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27、過去との決別
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「ああ、主よ、愚かな私をお許しください」
医務室の前で蹲った私は、ただただ神に己の愚かさを悔いていました。
「私が己を偽ったせいで、ハンナさんが・・・・・・」
あの後、洗濯場で倒れたハンナさんは、王宮の医務室に運ばれてしまいました。
お父様からも、『貴族と縁の無い庶民からすれば、伯爵家ですら遠い存在だろうに』とお叱りの言葉を受けてしまいました。
やはり、急なお誘いはよろしくなかったのでしょうか・・・・・・非常に軽率でした。
「奥様、此方におられましたか!?」
悔悟と内省を繰り返す私に声を掛けたのは、モーリスでした。
確か、ブライアン様の身支度を手伝って居たはずです。
それなら、旦那様も近くに・・・・・・と周囲を見渡しましたが、お姿は何処にもありません。
「モーリス、もう帰宅するのですか?」
旦那様が帰宅する前に、私は一足先にハーキュリー伯爵邸へ戻る予定だったのです。
『病弱なお飾り妻』である私が、旦那様と顔を合わせるわけにはいきませんでしたから。
ハンナさんのことは気掛かりですが、伝言だけ託して、後日こっそりお詫びでも――
「それが、大変なことに!」
すっかり旦那様が帰宅するものだと信じていた私は、その声でモーリスへと向き直りました。
その顔からは、汗が噴き出ています。
不測の事態でも起きたのでしょうか?
「旦那様が、決闘を申し込まれたのです・・・・・・カーライル・クリムトとかいう輩に」
どうして、カーライルが?
焦る気持ちを抑えつつ、私はモーリスに案内を頼みました。
そして、辿り着いた場所は、宿泊所の近く。
私が、以前にカーライルを見かけた場所でした。
そこには、多くの人が集まっていました。
文官や騎士に女中・・・・・・多種多様な人達が取り囲む中に、見知った顔を見つけました。
「ブライアン・ハーキュリー! 今日こそ、お前の悪事を白日の下に晒す!」
剣を高く掲げ、朗々と口上を述べる赤毛の男・・・・・・それは、間違いなくカーライルの姿でした。
彼の姿を見ると、体の震えが止まりません。
「お前は、前王妃と共謀し、ロドニー伯爵家の資金をだまし取る為に偽装結婚を企てた!」
カーライルの言葉に、周囲の人達から驚きの声が上がります。
「欲に塗れたお前の悪行、騎士として見逃せるものではない。一刻も早くロドニー家の令嬢を開放しろ!」
カーライルの振る舞いは堂々としていて、まるで芝居に登場する正義の騎士のよう。
でも、その陰には、悍ましい悪意が隠されているのです。
ブライアン様は、あくまで、貴族としての責務を果たそうとしているだけなのに・・・・・・どうして、そのような詭弁を語れるのでしょうか。
どうして、ブライアン様をそこまで恨んでいるのか・・・・・・それとも、私への復讐なのでしょうか・・・・・・?
「私は騎士として、私欲に走ったことはない、とだけ言っておく」
対峙しているブライアン様の方は、平然としていらして・・・・・・でも、剣を構えているので、二人の闘いは避けられないのでしょうか?。
妻である私が『違う』と声を上げれば、全て解決するのに・・・・・・。
この場から、逃げ出したいぐらい怖くて・・・・・・。
「覚悟しろよ」
カーライルは剣を構え直すと、旦那様に切りかかって行きます。
彼の攻撃を、旦那様はただ受け止めるだけ・・・・・・そのように見えましたが、旦那様の表情は崩れていないので、余裕があるのでしょう。
剣がぶつかり合う度に、周囲で見ている人達の歓声が上がります。
まるで、この曇り空を晴らすぐらいの、燃え上がるような熱気を感じます。
皆様からすれば、娯楽のつもりなのでしょうが・・・・・・私は、旦那様が心配で・・・・・・。
「くそっ」
気付けば、攻めていたはずのカーライルが、次第に押されている形となっていました。
旦那様は、本当にお強い方なのですね。
私の気の緩みを表すかのように、曇り空から一筋の光が射していました。
それは、カーライルを照らしています。
その時、私の視界に、白い輝きが映りました。
『ほうき星』では無くて、もっと輝く、無機質な――
「旦那様っ!」
何故か、カーライルが袖口から何かを出そうとしていたことに気付いた私は、思わず声を上げていました。
ブライアン様は動じることなく剣を振り上げます。
「うわっ」
カーライルの声と、小さな金属音が響き、かれの袖から小さなナイフが落ちていました。
そして、ブライアン様はカーライルの腕を掴むと捻り上げました。
軽く回転しながら、地面に倒れるカーライル・・・・・・どうやら、決着がついたようです。
周囲からも一際大きな歓声が上がります。
「これで満足か?」
ブライアン様は、淡々とした様子でカーライルを見下ろしています。
「まだ、まだだ・・・・・・」
右肩を押さえながらも、カーライルは立ち上がろうとしています。
「許さないぞ・・・・・・お前のような、顔だけの卑怯者が、トリーシャと・・・・・・」
「ブライアン様は、そのような方ではありません!」
二人の決闘を見ている内に、体の震えは自然と治まっていて。
気付けば、私は観衆を掻き分けてブライアン様の前に立っていました。
「と、トリーシャ、か?」
カーライルが私の顔を見て、ぽかんと口を開けています。
その顔からは、私に暴力を振るっていた時の面影は見当たらなくて・・・・・・不思議と、落ち着いた心で彼と対面することができていました。
「私はトリーシャ・ハーキュリー! この方の妻です!」
後ろでは、息を呑む音が聞こえます。
ああ・・・・・・とうとう、皆様の前に出てしまいました・・・・・・。
ですが、ブライアン様が悪人のように言われたままなのが、我慢できなくて・・・・・・。
私は、真実を明らかにしたいのです。
「と、トリーシャ・・・・・・俺は、知ってるんだぞ・・・・・・お前が、無理矢理結婚させられたって・・・・・・俺は、お前を助けに・・・・・・」
「愚かなことを言わないで下さい!」
私達の始まりは、利益が一致しただけの、契約結婚。
所詮、妻の務めも果たせないお飾りでも――
私は、ブライアン様をお慕いしているのです。
「ブライアン様は、当主の務めを果たしている、立派な騎士様なの! 『顔だけの卑怯者』は貴方の方じゃない!」
私の言葉に、カーライルが歯噛みする様子が見えます。
ずっと見下していた私から非難されて、自尊心が傷つけられたのでしょう。
でも、私は言葉が止まりませんでした。
「暴力的で陰湿で、人の心がない貴方なんて大っ嫌い! 二度とブライアン様に近付かないで!」
ああ、主よ、お許しください・・・・・・私は汚い言葉を使ってしまいました・・・・・・。
でも、自分の嫌な気持ちを吐き出せたような気がして、清々しいです。
いつの間にか、空も晴れ渡っています。
カーライルは激昂してしまうのでは、と心配しましたが、何故か項垂れた様子を見せています。
「カーライル・クリムト! お前は王宮へ立ち入る権限を失っている! おまけに私刑を企てるなど、恥を知れ!」
「お前たちは持ち場へ戻れ! これ以上残ると、処罰の対象となるぞ!」
そこへ、なだれ込むようにして現れた騎士様達。
カーライルはどこかへ連れて行かれ、観客の皆様も追い立てられて・・・・・・気付けば、私とブライアン様と、モーリスだけが残されていました。
「トリーシャ・・・・・・貴女が、私の、妻なんだな?」
「あ・・・・・・」
先程までの高揚感は消え失せて、私の背に冷たい汗が流れます。
旦那様が私の前に回り込みます。
ふわふわした栗毛色の髪に金茶の瞳――間近で見上げるブライアン様の顔は、いつも以上に眩しくて・・・・・・。
「ずっと、探していたんだ・・・・・・やはり、貴女の顔は――」
「ご、ごめんなさぁぁぃ!」
申し訳なさと恥ずかしさで胸が苦しくて、私はその場から走り出していました。
医務室の前で蹲った私は、ただただ神に己の愚かさを悔いていました。
「私が己を偽ったせいで、ハンナさんが・・・・・・」
あの後、洗濯場で倒れたハンナさんは、王宮の医務室に運ばれてしまいました。
お父様からも、『貴族と縁の無い庶民からすれば、伯爵家ですら遠い存在だろうに』とお叱りの言葉を受けてしまいました。
やはり、急なお誘いはよろしくなかったのでしょうか・・・・・・非常に軽率でした。
「奥様、此方におられましたか!?」
悔悟と内省を繰り返す私に声を掛けたのは、モーリスでした。
確か、ブライアン様の身支度を手伝って居たはずです。
それなら、旦那様も近くに・・・・・・と周囲を見渡しましたが、お姿は何処にもありません。
「モーリス、もう帰宅するのですか?」
旦那様が帰宅する前に、私は一足先にハーキュリー伯爵邸へ戻る予定だったのです。
『病弱なお飾り妻』である私が、旦那様と顔を合わせるわけにはいきませんでしたから。
ハンナさんのことは気掛かりですが、伝言だけ託して、後日こっそりお詫びでも――
「それが、大変なことに!」
すっかり旦那様が帰宅するものだと信じていた私は、その声でモーリスへと向き直りました。
その顔からは、汗が噴き出ています。
不測の事態でも起きたのでしょうか?
「旦那様が、決闘を申し込まれたのです・・・・・・カーライル・クリムトとかいう輩に」
どうして、カーライルが?
焦る気持ちを抑えつつ、私はモーリスに案内を頼みました。
そして、辿り着いた場所は、宿泊所の近く。
私が、以前にカーライルを見かけた場所でした。
そこには、多くの人が集まっていました。
文官や騎士に女中・・・・・・多種多様な人達が取り囲む中に、見知った顔を見つけました。
「ブライアン・ハーキュリー! 今日こそ、お前の悪事を白日の下に晒す!」
剣を高く掲げ、朗々と口上を述べる赤毛の男・・・・・・それは、間違いなくカーライルの姿でした。
彼の姿を見ると、体の震えが止まりません。
「お前は、前王妃と共謀し、ロドニー伯爵家の資金をだまし取る為に偽装結婚を企てた!」
カーライルの言葉に、周囲の人達から驚きの声が上がります。
「欲に塗れたお前の悪行、騎士として見逃せるものではない。一刻も早くロドニー家の令嬢を開放しろ!」
カーライルの振る舞いは堂々としていて、まるで芝居に登場する正義の騎士のよう。
でも、その陰には、悍ましい悪意が隠されているのです。
ブライアン様は、あくまで、貴族としての責務を果たそうとしているだけなのに・・・・・・どうして、そのような詭弁を語れるのでしょうか。
どうして、ブライアン様をそこまで恨んでいるのか・・・・・・それとも、私への復讐なのでしょうか・・・・・・?
「私は騎士として、私欲に走ったことはない、とだけ言っておく」
対峙しているブライアン様の方は、平然としていらして・・・・・・でも、剣を構えているので、二人の闘いは避けられないのでしょうか?。
妻である私が『違う』と声を上げれば、全て解決するのに・・・・・・。
この場から、逃げ出したいぐらい怖くて・・・・・・。
「覚悟しろよ」
カーライルは剣を構え直すと、旦那様に切りかかって行きます。
彼の攻撃を、旦那様はただ受け止めるだけ・・・・・・そのように見えましたが、旦那様の表情は崩れていないので、余裕があるのでしょう。
剣がぶつかり合う度に、周囲で見ている人達の歓声が上がります。
まるで、この曇り空を晴らすぐらいの、燃え上がるような熱気を感じます。
皆様からすれば、娯楽のつもりなのでしょうが・・・・・・私は、旦那様が心配で・・・・・・。
「くそっ」
気付けば、攻めていたはずのカーライルが、次第に押されている形となっていました。
旦那様は、本当にお強い方なのですね。
私の気の緩みを表すかのように、曇り空から一筋の光が射していました。
それは、カーライルを照らしています。
その時、私の視界に、白い輝きが映りました。
『ほうき星』では無くて、もっと輝く、無機質な――
「旦那様っ!」
何故か、カーライルが袖口から何かを出そうとしていたことに気付いた私は、思わず声を上げていました。
ブライアン様は動じることなく剣を振り上げます。
「うわっ」
カーライルの声と、小さな金属音が響き、かれの袖から小さなナイフが落ちていました。
そして、ブライアン様はカーライルの腕を掴むと捻り上げました。
軽く回転しながら、地面に倒れるカーライル・・・・・・どうやら、決着がついたようです。
周囲からも一際大きな歓声が上がります。
「これで満足か?」
ブライアン様は、淡々とした様子でカーライルを見下ろしています。
「まだ、まだだ・・・・・・」
右肩を押さえながらも、カーライルは立ち上がろうとしています。
「許さないぞ・・・・・・お前のような、顔だけの卑怯者が、トリーシャと・・・・・・」
「ブライアン様は、そのような方ではありません!」
二人の決闘を見ている内に、体の震えは自然と治まっていて。
気付けば、私は観衆を掻き分けてブライアン様の前に立っていました。
「と、トリーシャ、か?」
カーライルが私の顔を見て、ぽかんと口を開けています。
その顔からは、私に暴力を振るっていた時の面影は見当たらなくて・・・・・・不思議と、落ち着いた心で彼と対面することができていました。
「私はトリーシャ・ハーキュリー! この方の妻です!」
後ろでは、息を呑む音が聞こえます。
ああ・・・・・・とうとう、皆様の前に出てしまいました・・・・・・。
ですが、ブライアン様が悪人のように言われたままなのが、我慢できなくて・・・・・・。
私は、真実を明らかにしたいのです。
「と、トリーシャ・・・・・・俺は、知ってるんだぞ・・・・・・お前が、無理矢理結婚させられたって・・・・・・俺は、お前を助けに・・・・・・」
「愚かなことを言わないで下さい!」
私達の始まりは、利益が一致しただけの、契約結婚。
所詮、妻の務めも果たせないお飾りでも――
私は、ブライアン様をお慕いしているのです。
「ブライアン様は、当主の務めを果たしている、立派な騎士様なの! 『顔だけの卑怯者』は貴方の方じゃない!」
私の言葉に、カーライルが歯噛みする様子が見えます。
ずっと見下していた私から非難されて、自尊心が傷つけられたのでしょう。
でも、私は言葉が止まりませんでした。
「暴力的で陰湿で、人の心がない貴方なんて大っ嫌い! 二度とブライアン様に近付かないで!」
ああ、主よ、お許しください・・・・・・私は汚い言葉を使ってしまいました・・・・・・。
でも、自分の嫌な気持ちを吐き出せたような気がして、清々しいです。
いつの間にか、空も晴れ渡っています。
カーライルは激昂してしまうのでは、と心配しましたが、何故か項垂れた様子を見せています。
「カーライル・クリムト! お前は王宮へ立ち入る権限を失っている! おまけに私刑を企てるなど、恥を知れ!」
「お前たちは持ち場へ戻れ! これ以上残ると、処罰の対象となるぞ!」
そこへ、なだれ込むようにして現れた騎士様達。
カーライルはどこかへ連れて行かれ、観客の皆様も追い立てられて・・・・・・気付けば、私とブライアン様と、モーリスだけが残されていました。
「トリーシャ・・・・・・貴女が、私の、妻なんだな?」
「あ・・・・・・」
先程までの高揚感は消え失せて、私の背に冷たい汗が流れます。
旦那様が私の前に回り込みます。
ふわふわした栗毛色の髪に金茶の瞳――間近で見上げるブライアン様の顔は、いつも以上に眩しくて・・・・・・。
「ずっと、探していたんだ・・・・・・やはり、貴女の顔は――」
「ご、ごめんなさぁぁぃ!」
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