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本編

誰にも攫わせない②★*マリアンヌside*

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月明かりに光る、フェリクス様の銀糸の髪と、熱を孕む青く澄んだサファイアのような瞳。
滴る汗の一粒さえ、まるで星屑のようで、こんな人に抱かれているなんて、まるで夢のように思えた。

何度身体を重ねても全然慣れなくて。

「……はっ……マリアンヌ……!」

名前を呼ばれるだけで、身体中が甘く痺れる。

「フェリクスさま……ぁっ……!」

おかしくなってしまいそう。
フェリクス様に触れられたところは、全部全部気持ち良くて。

『……マリアンヌの感じるところを、私は全部知っているよ』

フェリクス様が口にした事は、紛れもない事実だった。
彼が優しく私の気持ち良いところに触れる度に、私は恥ずかしい程に感じてしまって、秘処からは止めどなく蜜が溢れてしまう。

恥ずかしいのに、隠したいのに。

フェリクス様は私の秘処に端正な顔を埋めて、何も考えられなくなるくらい、彼の舌や指でトロトロにされてしまった。
何度も何度も高みへと導かれ、その度に我慢出来なくて、はしたなく達してしまうと、フェリクス様は嬉しそうに笑みを深めた。

『マリアンヌの感じるところ全部、教えてあげるよ』

低く甘い声音で私の耳を犯しながら、トロトロに蕩けきったところへ、フェリクス様の熱くて大きくて硬いソレを埋め込まれると、それだけで身体が溶けてしまいそうに思えた。
ゾクゾクするような快感が身体中を支配して、フェリクス様が腰を動かす度に気持ち良いところばかり的確に責められて、私はただただ甘い嬌声を上げ続けた。

「マリアンヌの中、凄く気持ち良いよ。私のモノを吸い付くように締め付けて、もっと欲しいと強請ってくる。……マリアンヌ、答え合わせをしていこうか」

静寂の中。
聞こえてくるのは軋むベッドの音と、二人の荒い息遣い。
そして、彼の甘やかな言葉。

「答え……あわせ……?」
「そう。マリアンヌが今、一番欲しくて堪らない場所はどこかな?」
「そ、れは……」

私が顔を赤くして、視線を彷徨わせると、フェリクス様は更に腰を押し進めて、一度だけ優しく、熱く硬いソレでトンッとキスをした。

「あっ♡あぁっ♡♡」
「ふふ。やっぱりここ・・は反応が段違いだね。……ほら、答えてマリアンヌ。」
「やっ……フェリクスさま……」
「恥ずかしがってるマリアンヌも、可愛すぎて愛しいよ。……凄く、そそられる」
「ひぅっ♡♡」

フェリクス様の熱く滾った欲望の質量が更に増して、私のお腹の奥が堪らずに疼いてしまう。
ただでさえ気持ち良すぎるのに、フェリクス様の指が、ぷっくりと膨らんだ花芽に触れた。

「だ、駄目です、フェリクス様……!そこを一緒に弄られてしまったら、私……!」
「すぐに達してしまうよね。……言って、マリアンヌ。答えが合っていたら、私のコレで答えの場所に沢山キスをしてあげるよ?」
「……っ♡」

自ら口にするのは恥ずかしい。
だけど、あと少しで届くのに、それ以上進んできてくれなくて。
視界が涙で滲んで、顔も身体も全てが熱を持ち、甘く蕩けていく中、私は小さな声で彼の耳に囁いた。


「一番奥に……キスして」


そう囁いた瞬間。
次の視界が真っ白に染まった。


「ひあっ♡♡はげし……っ……あぁああっ♡♡気持ち、いっ……♡♡」
「マリアンヌ……!」

フェリクス様は激しく腰を打ち付けて、一番奥にある子宮の入口に何度も何度も熱くて情熱的なキスを繰り返す。その度に私は絶頂してしまい、やがてフェリクス様が白濁とした子種を吐き出すと、私は更にもうひとつ先の絶頂へと上り詰め、プシャアアッとはしたなく潮を吹いた。

達した後も、気持ち良すぎる絶頂感が治まらない。
フェリクス様の吐き出した子種によって、私のお腹の奥は快感しか感じない。長く長く続く絶頂に、私は身体を痙攣させながらフェリクス様に縋るようにしがみつく。

こわい。
気持ち良すぎて、もう戻れないんじゃないかって思う程に。

私の気持ちを察してくれたのか、フェリクス様は腰の動きを緩めて、労るようなキスをしてくれる。
そのキスに安心して、身体の力が抜けてくると、フェリクス様は今度はゆるゆると腰を動かし、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を響かせながら中を掻き混ぜていく。

「あっ、あっ♡♡……やっ、音が……!」
「……凄く、いやらしい水音が聞こえるね。奥へのキスが、そんなに気持ち良かった?」

グリグリグリグリ♡♡

「ひゃあああん♡♡気持ち、い……っ!奥、おくが……~~~~っっ♡♡♡」
「……くっ……また、達してしまったね?中が、すごくうねってる。……正解したご褒美をあげなくちゃね」

フェリクス様はそう言って、最奥をグリグリしながら、花芽をヌルヌル擦り始めた。
ずっと続いていた絶頂感がやっと少しずつ治まってきていたのに、再び快楽の渦の中へと引き戻されて、私は悲鳴を上げた。

ずっと絶頂しっぱなしなのに、フェリクス様がそこへ更なる子種を注ぐと、意識が飛んでしまった。
ただただ気持ち良くて気持ち良くて、温もりが愛しくて、私の身体が喜びと幸福感で満たされる。

思えば、フェリクス様との情事も久しぶりで、だからこそ余計に身体が感じてしまう。
彼に求められる事が嬉しくて、幸せで、些細な不安なんてどうでもよくなってしまう。

「愛してる。……君を愛してる、マリアンヌ。だから、どうか何処にも行かないでおくれ。私の傍に、隣に、ずっとずっと……っ」

彼の想いを一身に受け止めながら、私は意識を失うギリギリまで、抱き締める腕に力を籠めていた。

「私も……ずっと、傍にいたい。貴方の傍に……っ……愛し…………」


一際大きな波が来て、私は最後まで言い切れなかった。
けれど、ずっとずっと彼の温もりが私を包んでくれていて、私はこれ以上ない程に満たされていた。

私は何処にも行かない。
彼の隣に居たい。

彼が、フェリクス様が望んで下さるのなら……

(違う)

フェリクス様がこれからも私を望んで下さるように、これまで以上に沢山沢山頑張っていこう。
王太子妃として、一人の女として。


沢山愛を注いでくれたフェリクス様に、それ以上の愛を。

もう二度と、フェリクス様を他の女性ひとに攫われないように。


* * *
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