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千鶴は困り果てた。
玄関まで取り除くわけにはいかないもんね。
千鶴の心配をよそに俺は次どこで練習しようか考える。
やっぱり玄関が最高だな。
千鶴がこちらを向く。
真剣な顔だ。
「桃太郎、よく聞いて」千鶴はいつになく厳しい口調で言った。
俺の背筋も勝手に伸びる。
「私は、あんたが心配なの、分かるやろ。だから、なあ、やりたくて仕方ないんやったら、よし、ばあちゃんが見とる間やりなさい、ね」
千鶴がいる間練習しろということだ。
簡単に言えば、今ならできるということだ。
俺は這って進む。
千鶴がため息をつく。
「はあ、この子は、本当に言葉を理解してるんだわ」
さて、それから俺は千鶴が仕事を休んでいる時にだけ歩く練習を始めた。
それ以外はおとなしく寝転がっていた。
食事は細かく砕いてはあるが少し硬いものも出てきた。
ヨユー、ヨユー
時々桃が恋しくなるけれど。
そういえば、俺は桃の中でずっと川に流されていた。
果汁が少ない桃には見えなかったけどな。
タプタプに汁が入っていたらどうなったろうか。
人の腹の中はまさにそうなっている。
羊水っていうのは、間違いじゃなかったのかもしれないな。
でも頭はぶっつけていたぞ。
俺はそんなことを考えながら夕方千鶴が帰ってくるのを待つ。
桃の香りは甘い匂い。
ふふふ。
玄関まで取り除くわけにはいかないもんね。
千鶴の心配をよそに俺は次どこで練習しようか考える。
やっぱり玄関が最高だな。
千鶴がこちらを向く。
真剣な顔だ。
「桃太郎、よく聞いて」千鶴はいつになく厳しい口調で言った。
俺の背筋も勝手に伸びる。
「私は、あんたが心配なの、分かるやろ。だから、なあ、やりたくて仕方ないんやったら、よし、ばあちゃんが見とる間やりなさい、ね」
千鶴がいる間練習しろということだ。
簡単に言えば、今ならできるということだ。
俺は這って進む。
千鶴がため息をつく。
「はあ、この子は、本当に言葉を理解してるんだわ」
さて、それから俺は千鶴が仕事を休んでいる時にだけ歩く練習を始めた。
それ以外はおとなしく寝転がっていた。
食事は細かく砕いてはあるが少し硬いものも出てきた。
ヨユー、ヨユー
時々桃が恋しくなるけれど。
そういえば、俺は桃の中でずっと川に流されていた。
果汁が少ない桃には見えなかったけどな。
タプタプに汁が入っていたらどうなったろうか。
人の腹の中はまさにそうなっている。
羊水っていうのは、間違いじゃなかったのかもしれないな。
でも頭はぶっつけていたぞ。
俺はそんなことを考えながら夕方千鶴が帰ってくるのを待つ。
桃の香りは甘い匂い。
ふふふ。
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