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そんな中、おじいさんが猪を持って帰ってきた。
「ふふふ、こいつが獲れたわい」
千鶴はおやまあ、と叫んで外に飛び出していった。
え、おじいさんの猪でなくて、外?
俺には訳がわからなかったが、おじいさんは相変わらずへっへと笑って、イノシシをコツコツ叩いた。
すぐに千鶴が戻ってきた。
後ろには奥さんとかおばさんがたくさんいる。
みんなどたどたと上がってきて、わー、と解体を始めた。
気がつけばおじいさんもいない。
戸がガシャンといっておっさん連中も登場だ。
中には若い人も、子供もいるか。
私がとっさに探したのは、花だったが、いなかった。
どこかでぶらぶらしてるんだろうなあ。
おっさんもこうなれば本気だ。
大きい釜も用意された。
ええ、これ一気に食べるの?と思ったらやっぱり干し肉も作るようだ。
はっはっは、と笑い声も飛び交う。
すぐにパーティーの始まりだ。
俺も混ぜてもらう。
でも体が小さいから、なかなか肉を分けてくれない。
肉が少々かたいというのだ。
それでも俺は「ちょーらい!」と叫ぶと丁寧にほぐした肉がやってきた。
パーティーが終わってもまだみんな帰らずに話をしていた。
「おい坊主、川から流れて来たってのはホントか?」と誰かに聞かれたから
「ホント!」と言うと隣のおじさんがガハハと笑って俺の頭を撫でた。
賑やかな後は静粛に、だ。
正座のまま頭を下げてご馳走様をする。
正座の円の中心はもちろん骨の猪だ、俺はここに美しさを見た気がする。
「ふふふ、こいつが獲れたわい」
千鶴はおやまあ、と叫んで外に飛び出していった。
え、おじいさんの猪でなくて、外?
俺には訳がわからなかったが、おじいさんは相変わらずへっへと笑って、イノシシをコツコツ叩いた。
すぐに千鶴が戻ってきた。
後ろには奥さんとかおばさんがたくさんいる。
みんなどたどたと上がってきて、わー、と解体を始めた。
気がつけばおじいさんもいない。
戸がガシャンといっておっさん連中も登場だ。
中には若い人も、子供もいるか。
私がとっさに探したのは、花だったが、いなかった。
どこかでぶらぶらしてるんだろうなあ。
おっさんもこうなれば本気だ。
大きい釜も用意された。
ええ、これ一気に食べるの?と思ったらやっぱり干し肉も作るようだ。
はっはっは、と笑い声も飛び交う。
すぐにパーティーの始まりだ。
俺も混ぜてもらう。
でも体が小さいから、なかなか肉を分けてくれない。
肉が少々かたいというのだ。
それでも俺は「ちょーらい!」と叫ぶと丁寧にほぐした肉がやってきた。
パーティーが終わってもまだみんな帰らずに話をしていた。
「おい坊主、川から流れて来たってのはホントか?」と誰かに聞かれたから
「ホント!」と言うと隣のおじさんがガハハと笑って俺の頭を撫でた。
賑やかな後は静粛に、だ。
正座のまま頭を下げてご馳走様をする。
正座の円の中心はもちろん骨の猪だ、俺はここに美しさを見た気がする。
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