ったことだ。
「あれは本当に気持ちが悪い技でしたよ。リクさんは、本当に平気なのですか?」
「ああ、俺はどうもないな。それに、分かって心構えしていればいくらかは防げるはずだってゾラさんが言ってたぞ」
今までの関係者が調子を崩したのも、同じような事をされたのだと思う。
賢いやり方だ。気分が悪くなるだけで死人が出なければ、本格的な調査はされない。お化け屋敷の噂を流せば、人々は勝手に呪いだと連想してくれる。
気分が悪くなったのがあの家の中でないのなら、町の警備兵が家の中を調べにくることもないだろう。
そしてお祓いに訪れた教会の人は、上手に隠された家の秘密を暴くこともなく、祈祷だけして帰ったというわけだ。
「じゃあ、大掃除、頑張らねえとな」
「なるべく危険がないように計画を立てたつもりだが、相手の規模が分からんからな。いざとなったらよろしく頼む」
「ああ」
「楽しみだ」
「承知した」
家は相変わらず、草に覆われてはいるが、玄関までの石畳の上だけは綺麗になっている。今日まではいちいち閉めていた門も、鍵を開けて広く開放した。
「おう、なかなか立派じゃねえか!」
「ふふふ、良いじゃろう。客間もあるから今晩は泊ってゆくがよい」
「食事もお酒も用意してますからね」
「おっ、太っ腹だな。じゃあ今夜はゾラが合流したら宴会だぜ」
わいわい騒ぎながら家の中へと入っていく。
楽しそうにしゃべりながら、しかし注意深くドアを開けると、少しだけ空気に違和感を感じた。気をつけてなければ気付かない程度のものだ。
「締めきっておいたから、少し空気を通そうかの」
リリアナが玄関先で魔法を使って風を起こし、室内の空気を入れ替える。
「(うっすら薬草の匂いがする。幻覚作用のある薬のようじゃ)」
「(あちらさんも、しびれを切らして手段をえらばなくなったのかねえ)」
「(気配は濃いが姿はみえぬな)」
「(宴会でもして酔っ払えば出てくるかもしれんが、そこまで待ってやる義理もないだろう)」
小声で相談しながら中に入ったが、室内にはすぐに分かるような仕掛けは見つからない。相手はまだ、自分たちの存在を大っぴらにはしたくないのだろう。
コソコソ隠れて何をしているのかは分からないが、コソコソ準備してきたのはこっちも一緒だ。
引っ越しの荷物をドンと床に置き、みんなの顔を見る。シモンがポケットから筒形の魔道具を取り出して、底に魔石をセットした。
リリアナが俺を見て、にーっと笑う。
準備オッケーだ。
「さあ、大掃除を始めようか」
ここ、商業国イデオンの首都ブラルでは、今日も多くの人が道を行き交っている。
俺たちは泊っている宿屋を引き払い、今日からあの、新居に住むのだ。
荷物を山のように抱えて、宿屋の主人に挨拶をする。といっても、永遠の別れという程ではない。同じ町に住んでいれば、きっとここの食堂には毎日のように飯を食べにくるだろう。
「おお、何とも門出にふさわしい、美しい朝であろうか」
「アア、ソウジャノウ」
「ちょっ、リクさん、リリアナさん、もう少し自然に、自然にですよ」
俺達がセリフを口に出したら、横からシモンが小声で茶々を入れる。
シモン、静かにしないか!
打合せ通りだっただろう?
と、大荷物を抱えて、宿屋の前でごにょごにょ話す。
人通りは多く、邪魔なのだろう、迷惑そうに顔をしかめながら通行人が避けていく。
そんななか、ふらふら歩いてきた男が一人、リリアナにぶつかりそうになった。
素早くリリアナの手を引いて避けると、その男は俺にぶつかって、下を向いたままブツブツ小さな声で謝ると、そのまま顔を隠すように人込みに消えていった。
その男の後を追うように、目立たずこっそりと歩く女がいる。すれ違いざまにこっちを見て、軽くウインクしてから男を追って彼女も消えた。
前回の依頼の時に出会った冒険者パーティー「西の鳶《とび》」のリーダー、ゾラだった。
ぶつかってきた男とゾラが遠く離れてから、笑いながら出てきた三人の男女。「西の鳶」の残りのメンバーだ。
槍使いのエリアスは筋肉自慢の大男、魔法使いのヒューは金髪の優男だが口は悪い。大きな剣を腰から下げたレンカは、ヒューよりも大柄だがれっきとした女だ。栗色の長い巻き毛を無造作に後ろでくくって、いかにも女剣士という雰囲気。
この三人と合流して、家に向かって一緒に歩く。
今日はこれから、家の中の最後の大掃除を、彼らにも手伝ってもらうことになっているのだ。
「よう! くくく。すげえ棒読みだったな。セリフ考えてたのかよ?」
筋肉自慢の槍使い、エリアスが必死に笑いをこらえて言った。
「勘弁してくれよ、エリアスさん。あそこでじっと黙って突っ立ってるのもおかしいし、どうせなら今日引っ越すってのを強調した方が良いって言われたんだ。俺だってやりたくなかったさ」
「ははは、まあ良いだろう。あいつはゾラに任せとけばいい。拠点を見つけてから戻ってくるだろ。あの男が仕掛けてきたのは間違いないか?」
「ああ。ぶつかってきたときに、確かに俺に魔力が向かってきたのを感じた」
◆◆◆
家を買ってから今日までの数日間、俺たちは宿屋に泊まりながら何度も家に通って、室内を生活できるように整えてきた。
そんな俺たちを見張っている者たちが複数いるのには、すぐに気が付いた。
家の中では、何も起こらなかったのだが、外に出るとどこからか視線を感じる。
人込みではすれ違いざまに何度もぶつかられた。ただ、刃物で刺されたとかではなかったので、何をされているか最初は気づきにくかった。
分かったのは、シモンが初めてぶつかられた後に体調を崩したからだ。
「少なくとも連中のうち二人は、治癒系の魔法使いだ思う。あれは治癒魔法を悪用して他人の体内魔力を乱すやり方だ」
「自分の魔力を流し込んで悪影響を与えるってのは、かなり難しいはずだ。ってゾラが言ってたぞ」
「そうじゃ。人には防衛本能というものがあるからのう」
普通は治癒の為に魔力を流し込むことは出来るが、悪意を持って流し込もうとしても無意識に拒絶される。だが、中には魔力を相手に流して体の中から攻撃するような技を持つものがいる。その多くが治癒を得意とする魔法使いというのは、皮肉だな。
俺とリリアナはその魔法が効きにくいらしい。おそらく身体強化が得意なせいだと思うんだか、詳しくは分からん。
シモンが攻撃されて初めて分かったのだ。それも、本人は何も気づいていなくて、ただ急に気分が悪くなっただけだという。シモンにとって運が良かったのは、リリアナがその場ですぐに治癒魔法を使ったことだ。
「あれは本当に気持ちが悪い技でしたよ。リクさんは、本当に平気なのですか?」
「ああ、俺はどうもないな。それに、分かって心構えしていればいくらかは防げるはずだってゾラさんが言ってたぞ」
今までの関係者が調子を崩したのも、同じような事をされたのだと思う。
賢いやり方だ。気分が悪くなるだけで死人が出なければ、本格的な調査はされない。お化け屋敷の噂を流せば、人々は勝手に呪いだと連想してくれる。
気分が悪くなったのがあの家の中でないのなら、町の警備兵が家の中を調べにくることもないだろう。
そしてお祓いに訪れた教会の人は、上手に隠された家の秘密を暴くこともなく、祈祷だけして帰ったというわけだ。
「じゃあ、大掃除、頑張らねえとな」
「なるべく危険がないように計画を立てたつもりだが、相手の規模が分からんからな。いざとなったらよろしく頼む」
「ああ」
「楽しみだ」
「承知した」
家は相変わらず、草に覆われてはいるが、玄関までの石畳の上だけは綺麗になっている。今日まではいちいち閉めていた門も、鍵を開けて広く開放した。
「おう、なかなか立派じゃねえか!」
「ふふふ、良いじゃろう。客間もあるから今晩は泊ってゆくがよい」
「食事もお酒も用意してますからね」
「おっ、太っ腹だな。じゃあ今夜はゾラが合流したら宴会だぜ」
わいわい騒ぎながら家の中へと入っていく。
楽しそうにしゃべりながら、しかし注意深くドアを開けると、少しだけ空気に違和感を感じた。気をつけてなければ気付かない程度のものだ。
「締めきっておいたから、少し空気を通そうかの」
リリアナが玄関先で魔法を使って風を起こし、室内の空気を入れ替える。
「(うっすら薬草の匂いがする。幻覚作用のある薬のようじゃ)」
「(あちらさんも、しびれを切らして手段をえらばなくなったのかねえ)」
「(気配は濃いが姿はみえぬな)」
「(宴会でもして酔っ払えば出てくるかもしれんが、そこまで待ってやる義理もないだろう)」
小声で相談しながら中に入ったが、室内にはすぐに分かるような仕掛けは見つからない。相手はまだ、自分たちの存在を大っぴらにはしたくないのだろう。
コソコソ隠れて何をしているのかは分からないが、コソコソ準備してきたのはこっちも一緒だ。
引っ越しの荷物をドンと床に置き、みんなの顔を見る。シモンがポケットから筒形の魔道具を取り出して、底に魔石をセットした。
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