悪役令嬢は王太子の溺愛に気付いていない

はる乃

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本編

衝撃的な事実?

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イザークから告げられた事実はあまりに衝撃的だった。

「リーンハルト殿下。大変申し上げにくいのですが……」
「“さんじげん”について何か分かったのか?!」
「はい。“さんじげん”とは、生きている生身の人間。ディアナ嬢は恐らく、生きている男そのもの・・・・・・・・・・が駄目なのではないかと……」
「……は?イザーク、お前……」

僕はあまりの事実に愕然とした。
お前、僕に死ねって言ってんの?

「……殿下。言いたい事は何となく察しますが、私は神に誓って敬愛する殿下にそのような感情は抱いておりません」
「なら、ディアナが僕に対して“死ね”って思っているって事かい?」
「いえ、そんな事は……」
「顔逸らすな。僕の目を見て言え」

大体、生きている男そのものが駄目って一体どういう事だ?
それならば、ディアナの父君や弟君はどうなる?確か彼等とは普通に接していた筈だ。

「私が推察するに、ディアナ嬢は男性がきら……コホンッ!男性が苦手・・なのではないかと」
「男性が苦手……?」
「彼女は家族以外の男性には近寄らないでしょう?殿下の婚約者という事でいらぬ誤解を避けるために相手にしていないのかと思っておりましたが、恐らく殿下だけが苦手なのではなく、男性全般が苦手なのだと推察致します」
「男性全般が…………」

え?
という事は何か?
男という性別に生まれた時点で、僕はディアナから嫌われてしまっているという事か??

行き着いた答えに、イザークがコクリと頷く。

「心中お察し致します」

嘘つけよ。
お前に僕の絶望が理解出来る訳ないだろっ?!
憐れみの目を向けるな!腹立つっ!!

…………直せるものなら、直したい。
ディアナに好かれるになりたい。そう思ってきたが……

僕はフラリと机に手をついて、ガックリと項垂れた。

ディアナ。
愛する僕のディアナ。
流石に息子とさよならは出来ない。僕には王族として、いずれ国を継いでいく為の子を成さねばならないという義務があるのだから。
そう、出来ればディアナとの可愛い子供が1人、いや2人。もっと欲しいな。3人、4人…………ディアナとの子供ならば何人でも欲しいな。
だが、母体であるディアナの負担を考えると、あまり無理はさせられな

「リーンハルト殿下。現実逃避していらっしゃいませんか?」

……うるさいな。
夢くらい見たっていいじゃないかっ!!
あああああっ!!
ディアナはどうして男が苦手なんだ?僕だから嫌い、とかでは無いのなら多少はマシな気もするが、このままではディアナの心を得る事が出来ないっ

はっ?!
待てよ。
男が嫌いという事は…………

「……イザーク」
「はい、殿下」
「男性全般が苦手という事は、だ。ディアナは、その……女性が好き、なのか?」

もしもディアナがそっちの趣味ならば、僕はもうディアナの幸せの為に身を引くしかない……

「いえ、それは無いと思います。参考になるかもしれないと思い、アレクシーナにディアナ嬢の好きなものを訊いてもらったのですが、一番好きなのは男女の恋愛小説だそうです」
「恋愛小説…………そういえば、ディアナは昔から読書が好きだったな。ディアナへの贈り物は何が喜ばれるかと、何年か前に公爵へ訊いてみたら、本が好きだと教えてくれた」
「ええ。男女の恋物語を好いているならば、女性が好き、という事は無いのではないでしょうか?」
「確かにな。……ちなみに、その、ディアナはどんな恋愛小説が好みなのか気になるな。すまないが、またアレクシーナ嬢からディアナに訊いてみてくれないだろうか?」

僕がそう言うと、イザークはどこからともなく数冊の本を取り出して、恭しく僕の前に差し出した。

「機転を効かせたアレクシーナが既に好みの恋愛小説をディアナ嬢から教えてもらい、此方に用意してあります」

アレクシーナ嬢、優秀過ぎないか?!

「お褒めに預かり光栄にございます」

いや、まだ口に出して褒めてないけど?!
心の声聞こえてるの?!僕の心ってツーカーなの?!

怖っ!!
しかもお前が照れんな!!!

「……アレクシーナ嬢には、何かお礼をしなければならないな。」
「リーンハルト殿下が大変お喜びであったと伝えておきます」
「ああ。頼む」
「御意」

僕はイザークからディアナの好む恋愛小説を受け取って、早速時間を見つけては小説を読み進めた。

……………………
…………

三日後。
僕はディアナが好む恋愛小説を全て読み終え、ある事実に辿り着き、その身を震わせた。

まさか、こんな……
僕の願望故に、そう思ってしまうのか?
だが、しかし…………


「…………この恋愛小説のヒーローって、全部僕に似てないか?」


* * *
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