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旧ver(※書籍化本編の続きではありません)
再び現れたアスモデウス★
深い深い夢の中で、私は一歩も動けずに横たわっていた。
とにかく疲れ切っていたからだ。
瞼さえ開けるのも億劫で、ただただじっと夢が終わるのを待つ。
すると、何かが私の身体に巻き付いてくるような感覚に襲われた。蛇のような何か……けれど、表面はヌルヌルしていて、小さくて柔らかな突起が無数についている。それが服の下へと入り込み、私の敏感なところをヌルヌルと滑っていく。
鈍い快感が、私の疲れ切っている身体を火照らせる。
この身体はどこまで快楽に貪欲で、どこまで敏感なのだろうか。
今日はもう感じたくない。
ゆっくり休みたいのに。
やがて頭の上から降ってくる、色気駄々漏れな甘い声音。
『また会えたな、ヴィクトリア。飼い犬を可愛がるのはいいが、甘やかし過ぎて躾を疎かにするのは問題だぞ?』
耳元で囁かれただけなのに、ゾクゾクとした快感が背中を走り抜け、肌が粟立ってしまう。
私は重たい瞼をゆっくりと持ち上げた。
そこには、つい最近出会ったばかりの悪魔の姿。浅黒い肌に、やや細身ながらも逞しい体躯。髪は長く艶やかなブロンドで、頭には山羊のような角が生えている美しい妖艶な男。
身に纏う衣服は見るからに上等な布地で、まるで砂漠の王者のような印象を受ける。上半身が開けており、割れた腹筋や厚い胸板が実に艶めかしい。
――――色欲を司る悪魔・アスモデウス。
その存在を認めた瞬間、ヴィクトリアの身体が強張った。
『飼い犬達に好きなように貪られて、一体何度絶頂した?困ったものだ。お前はもう、私のものなのに』
(……私のもの?何を言っているの?)
身体中をズルズルと這っていくのは、アスモデウスの配下である触手の魔物だった。媚薬効果のある粘液を撒き散らしながら、敏感な部分を滑っていく触手に、ヴィクトリアはビクビクと身体を震わせる。
『色欲の愛し子は快楽から逃れられない。だが、お前は元人間だからな。普通の魔物より身体が脆弱だ。今の状態が辛いなら、私が助けてやってもいいぞ?』
『ひゃあんっ♡♡♡』
ネグリジェの中に潜り込み、中を這いずっていた触手が下着の中へ侵入し、散々エリックやルカ、フィルやナハトに嬲られた場所に吸い付き、凶悪な快楽をヴィクトリアに与えていく。
強制的に与えられる快楽に、ヴィクトリアはいよいよ命の危険を感じた。
身体が怠くて熱くて、ジトリとした嫌な汗が吹き出る。
『ひ、あ……♡♡』
くちゅくちゅと、触手が蜜口の入口辺りを弄り始めた。浅い部分を出たり入ったりを繰り返しながら、粘液を擦り込んでいく。
あんなに何度も何度も達したのに、未だお腹の奥が熱くなるだなんて。
体力的にも精神的にも限界の筈だが、フィル達に治癒された身体は、敏感にせっせと快楽の欠片を拾い集めていく。
自分の身体が恨めしい。
何故こんなにも快楽に弱いのか。
ヴィクトリアがそう思いながら、必死に声を出すまいと唇を噛む。
けれど、アスモデウスに唇を親指で優しくなぞられて、ゾクリとした快感と共に目の前がくらりと揺れた。
『唇を噛むな。まぁ、そんな姿もいじらしくてそそるがな。……中に刺激が欲しいだろう?“切ない”と涙を零しながらヒクついている。私が慰めてやろう』
『な、にを………』
アスモデウスは口元に弧を描きながら、さも愛おしいと言わんばかりの熱を帯びた視線を向けて、色香を漂わせながら色っぽく艷やかに微笑んだ。
不覚にも、あまりにも美しく妖艶なその笑みに見惚れてしまう。
否、魅せられたのだ。
色欲の悪魔であるアスモデウスは、全てが完璧なバランスで整っており、その美貌は他の追随を許さない程に美しい。
『私を受け入れろ、ヴィクトリア。そうすれば、今まで味わった事のない快楽をその身に与えてやる。永遠にな』
触手の魔物が、蜜壺の中へこれでもかというほどの大量の媚薬を流し込む。
そうして、触手がショーツを膝までずり下げつつ、蜜壺から出て離れていくと、ヴィクトリアの蜜口からは透明な液体がダラダラと溢れ出した。
アスモデウスが、クッと嗤う。
『~~~~っ♡♡』
『随分と中に媚薬を注がれたな?まるでお漏らしのようだ。それとも、本当に漏らしてしまったか?』
『ち、違っ……!……あ、あああっ♡♡』
『物欲しそうにヒクヒクしていて可愛らしいな。これならば飼い犬達もお前を欲しがるわけだ。どれだけ中をイジメられた?私がそれ以上に優しく蹂躪してやる』
アスモデウスの長く艷やかなブロンドの髪が、サラサラと肩から零れ落ちる。
浅黒い肌も艶めかしく魅力的で、ヴィクトリアは必死に頭を振った。
このままでは、彼に魅せられて囚われてしまう。
『ほら、私が欲しいと言え。私が欲しいと強請れ、ヴィクトリア。私が愛してやる』
こんな完璧な男に愛してやる等と言われたら、男だろうが女だろうが、年寄りも幼子でさえも虜になってしまうだろう。淫魔よりも遥かに上位の存在。
金色が混じったピジョンブラッドを思わせる宝石のような瞳に魅せられて、ヴィクトリアは目を逸らす事が出来ない。
『迷うな、ヴィクトリア。私を受け入れろ』
いつの間にか触手の魔物に手足を拘束され、広げられた両足の間には、アスモデウスの手が滑り込んでいる。
くちゅくちゅと卑猥な音を立てて、蜜口や花芽を弄られれば、ヴィクトリアは堪らずに腰をくねらせ、蜜を溢れさせる。
欲しい。
欲しくて欲しくて堪らない。
けれど、駄目だ。
(アスモデウスを受け入れてしまったら……)
二度と引き返せない。
フィルやナハト、エリックの元へ帰れなくなる。
だから。
『……申し訳、ありません……』
ヴィクトリアは震える声で、必死に言葉を紡いだ。
それは拒絶の言葉。
恐らく、アスモデウスの力は強大だ。
だが、彼は“悪魔”。
悪魔であるが故に、自分を受け入れてもらうには、相手の“承諾”が必要なのだ。
媚薬のせいで身体が酷く熱い。
頭の中が溶けて、理性が焼き切れてしまいそうだ。
それでも。
『私は………貴方を受け入れられない。だから……』
解放して。
フィルやナハト達が居る家に帰して。
アスモデウスのピジョンブラッドのような深紅の瞳が揺れた。
瞠目し、信じられないと言わんばかりの表情で、ヴィクトリアを凝視する。
『……何故だ』
『ごめんなさい』
『…………私は、お前が欲しい』
『無理です』
どうか諦めて欲しいと、ヴィクトリアは涙の滲む瞳で見つめた。
ヴィクトリアの瞳は、深紅ではなく、藤色に戻っていた。
そんなヴィクトリアの瞳をじっと見つめた後、アスモデウスは微かに震える手で、そっとヴィクトリアの頬に触れる。
『…………綺麗な瞳だな……』
細められたアスモデウスの瞳。
気が付くと、その言葉を最後に、ヴィクトリアはいつの間にか自分の家であるアルディエンヌ公爵邸の自室へ戻って来ていた。
* * *
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