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突撃、服を溶かすスライム 魔法使い編
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魔法使い、あいつはいつも俺に悪戯をしてくる困ったやつだ。
ここ最近は変に色気付いてきてとうとう俺を麻痺にした挙句全裸に剥くという暴挙にでやがった。
女性だからといって何をしてもいいと思うなよ。そんな反逆心を胸に、今日は僧侶に引き続き魔法使いの部屋にエロスライムを抱え向かっていた。
普段強気なあいつがどんな反応をするか楽しみだ。
「よー魔法使い!! 起きてるか?」
魔法使いの部屋を勢いよく開けると。
「火炎魔法」
「どわっ!!!」
自分の顔の真横にボウッと小さな火柱が立つ。
「な、なにすんだよ! ちょっと髪焦げたぞ!?」
「あんたこそ何よ! レディの部屋にノックも無しに入ってきたんだから当たり前でしょ!」
ぎゃーぎゃー喚く魔法使いを無視してカゴに入れておいたスライムを解き放つ。
「わ! あんたなんてもん持ってきてんのよ!」
構えた魔法使いの手から、すかさず杖を奪い取る。
「ちょっ返して……ってきゃ!!!」
取り返そうと手を伸ばす魔法使いだったが、全身に張り付いてきたスライムを引き離そうと必死だ。
「ふははは!! さあ俺を辱めた罰を受けるがいい」
「や、やめ……!!!」
じわじわと衣類を溶かしながら肥大化するスライム。既に小柄な魔法使いの身体の自由を奪うほどに成長していた。
「もういたずらはしませんと誓えばスライムを引き剥がしてやろう……どうだ?」
「そんなこと……言うわけないでしょ!!」
じわじわと子供っぽい下着が露わになってくる。
「その威勢はどこまで続くかな……ふはは」
胸の奥底にある勇者の善心がちくちく痛んできた。
いやいや、これは仕返しなのだ。元はと言えば俺を辱めてたせいで招いた事態。前回失った俺の尊厳を取り戻す必要がある。
「おっと? 可愛い胸が見えてるぞ? 俺のことを馬鹿にした割には随分とお子様じゃないか」
なんかちょっと楽しくなってきた。
「み、みるなぁ……」
完全にスライムに飲み込まれた魔法使い。とうとう抗う力も失っているように見えた。
「どうだ? そろそろ降参したら……ってあれ?」
「ひぐっ……えぐっ……」
半裸となった魔法使いは完全に泣きべそをかいている。
「え!! ちょっ……おい」
「うぇええ……」
俺の応答にも答えず彼女はとうとう泣き出した。
完全に犯罪者の絵面である俺は、この状況に耐えきらず、慌ててスライムに用意しておいた大きな布を放り投げる。
「も、もう止めるから! 泣くなよ」
次第にスライムはお腹いっぱいになり、小さいサイズに戻っていった。
俺が渡したローブで身を包みながら、魔法使いは俯いてその場にへたり込む。
「ぅぐ……」
「悪かったって、泣くなよ」
「泣いでない!!」
魔法使いは一切こちらに顔を向けない。
まさかあの魔法使いがこうも打たれ弱いとは……これでは完全に俺が悪者のようだ。
いやどう見ても悪者だった気がする。
「ま、まあこれで反省しただろ? 普段の悪戯はともかく昨日みたいなことはもうすんなよ?」
「……絶対に許さない」
「え」
泣き止んだ開口一番の発言。彼女の潤んだ瞳は強い意志でこちらを見つめる。
「お、おま……! 元はと言えば魔法使いが昨日……」
「このスライム僧侶にも使ったでしょ」
ドキッと心臓が飛び跳ねる。
「ナンデソレを?」
「スライムから魔力を感じたもん、僧侶の」
これはまずくないか? この話題を続けると俺が不利になりそうだ。
「は、話を逸らすな! 俺はお前に自分のしたことの酷さを分かってもらおうとだな」
話題をかき消すように俺がそう言うと。魔法使いはローブで胸を隠しながら立ち上がる。
「あんたが仕返しに来たことは分かったわよ! 私も酷いことしたと思ってたし……でも気に食わない……」
「な、なにがだよ」
「……」
しばらくの沈黙。
「絶対やり返すんだから」
「そ、そしたら俺がまたやり返すぞ……」
「なら私がまたやり返すわよ!!」
ガキのようなやり取りに、ふうと溜息をつく。
「お互い一回ずつ裸を見たってことでチャラにしない?」
「しない!! あんたが私の泣き顔を見た分と僧侶にもスライム使った分があるもの」
「そ、僧侶は関係ないだろ! これにも事情があって……」
「ふんっ……服着るから出てってよ」
ぷいとそっぽを向く魔法使い。
「というか、やっぱり泣いてたんじゃん」
「早く出ていかないとまた麻痺をかけてひん剥いてやるわよ!」
いつのまにか取り返されていた杖を構えられる。
「は、反省してねぇ……。わかったよ」
仕返しをした分これ以上垂れる講釈は無いので、大人しく立ち去る。やっぱ仕返しって良くないんだな。ただ彼女も少しは辱められる気持ちが分かったことだろう。
とんでもない爆弾を起動させたような、そんな一夜の出来事だった。
なんかやべえ仕返しが来ませんように……。
ここ最近は変に色気付いてきてとうとう俺を麻痺にした挙句全裸に剥くという暴挙にでやがった。
女性だからといって何をしてもいいと思うなよ。そんな反逆心を胸に、今日は僧侶に引き続き魔法使いの部屋にエロスライムを抱え向かっていた。
普段強気なあいつがどんな反応をするか楽しみだ。
「よー魔法使い!! 起きてるか?」
魔法使いの部屋を勢いよく開けると。
「火炎魔法」
「どわっ!!!」
自分の顔の真横にボウッと小さな火柱が立つ。
「な、なにすんだよ! ちょっと髪焦げたぞ!?」
「あんたこそ何よ! レディの部屋にノックも無しに入ってきたんだから当たり前でしょ!」
ぎゃーぎゃー喚く魔法使いを無視してカゴに入れておいたスライムを解き放つ。
「わ! あんたなんてもん持ってきてんのよ!」
構えた魔法使いの手から、すかさず杖を奪い取る。
「ちょっ返して……ってきゃ!!!」
取り返そうと手を伸ばす魔法使いだったが、全身に張り付いてきたスライムを引き離そうと必死だ。
「ふははは!! さあ俺を辱めた罰を受けるがいい」
「や、やめ……!!!」
じわじわと衣類を溶かしながら肥大化するスライム。既に小柄な魔法使いの身体の自由を奪うほどに成長していた。
「もういたずらはしませんと誓えばスライムを引き剥がしてやろう……どうだ?」
「そんなこと……言うわけないでしょ!!」
じわじわと子供っぽい下着が露わになってくる。
「その威勢はどこまで続くかな……ふはは」
胸の奥底にある勇者の善心がちくちく痛んできた。
いやいや、これは仕返しなのだ。元はと言えば俺を辱めてたせいで招いた事態。前回失った俺の尊厳を取り戻す必要がある。
「おっと? 可愛い胸が見えてるぞ? 俺のことを馬鹿にした割には随分とお子様じゃないか」
なんかちょっと楽しくなってきた。
「み、みるなぁ……」
完全にスライムに飲み込まれた魔法使い。とうとう抗う力も失っているように見えた。
「どうだ? そろそろ降参したら……ってあれ?」
「ひぐっ……えぐっ……」
半裸となった魔法使いは完全に泣きべそをかいている。
「え!! ちょっ……おい」
「うぇええ……」
俺の応答にも答えず彼女はとうとう泣き出した。
完全に犯罪者の絵面である俺は、この状況に耐えきらず、慌ててスライムに用意しておいた大きな布を放り投げる。
「も、もう止めるから! 泣くなよ」
次第にスライムはお腹いっぱいになり、小さいサイズに戻っていった。
俺が渡したローブで身を包みながら、魔法使いは俯いてその場にへたり込む。
「ぅぐ……」
「悪かったって、泣くなよ」
「泣いでない!!」
魔法使いは一切こちらに顔を向けない。
まさかあの魔法使いがこうも打たれ弱いとは……これでは完全に俺が悪者のようだ。
いやどう見ても悪者だった気がする。
「ま、まあこれで反省しただろ? 普段の悪戯はともかく昨日みたいなことはもうすんなよ?」
「……絶対に許さない」
「え」
泣き止んだ開口一番の発言。彼女の潤んだ瞳は強い意志でこちらを見つめる。
「お、おま……! 元はと言えば魔法使いが昨日……」
「このスライム僧侶にも使ったでしょ」
ドキッと心臓が飛び跳ねる。
「ナンデソレを?」
「スライムから魔力を感じたもん、僧侶の」
これはまずくないか? この話題を続けると俺が不利になりそうだ。
「は、話を逸らすな! 俺はお前に自分のしたことの酷さを分かってもらおうとだな」
話題をかき消すように俺がそう言うと。魔法使いはローブで胸を隠しながら立ち上がる。
「あんたが仕返しに来たことは分かったわよ! 私も酷いことしたと思ってたし……でも気に食わない……」
「な、なにがだよ」
「……」
しばらくの沈黙。
「絶対やり返すんだから」
「そ、そしたら俺がまたやり返すぞ……」
「なら私がまたやり返すわよ!!」
ガキのようなやり取りに、ふうと溜息をつく。
「お互い一回ずつ裸を見たってことでチャラにしない?」
「しない!! あんたが私の泣き顔を見た分と僧侶にもスライム使った分があるもの」
「そ、僧侶は関係ないだろ! これにも事情があって……」
「ふんっ……服着るから出てってよ」
ぷいとそっぽを向く魔法使い。
「というか、やっぱり泣いてたんじゃん」
「早く出ていかないとまた麻痺をかけてひん剥いてやるわよ!」
いつのまにか取り返されていた杖を構えられる。
「は、反省してねぇ……。わかったよ」
仕返しをした分これ以上垂れる講釈は無いので、大人しく立ち去る。やっぱ仕返しって良くないんだな。ただ彼女も少しは辱められる気持ちが分かったことだろう。
とんでもない爆弾を起動させたような、そんな一夜の出来事だった。
なんかやべえ仕返しが来ませんように……。
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