【完結】だって、ちんこのでかさがちげーから

及川奈津生

文字の大きさ
2 / 9

2

 てか俺が誰かなんて俺が知りたい。
 約一年ほど前の話だ。気付いたら公園に突っ立ってた。あれ、俺、さっき死んだよね?
 単車乗っててトラックにぶつかったのを境に記憶が途切れている。でもあの距離感だと絶対死んでる。横の壁とバンパーに挟まれて死んでる。夢?
 ふらふらと歩いてトイレに向かった。洗面台で顔洗って鏡見たら知らない男が映ってた。
 いや、誰だよ。

 どうやら俺は一度死んで生まれ変わったらしい。いや、生まれ変わりなら普通は赤ん坊からやり直すと思うから、転生したと言うべきか。無地のTシャツジーパンという、ここがメタバース空間なら初期設定の格好のまま突っ立ってた。ただ鏡に映ってた顔は生前の俺より男前だ。体格も良いらしく、歩いてるだけでも地面までの距離感がバグってる。まるっきり他人。死ぬ前の自分とは別の人物。いや、誰だよ。
 途方に暮れて区役所に行って自分の死亡を確認した。ちゃんと記憶通りの日付に死んでた。あとこの見覚えのない自分が誰かも確認しようとしたが、無理だった。デフォルトアバターの俺は免許証も財布も何も持ってなかった。役所の職員に誰だと聞かれたら死んだ人間の住所と名前と生年月日を答えた。何なら親兄弟の名前なり年齢なり戸籍情報も全部言った。すごい目で見られた。

「それでしたらご両親を訪ねられたらどうですか」

 道理だ。訪ねにいった。
 息子が死んで1ヶ月、突然現れた「俺が息子だ」という赤の他人に母は気が狂ったように塩を投げつけた。本当に俺が俺でなくなったことと、頼れないことを悟った。

 俺は一体誰だ。
 
 ……そこからが大変だった。
 
 まず金が無い。区役所に戻って記憶喪失ということにして生活保護の申請をした。NPOが運営する身寄りがない人向け宿泊所を紹介され、日雇いのバイトをしながら医者の診断を受けた。保険証がないから十割負担だ。何十万とかかって特に異常なし。
 次は戸籍取得。これには弁護士を経由して一年かかった。裁判所が提示する「本当に無戸籍か」を確認するクエストを一つずつ解消していってようやく認められた。
 その間に俺は生前の俺を知る人間に一人ずつ会いに行ったが、結果は散々だ。新手の宗教勧誘を疑われ「馬鹿にしてんのか」「死者を冒涜するな」と怒鳴られた。怒鳴られ揶揄され過ぎて追い詰められ、「俺がわからないのか」と襟を持って問い詰めるようになったら狂人扱いされた。おかしい。どうしてみんな俺が分からない。同じ時を過ごした思い出を語れば「どうして知ってる」と瞳の恐怖の色を強くした。俺がおかしいのか。
 ――でもお前は俺が分かるだろ?

「こんなところに居たのかぁ」

 恋人だった。
 同棲してた。
 一緒に住んでたはずの部屋に帰ったらとっくに引き払われててどこに行ったか分からなくなってた。職場もやめたらしくてずっと見つけられなかったけど、ようやく見つけた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

元カレに追い出された専門学生がネカフェでP活相手のパパちんぽに理解らせられてトロトロのメロメロになっちゃう話

ルシーアンナ
BL
既婚子持ちバイ×専門学生 Pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27436158 ムーンライトノベルズ https://novel18.syosetu.com/n1512ls/ fujossy https://fujossy.jp/books/31185

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?