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第六章 過去に触れる
第81話 別れとこれから
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遺跡の石のドラゴン戦から数日経った。
西の鳶は新たな依頼を受けて旅に出る。
「リク、長く世話になったな」
「こちらこそ、西の鳶には世話になった」
「面白い経験をさせてもらったさ。お前たちはこれから……、いや、聞かないでおくか」
「ああ」
「ここから先は、俺たちが踏み込むことじゃないからな。だが、無事を祈ってるぜ」
「怪我をしたら、私のところへいらっしゃい。この本に書かれている技の実験台にしてあげるわ」
ゾラが嬉しそうに髑髏の描かれた本を見せびらかす。
実験台は勘弁してほしい。
ヒューはリリアナと最後まで魔術談議に花を咲かせ、レンカはカリンと握手して別れを惜しんでいた。
そしてレーヴィもまた、旅支度を整えている。
「気を付けていくのじゃぞ。ガルガラアドの皆によろしくな」
「ありがとうございます、リリアナさん」
「腕の調子はもういいのか?」
「ええ、もうすっかり。体力はまだまだ戻っていませんので、ゆっくり旅をしようと思います」
「うむ。じゃがアルハラには、あまり長居をせぬようにな」
「はい。これから先、皆様のお手伝いができずに申し訳ありません」
西の鳶もレーヴィも、事情を察して気にしつつも、それぞれの帰る場所へと戻っていった。
これから先の俺達の予定は……。
「いいか、俺はお前たちの保証人だ。この前はうっかりとんでもないことに巻き込まれたが、もういい子にしてるんだぞ。お前らの計画なんぞ、何も聞いていない。何も見ていないからな。捕まるようなヘマはするな!」
ヨルマが俺たちの様子を見に来て、ぶつくさ言いながら帰った。彼は北の荒れ地の捜索中に行方不明になっていたため、言い訳に苦労したようだ。
そしてこれからしばらくは、イデオンの軍に協力して北の荒れ地の探索をすると言っていた。リリアナが作り出した偽の証拠のせいだ。他にも何か出るか探すんだろう。
すまないな。何も出てこないと思う。
ぶつくさ言いながらもここに来たのは、いくつかの武器を俺たちにくれるためだった。
「これはこの前買ったんだが、俺には合わなかった短剣だ。クリスタには使えるかもしれんから、ここに置いておくぞ。いいか。使うんじゃない。ただ念のために持っておけよ」
「あ、ありがとう」
「礼なんぞいらん。とにかく、捕まるようなことはするなよ。俺が困るんだからな!」
迷惑をかけないようにしよう、とは思う。俺たち自身の為にも。
計画は念入りに。安全第一で目標を絞る。
◆◆◆
「さて。これからのことだけどよ」
アルが話を切り出した。
「俺は、アルハラに行く。村のやつらの生き残りを解放する」
「全員は無理だろう」
「まずは一人でも二人でもいいんだ。俺だけがのうのうと、自由に暮らしていくわけにはいかねえ」
それはきっと、アルのエゴだ。
無事に助け出せるかどうかも分からない。誰を助けたいという確固たる目的すらない。
ただ、何もできなかった過去をもう一度やり直したいだけ。
だが、そんなアルに、俺たちは乗っかることにした。俺と、そしてリリアナとクリスタもまた、やり直したい過去を今も引きずっている。
「むやみに突入しても駄目だろう。いきなり逃げようと言われても、長年囚われているものが急に決断はできない」
「だったらどうしろって言うんだ。今の俺なら、二人くらいはひっ抱えて無理やりにでも攫《さら》える。それを百回繰り返したら二百人だぜ」
「アルハラ側が対処しなければな。そんな訳ないだろ」
「私が手伝う。だから弟も一緒に攫ってきて欲しい」
クリスタが身を乗り出して、訴える。
「私は森の民の大半がいる場所を知っている。トファーもそこに居るから」
俺は剣闘士として過ごしたので、王城に隣接した闘技場の中の寮に住んでいた。戦える男たちの多くはそこにいる。そして魔獣狩りなど必要な時には外に連れていかれる。
戦える女たちは同じく闘技場の中に、そして戦いには向かない者たちはどこか別のところに集められていた。
どこかにいる同郷の仲間たちが人質として、俺たちの枷になっていた。
「まず開放するなら、人質からだな。クリスタはどこにあるか場所も分かるか?」
「ああ、私はアルハラで生まれた。そこで育ったんだ」
アルハラの首都クララックは、三重の街壁に囲まれた大都市だ。
一番外側の外壁は、魔物や獣から街を守るためのもので、普段は住民の通行を妨げないように、門の数も多く、開け放たれている。
外壁の内側には牧場や畑があり、農村のような風景だ。とはいえ市街地に近いので、家も多く立ち並び、人通りも多い。旅人も止められることなく門を通過できる。ここまでは出入り自由だと言えるだろう。
その内側の内壁は、首都クララックへと出入りする人を監視する門番がいる。
アルハラは長く魔族と争っているので、魔族が侵入しようとしても、大抵の場合ここで止められる。ただし見た目と身分証だけのチェックだ。身分証には名前やギルドランクしか書かれていないため、前回訪れた時はカリンは変装してこの内壁の内側まで入ることができた。
クララックの半数以上の住人が、この内壁の内側で暮らしている。宿屋や店も多く、夜遅くまで賑やかに人が行き交う都会だ。
内壁のさらに内側、クララックの中心には王侯貴族の住まう城がある。
城の西側には、巨大な闘技場が隣接しており、闘技場からまるで城を抱き込む腕のように伸びているのが城壁だ。
闘技場の中心は魔物と剣闘士たちが戦う円形の舞台で、万が一にも魔物が逃げ出さないようにと、高い塀で囲まれている。観客席はその塀の外側をぐるりと取り囲んでいるが、市街地側と城側の境を壁で区切られていて、市民は市街地側から、王侯貴族は城側から観戦するようになっていた。
城壁の内側には城勤めの者たちしか入れない。
クリスタによると、城壁の内側、闘技場とは反対の東側に、牢のように入口の閉ざされた建物があり、そこが森の民の住居になっている。
今はおよそ百五十人の森の民がいると思われる。主に年老いた者と怪我人、女、子供だ。普段は外に出ることはなく、料理や洗濯などの仕事が持ち込まれる。
美しい顔かたちのものが多く、一時期はアルハラの王侯貴族に愛人として連行されることもあったが、今はほぼ無い。というのも、身体強化を得意とする森の民は、切羽詰まって暴れ始めると女と言えども抑え込むのにかなりの人数を割かなければならないからだ。
美貌を利用しようとして迂闊《うかつ》に外に出すよりも、厳重に警備した建物の中に閉じ込めておいた方がいいと思ったのだろう。何度かの事故を経て、今では無理を言って愛人にしようとする貴族もいなくなった。
一方闘技場の方には剣闘士たちがいる。こちらは城壁の内側ではなく、市民の住む内壁側に住居が置かれていた。
剣闘士の人数は正確には分からない。いくつかのグループに分けられて魔物を狩るために連れ出されたり、アルのように外部組織に派遣される者もいる。闘技場にはおよそ二十人前後が待機しているはずだ。
この街のつくりからして、外壁は心配する必要はない。侵入も内壁の内側までは容易に入れるだろう。問題は城壁の中にいる人質たちをどうやって内壁側に連れ出すか。そしてそこから内壁を超えて外に出るまでのことも考えなければならない。
西の鳶は新たな依頼を受けて旅に出る。
「リク、長く世話になったな」
「こちらこそ、西の鳶には世話になった」
「面白い経験をさせてもらったさ。お前たちはこれから……、いや、聞かないでおくか」
「ああ」
「ここから先は、俺たちが踏み込むことじゃないからな。だが、無事を祈ってるぜ」
「怪我をしたら、私のところへいらっしゃい。この本に書かれている技の実験台にしてあげるわ」
ゾラが嬉しそうに髑髏の描かれた本を見せびらかす。
実験台は勘弁してほしい。
ヒューはリリアナと最後まで魔術談議に花を咲かせ、レンカはカリンと握手して別れを惜しんでいた。
そしてレーヴィもまた、旅支度を整えている。
「気を付けていくのじゃぞ。ガルガラアドの皆によろしくな」
「ありがとうございます、リリアナさん」
「腕の調子はもういいのか?」
「ええ、もうすっかり。体力はまだまだ戻っていませんので、ゆっくり旅をしようと思います」
「うむ。じゃがアルハラには、あまり長居をせぬようにな」
「はい。これから先、皆様のお手伝いができずに申し訳ありません」
西の鳶もレーヴィも、事情を察して気にしつつも、それぞれの帰る場所へと戻っていった。
これから先の俺達の予定は……。
「いいか、俺はお前たちの保証人だ。この前はうっかりとんでもないことに巻き込まれたが、もういい子にしてるんだぞ。お前らの計画なんぞ、何も聞いていない。何も見ていないからな。捕まるようなヘマはするな!」
ヨルマが俺たちの様子を見に来て、ぶつくさ言いながら帰った。彼は北の荒れ地の捜索中に行方不明になっていたため、言い訳に苦労したようだ。
そしてこれからしばらくは、イデオンの軍に協力して北の荒れ地の探索をすると言っていた。リリアナが作り出した偽の証拠のせいだ。他にも何か出るか探すんだろう。
すまないな。何も出てこないと思う。
ぶつくさ言いながらもここに来たのは、いくつかの武器を俺たちにくれるためだった。
「これはこの前買ったんだが、俺には合わなかった短剣だ。クリスタには使えるかもしれんから、ここに置いておくぞ。いいか。使うんじゃない。ただ念のために持っておけよ」
「あ、ありがとう」
「礼なんぞいらん。とにかく、捕まるようなことはするなよ。俺が困るんだからな!」
迷惑をかけないようにしよう、とは思う。俺たち自身の為にも。
計画は念入りに。安全第一で目標を絞る。
◆◆◆
「さて。これからのことだけどよ」
アルが話を切り出した。
「俺は、アルハラに行く。村のやつらの生き残りを解放する」
「全員は無理だろう」
「まずは一人でも二人でもいいんだ。俺だけがのうのうと、自由に暮らしていくわけにはいかねえ」
それはきっと、アルのエゴだ。
無事に助け出せるかどうかも分からない。誰を助けたいという確固たる目的すらない。
ただ、何もできなかった過去をもう一度やり直したいだけ。
だが、そんなアルに、俺たちは乗っかることにした。俺と、そしてリリアナとクリスタもまた、やり直したい過去を今も引きずっている。
「むやみに突入しても駄目だろう。いきなり逃げようと言われても、長年囚われているものが急に決断はできない」
「だったらどうしろって言うんだ。今の俺なら、二人くらいはひっ抱えて無理やりにでも攫《さら》える。それを百回繰り返したら二百人だぜ」
「アルハラ側が対処しなければな。そんな訳ないだろ」
「私が手伝う。だから弟も一緒に攫ってきて欲しい」
クリスタが身を乗り出して、訴える。
「私は森の民の大半がいる場所を知っている。トファーもそこに居るから」
俺は剣闘士として過ごしたので、王城に隣接した闘技場の中の寮に住んでいた。戦える男たちの多くはそこにいる。そして魔獣狩りなど必要な時には外に連れていかれる。
戦える女たちは同じく闘技場の中に、そして戦いには向かない者たちはどこか別のところに集められていた。
どこかにいる同郷の仲間たちが人質として、俺たちの枷になっていた。
「まず開放するなら、人質からだな。クリスタはどこにあるか場所も分かるか?」
「ああ、私はアルハラで生まれた。そこで育ったんだ」
アルハラの首都クララックは、三重の街壁に囲まれた大都市だ。
一番外側の外壁は、魔物や獣から街を守るためのもので、普段は住民の通行を妨げないように、門の数も多く、開け放たれている。
外壁の内側には牧場や畑があり、農村のような風景だ。とはいえ市街地に近いので、家も多く立ち並び、人通りも多い。旅人も止められることなく門を通過できる。ここまでは出入り自由だと言えるだろう。
その内側の内壁は、首都クララックへと出入りする人を監視する門番がいる。
アルハラは長く魔族と争っているので、魔族が侵入しようとしても、大抵の場合ここで止められる。ただし見た目と身分証だけのチェックだ。身分証には名前やギルドランクしか書かれていないため、前回訪れた時はカリンは変装してこの内壁の内側まで入ることができた。
クララックの半数以上の住人が、この内壁の内側で暮らしている。宿屋や店も多く、夜遅くまで賑やかに人が行き交う都会だ。
内壁のさらに内側、クララックの中心には王侯貴族の住まう城がある。
城の西側には、巨大な闘技場が隣接しており、闘技場からまるで城を抱き込む腕のように伸びているのが城壁だ。
闘技場の中心は魔物と剣闘士たちが戦う円形の舞台で、万が一にも魔物が逃げ出さないようにと、高い塀で囲まれている。観客席はその塀の外側をぐるりと取り囲んでいるが、市街地側と城側の境を壁で区切られていて、市民は市街地側から、王侯貴族は城側から観戦するようになっていた。
城壁の内側には城勤めの者たちしか入れない。
クリスタによると、城壁の内側、闘技場とは反対の東側に、牢のように入口の閉ざされた建物があり、そこが森の民の住居になっている。
今はおよそ百五十人の森の民がいると思われる。主に年老いた者と怪我人、女、子供だ。普段は外に出ることはなく、料理や洗濯などの仕事が持ち込まれる。
美しい顔かたちのものが多く、一時期はアルハラの王侯貴族に愛人として連行されることもあったが、今はほぼ無い。というのも、身体強化を得意とする森の民は、切羽詰まって暴れ始めると女と言えども抑え込むのにかなりの人数を割かなければならないからだ。
美貌を利用しようとして迂闊《うかつ》に外に出すよりも、厳重に警備した建物の中に閉じ込めておいた方がいいと思ったのだろう。何度かの事故を経て、今では無理を言って愛人にしようとする貴族もいなくなった。
一方闘技場の方には剣闘士たちがいる。こちらは城壁の内側ではなく、市民の住む内壁側に住居が置かれていた。
剣闘士の人数は正確には分からない。いくつかのグループに分けられて魔物を狩るために連れ出されたり、アルのように外部組織に派遣される者もいる。闘技場にはおよそ二十人前後が待機しているはずだ。
この街のつくりからして、外壁は心配する必要はない。侵入も内壁の内側までは容易に入れるだろう。問題は城壁の中にいる人質たちをどうやって内壁側に連れ出すか。そしてそこから内壁を超えて外に出るまでのことも考えなければならない。
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