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俺はつかまり立ちは、もうできるのだ。
えっへん、オレッテエライコ
ともかくその夜はまたお祭り騒ぎだ。
いい家族で助かった。
気持ちが冷たかったら、たとえ裕福でも、嫌だと、思う。
おじいさんは俺に「さあ立って!立つんじゃ!」と強く勧める。これじゃ強制だ。
でもこんなもんかな、よいしょと俺は立ち上がる。
うおー!と歓声が上がる。
千鶴も「あんた…この子、私たちの言葉がわかるみたいよ…」と声を絞り出す。
「こりゃあおったまげた…」おじいさんも驚く。
そっか、言葉の意味が分かってないと、こんなことできないんだ。
俺はそれからよく話しかけられるようになった。
おじいさんは最初は疑っていたが、頼まれた時はいつでもつかまり立ちを披露したのでとうとう信じた。俺はめんどー臭かったけど。
例えば、「いいか、桃太郎!鍬はな、こう持って、こうだ!」
ザッ
俺は笑ってみせる。
おじいさんは小躍りしてまた実演する。
千鶴も笑っている。
笑顔が絶えない家族はいい。
また、いいなと思うことは、ここに勉強道具がないのだ。
寺子屋、だっけ、学校みたいなものはあるかもしれないが、無理強いはされないみたいだ。よかった。
じゃあ興味が湧いたらやればいいのだ。
おじいさんは基本いつも遠くで仕事していた。
俺がやってきたときにも、山にシバ刈りに行ってたくらいだからな。
わら帽子かぶってる。似合うなあ。
千鶴も家の近くではあるけれど外仕事をいつもしている。
二人とも体力いっぱいで働き者だ。感激だ。
夜は、ちょっと見ないほうがいいかなって思ってた。
ヤらしいんじゃないぞ。
くらーい部屋の中でわらじ作ってるんだ、千鶴。
なんか昼と違ってもの静かだし、ちょっと俺もこれはどうかなって思った。
それでも俺が近づくと顔を輝かせてくれる。
そしてヨシヨシしてくれた後に必ず「さあさあ、もうお戻り。もう寝るんだよ」と言う。
俺は「言葉が分かる天才児」ってなってるから、すごすご引き上げても、もうビックリギョーテンはしないんだな。
えっへん、オレッテエライコ
ともかくその夜はまたお祭り騒ぎだ。
いい家族で助かった。
気持ちが冷たかったら、たとえ裕福でも、嫌だと、思う。
おじいさんは俺に「さあ立って!立つんじゃ!」と強く勧める。これじゃ強制だ。
でもこんなもんかな、よいしょと俺は立ち上がる。
うおー!と歓声が上がる。
千鶴も「あんた…この子、私たちの言葉がわかるみたいよ…」と声を絞り出す。
「こりゃあおったまげた…」おじいさんも驚く。
そっか、言葉の意味が分かってないと、こんなことできないんだ。
俺はそれからよく話しかけられるようになった。
おじいさんは最初は疑っていたが、頼まれた時はいつでもつかまり立ちを披露したのでとうとう信じた。俺はめんどー臭かったけど。
例えば、「いいか、桃太郎!鍬はな、こう持って、こうだ!」
ザッ
俺は笑ってみせる。
おじいさんは小躍りしてまた実演する。
千鶴も笑っている。
笑顔が絶えない家族はいい。
また、いいなと思うことは、ここに勉強道具がないのだ。
寺子屋、だっけ、学校みたいなものはあるかもしれないが、無理強いはされないみたいだ。よかった。
じゃあ興味が湧いたらやればいいのだ。
おじいさんは基本いつも遠くで仕事していた。
俺がやってきたときにも、山にシバ刈りに行ってたくらいだからな。
わら帽子かぶってる。似合うなあ。
千鶴も家の近くではあるけれど外仕事をいつもしている。
二人とも体力いっぱいで働き者だ。感激だ。
夜は、ちょっと見ないほうがいいかなって思ってた。
ヤらしいんじゃないぞ。
くらーい部屋の中でわらじ作ってるんだ、千鶴。
なんか昼と違ってもの静かだし、ちょっと俺もこれはどうかなって思った。
それでも俺が近づくと顔を輝かせてくれる。
そしてヨシヨシしてくれた後に必ず「さあさあ、もうお戻り。もう寝るんだよ」と言う。
俺は「言葉が分かる天才児」ってなってるから、すごすご引き上げても、もうビックリギョーテンはしないんだな。
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