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第19話 買い物
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必要なものを買うとはいえ、まだ何を買うかは具体的に決まっていない。
タオルとか着替えとか歯ブラシとか、そういう生活必需品はすでに実家から使ってた物を持ってきているし、家具は宿舎の部屋に備え付けてあった。それに僕は料理をしないから自炊セットなどは必要ない。
となると、とりあえず冒険者として必要なものの基礎中の基礎を買い込んでおけばいいだろうか。
マスターから案内中、冒険者専門で初心者におすすめの商店と武器屋が一緒になったお店の話を聞いている。とりあえずそこに向かってみることにした。
ギルドからおよそ徒歩7分にそのお店はある。案内を受けてる時もそうだったけど、店を出入りしている人がそこそこ多く人気なお店であることが伺えた。とりあえず店内へ入る。
冒険者専用の店というだけあってお客さんは武器を腰に携えていたり、魔力を高める装飾品を身につけていたり、一目でそれとわかる人ばかりだった。
売り物は回復薬や解毒薬、仕事用鞄や採取用ナイフとか。眠気覚まし用キャンディなんかも売ってる。この隣のフロアでは武器屋らしく剣や槍が壁にずらりと並んでいるようだった。
「よう嬢ちゃん、なにかお探しかい」
「わっ!」
後ろから突然肩が叩かれた。慌てて振り返るとぴっちりの白いシャツ一枚を着た筋肉が盛り上がってるおじさんが。
「おっと失礼、坊主だったか。遠目から見たらわからなかったぜ」
「気にしないでください、間違われるのは慣れてるので」
「そうかい。それはそうと坊主、様子を見るに冒険者になりたてだろ? この時期だとスカウト組か」
「はい、その通りです。ついさっき冒険者として登録しました」
「そりゃホクホクの新鮮物だな! 俺はここの店長だ。冒険者になりたてっぽいやつに買うべきもののアドバイスをしてやるっつうサービスをしていてな。なに探しに来たか相談に乗ってやるよ」
「ありがとうございます」
ちょうどいい。僕とて事前に冒険者に必要なものは下調べしているけれど、今の予算を見比べながら買っていくのはなかなか時間がかかりそうだったから。
初心者へのアドバイスを長く続けているみたいだし、この店長さんならいい感じに見繕ってくれそうだ。
店長さんはふと、僕の手の甲に目線を移した。
「そのマーク、ブレーメンだな」
「はい」
「あそこは音楽にあふれてていいところだ。ん、まてよ? 今期のスカウト組でブレーメン所属ってことはもしかして、坊主、あの魔法一種しか使えないっていう大魔導師か!?」
「は、はい。その通りです」
「おーおー、あんたが……!」
店長の声は大きく、他のお客さんにも今の会話の内容は聞こえていたようだ。僕のことが噂されている。まあ、魔法一種の大魔導師なんてインパクト大きいから仕方ないって、自覚はあるけどね。
「前例ないしよ、苦労することあるかもしれねぇけど、頑張れよなぁ」
「ありがとうございます」
「で、なにが必要なんだい」
「とりあえず、生活必需品は実家から持ってきているので、今は冒険者必需品を探してこうかなと……」
「それならちょうどいいものがあるぜ。こっちに来な」
店長さんの後をついていくと、そこには中程度の大きさの木箱があった。そしてその箱の上には『初心者用必要な物全部詰め込みセット! 四万ハンス!』との表記が。
「とりあえずこれ買っときゃ、冒険者として安定する。中に入ってるもんはこの通りだ」
差し出された内容物リストを見ると、僕が買おうと思っていたものの大半が揃っているらしかった。寝袋やランタン、着火器具など。たしかにこのセットを買えば安定するだろう。
武器や防具はともかく、こういったものは高い物で揃えるつもりはなかったから丁度いいかもしれない。
「じゃあ、それお願いします」
「決断が早いな。買い物の時はいつもそうなのか? 勧めておいて言うのもなんだが、もっと冷静に決めた方がいいんじゃねぇかな」
「いや、頭の中ではちゃんと色々考えて決めましたよ」
「……ならいいけどよ」
実際、マスターがおすすめしたお店である上に、初対面時と今の発言による店長の面倒見の良さ、店に置いてある他の品物の質から推測して、少なくとも箱の中身は劣悪ではないことは確かだ。
「あ、布物の色はどうするよ」
「全部深緑色か茶色でお願いします」
「じゃあ深緑色な。まあ、冒険者になりたてで金もねーだろうし、分割払いにしとくか」
「一括で払いますよ。お金はちゃんと持ってきてるので」
「俺の経験じゃ、スカウト組の成り立てでも四万ハンスも払えば所持金の3分の1が消えて生活が苦しくなりそうなやつが大半なんだが……」
「僕はそういった問題ありません。前々からコツコツ準備してたので」
まず、冒険者となる前にお父さんから二十万ハンス貰った。
さらに僕は二年半前からついこの間まで学び舎の下級生に個人的に一対一で勉強を教え、1時間毎に親御さんから千五百ハンスを受け取り、それを貯めていた。
常に五件くらい掛け持ちし月平均4万ハンスを貯金し続け、本や衣類などに少し使っちゃった分を差し引いて、最終的に八十万ハンス。全部あわせて百万ハンスあることになる。
「見た目通り堅実なんだな。じゃあお節介かもしれねぇけどよ、武器も選んでやるよ。大魔導師なら杖とか、控え武器も必要だろ。特に……坊主の境遇なら」
「そうですね。お願いします」
僕と店長さんは初心者セットのことは一旦置いておき、武器屋のブースまで移動した。
==========
(あとがき)
※今日はもう1話、午後11時に投稿します!
1ハンス=1円です。
ハンスの元ネタはグリム童話にやけに「ハンス」という人物の登場作品が多かったからです。お金では無いですがバースという単位が実在しますし、なんかしっくりきたのでそのまま使いました。
主人公は14歳にして自力で80万円貯金したことになりますね? よく考えたらすごいです。
(今日は例日に比べたくさんの閲覧と起き入り登録、本当にありがとうございます! 昨日までよりお気に入り登録は倍、ポイントは10倍です! 何があったかは把握してませんが、おかげでやる気全開、たくさん書き進めることができました。
おだてられるとその分書き進められます! 感謝しかありません! なので嬉しさの還元として明日も2話投稿にしようと思います!)
(このように非常に励みになりますので、もし良ければ感想やお気に入り登録などの方、是非よろしくお願いします!)
タオルとか着替えとか歯ブラシとか、そういう生活必需品はすでに実家から使ってた物を持ってきているし、家具は宿舎の部屋に備え付けてあった。それに僕は料理をしないから自炊セットなどは必要ない。
となると、とりあえず冒険者として必要なものの基礎中の基礎を買い込んでおけばいいだろうか。
マスターから案内中、冒険者専門で初心者におすすめの商店と武器屋が一緒になったお店の話を聞いている。とりあえずそこに向かってみることにした。
ギルドからおよそ徒歩7分にそのお店はある。案内を受けてる時もそうだったけど、店を出入りしている人がそこそこ多く人気なお店であることが伺えた。とりあえず店内へ入る。
冒険者専用の店というだけあってお客さんは武器を腰に携えていたり、魔力を高める装飾品を身につけていたり、一目でそれとわかる人ばかりだった。
売り物は回復薬や解毒薬、仕事用鞄や採取用ナイフとか。眠気覚まし用キャンディなんかも売ってる。この隣のフロアでは武器屋らしく剣や槍が壁にずらりと並んでいるようだった。
「よう嬢ちゃん、なにかお探しかい」
「わっ!」
後ろから突然肩が叩かれた。慌てて振り返るとぴっちりの白いシャツ一枚を着た筋肉が盛り上がってるおじさんが。
「おっと失礼、坊主だったか。遠目から見たらわからなかったぜ」
「気にしないでください、間違われるのは慣れてるので」
「そうかい。それはそうと坊主、様子を見るに冒険者になりたてだろ? この時期だとスカウト組か」
「はい、その通りです。ついさっき冒険者として登録しました」
「そりゃホクホクの新鮮物だな! 俺はここの店長だ。冒険者になりたてっぽいやつに買うべきもののアドバイスをしてやるっつうサービスをしていてな。なに探しに来たか相談に乗ってやるよ」
「ありがとうございます」
ちょうどいい。僕とて事前に冒険者に必要なものは下調べしているけれど、今の予算を見比べながら買っていくのはなかなか時間がかかりそうだったから。
初心者へのアドバイスを長く続けているみたいだし、この店長さんならいい感じに見繕ってくれそうだ。
店長さんはふと、僕の手の甲に目線を移した。
「そのマーク、ブレーメンだな」
「はい」
「あそこは音楽にあふれてていいところだ。ん、まてよ? 今期のスカウト組でブレーメン所属ってことはもしかして、坊主、あの魔法一種しか使えないっていう大魔導師か!?」
「は、はい。その通りです」
「おーおー、あんたが……!」
店長の声は大きく、他のお客さんにも今の会話の内容は聞こえていたようだ。僕のことが噂されている。まあ、魔法一種の大魔導師なんてインパクト大きいから仕方ないって、自覚はあるけどね。
「前例ないしよ、苦労することあるかもしれねぇけど、頑張れよなぁ」
「ありがとうございます」
「で、なにが必要なんだい」
「とりあえず、生活必需品は実家から持ってきているので、今は冒険者必需品を探してこうかなと……」
「それならちょうどいいものがあるぜ。こっちに来な」
店長さんの後をついていくと、そこには中程度の大きさの木箱があった。そしてその箱の上には『初心者用必要な物全部詰め込みセット! 四万ハンス!』との表記が。
「とりあえずこれ買っときゃ、冒険者として安定する。中に入ってるもんはこの通りだ」
差し出された内容物リストを見ると、僕が買おうと思っていたものの大半が揃っているらしかった。寝袋やランタン、着火器具など。たしかにこのセットを買えば安定するだろう。
武器や防具はともかく、こういったものは高い物で揃えるつもりはなかったから丁度いいかもしれない。
「じゃあ、それお願いします」
「決断が早いな。買い物の時はいつもそうなのか? 勧めておいて言うのもなんだが、もっと冷静に決めた方がいいんじゃねぇかな」
「いや、頭の中ではちゃんと色々考えて決めましたよ」
「……ならいいけどよ」
実際、マスターがおすすめしたお店である上に、初対面時と今の発言による店長の面倒見の良さ、店に置いてある他の品物の質から推測して、少なくとも箱の中身は劣悪ではないことは確かだ。
「あ、布物の色はどうするよ」
「全部深緑色か茶色でお願いします」
「じゃあ深緑色な。まあ、冒険者になりたてで金もねーだろうし、分割払いにしとくか」
「一括で払いますよ。お金はちゃんと持ってきてるので」
「俺の経験じゃ、スカウト組の成り立てでも四万ハンスも払えば所持金の3分の1が消えて生活が苦しくなりそうなやつが大半なんだが……」
「僕はそういった問題ありません。前々からコツコツ準備してたので」
まず、冒険者となる前にお父さんから二十万ハンス貰った。
さらに僕は二年半前からついこの間まで学び舎の下級生に個人的に一対一で勉強を教え、1時間毎に親御さんから千五百ハンスを受け取り、それを貯めていた。
常に五件くらい掛け持ちし月平均4万ハンスを貯金し続け、本や衣類などに少し使っちゃった分を差し引いて、最終的に八十万ハンス。全部あわせて百万ハンスあることになる。
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「そうですね。お願いします」
僕と店長さんは初心者セットのことは一旦置いておき、武器屋のブースまで移動した。
==========
(あとがき)
※今日はもう1話、午後11時に投稿します!
1ハンス=1円です。
ハンスの元ネタはグリム童話にやけに「ハンス」という人物の登場作品が多かったからです。お金では無いですがバースという単位が実在しますし、なんかしっくりきたのでそのまま使いました。
主人公は14歳にして自力で80万円貯金したことになりますね? よく考えたらすごいです。
(今日は例日に比べたくさんの閲覧と起き入り登録、本当にありがとうございます! 昨日までよりお気に入り登録は倍、ポイントは10倍です! 何があったかは把握してませんが、おかげでやる気全開、たくさん書き進めることができました。
おだてられるとその分書き進められます! 感謝しかありません! なので嬉しさの還元として明日も2話投稿にしようと思います!)
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