9 / 23
8. 大ゲンカ!!
しおりを挟む
週明けの学校、今日も今日とて、ホクトは学校に着いてきた。変なことしないでねって釘は刺してあるけど、どうだろう。
心配だったから、とりあえず「今日は一日私の鞄から出ないこと」って約束させた。嫌がるかなって思ってたけど、「ナナセの周り、楽しそう!」だって。本当に、ポジティブというか何というか。何でも楽しみに出来るって、呆れを通りこして尊敬するよ……。
「レク係、やってくれる人?」
例のレク係決め。
学級委員の言葉。教室、シーン。
はぁ、ホクトみたいに楽しいこと大好きな子だったら、こういうのにもすぐ立候補するのかな。
早く決まらないかな、早く帰りたいな。中々係が決まらない中、今日もみんなは他人事だ。私もその一人だけど。
「うーん、困ったな。それじゃあ、くじ引きかな」
くじ引き。そう学級委員が言ったら、ようやく教室がちょっとざわつき始める。当たったらめんどくさいなぁ。二人組なんでしょ? 仲良くない人と当たったらどうしよう……。ひそひそに耳をすませると、そんな言葉が聞こえてくる。
何となく、そうなる気はしてた。まぁ、仕方ないよね。
「はい! レク係、やるよ!」
え?
ザワザワし始めた教室も静まり返った。今の声は、誰? みんながきょろきょろして声の主を探す。
今くじになった所なのに、立候補? 今になって決心がついたのかな。
クラス的には救世主登場! って感じだけど、タイミングがタイミングだったから、喜びよりも不思議そうな雰囲気が教室を取り巻いた。
「えっと……今名乗り出てくれたのは、誰?」
学級委員の子が首を傾げた。
甲高くて、明るくて、女の子の声だった。こんな声の子、いたかな? 何か……声色を変えているように聞こえたのは気のせい?
声は答える。
「私だよ! ナナセ!」
ぐるん!!
教室中の人の目が、私を向いた。一気に、鳥肌が立つ。うそ、私……!?
心底安心した学級委員の顔が私に笑いかける。
「ありがとう帳さん、助かるわ!」
「え……ちょ、ちょっと待ってよ!」
私、立候補するなんて言ってない! 今の、私の声じゃないし!
「七星すげぇ」
「帳さんが立候補するの、何か意外だね。くじ枠はあと一人か~」
「まぁ七星ちゃん真面目そうだし、くじで当たっても一緒に仕事できるな~」
勝手にどんどん話が進む。もうみんな私に感謝していて。私を「すごい」って褒めてくれて。もう決定って雰囲気。こんなの……「違う、私じゃない」って言えないよ……。
違う、違うのに。
頭がぐちゃぐちゃになって、指先から冷えていく。そりゃあ、くじで当たったなら仕方ないし、仕事をするよ。でも、自分から言い出すなんて。「レクの案を出す自信がある」って思われたらどうしよう。私、そういうアイデアを出すって苦手なのに。
「じゃあ、くじであと一人決めちゃうね。えーっと、えんぴつはっと……」
「くじ、やらなくて良いよ」
熱が高まってきた教室に、また割り入る声。また女の子の声だけど、今度は低めで落ち着いた声だった。今度は……。
声の主に、またみんなの注目が集まる。私も、その流れに乗るように視線を動かした。その子は、すっと真っ直ぐ手を挙げている。りりしい顔をして、前を見ている。
「私が、あと一人に立候補するから」
「満田さん、やってくれるの?」
光ちゃん、だ。こく、と真剣な顔はうなずいた。縮こまっている私とは違って、ずっと堂々としている。
また、別の意味で緊張が走った。どうして? どうして光ちゃんが立候補するの? 光ちゃんは優しいから、強く頼まれたなら、引き受けるかもしれない。けど……よりによって私がいるのに。
どうして、と、どうしよう、で思考が行き来している私を置いて、教室は安心モードに包まれた。無事にレク係が二人決まった、ありがたい、喜ばしい! って。
「じゃあレク係は、帳さんと満田さんに決まりました。拍手!」
パラパラと響く拍手に包まれながら、私は震えているしかなかった。
「ねぇホクト。あの声ホクトでしょ!?」
その日、家に帰って。私はためこんでいたものを声に込めて全部、ホクトにぶつけた。あれから、ずっと考えてた。たぶんあれはホクトの声だって。ホクトが私をレク係にしたかったから、あぁ言ったんだって。
何でかは分からない。でもホクトのことだ。「楽しそうだから」って言うに決まってる。今回ばかりは、イタズラにしてもひどすぎるよ!
私の剣幕と声の大きさに、小さい体がビクッ! と跳ねる。でもまだその顔はきょとんとしていた。ホクトは何も分かっていなさそうで、また頭が熱くなっていくのを感じる。
「ホクトが私を、立候補させたんだよね!?」
「うん、そうだよ!」
元気いっぱいにうなずく子ぐま。あまりにも反省が無くて、私のほうがびっくりしちゃう。一瞬口をつぐんでしまって、慌ててお説教を続けた。
「余計なことするのやめてよ! 勝手なことしないでって言ったよね!?」
「でも……でもだって、ナナセなら出来ると思ったんだもの!」
また、面食らう。出来る? 何を根拠に?
「昨日のおさいほう! とってもステキだった。ナナセは、こんなものが生み出せるんだって、思った!」
ホクトの顔は真剣で、「イタズラなんかじゃない」と訴えているようでもあった。
だけど私の心も、負けじとフツフツ燃え上っていく。あれは……あれはだって、自分だけの楽しみだから。責任を負ったりしないから。気軽に出来るの。
「そんなナナセをみんなに知ってほしかったの!」
「余計なお世話! 私には出来ないよ!」
カーッと心が燃え上がった後は、それが移ったみたいに、頭も熱くなる。頭が熱くなって、声も大きくなった。
ホクトが少しびっくりしたような顔をしたけど、その目が吊り上がる。
「何で! 出来るよ!」
「出来ない!」
「出来ないって言ってたら本当に出来ないんだよ!?」
「そんなの放っといてよ!!」
止まらない。
ホクトには分からないよ。私のことなんて。
あぁもう、泣きそうだ。怒りがなぜか涙になってくる。私もホクトも、震えていた。そして、ホクトは震えながら叫んだ。
「どうしてそう、ナナセは『できない』ばっかりなの!?」
私の息が、一瞬止まる。
何か言い返そうとして、唇からは息だけが漏れる。やっと、言葉が出てきた頃には。
「もう……もう」
頭の中が、熱かった。心の中が、どろどろとして気持ち悪い。
ダメ、ダメ!! 私の中にいるもう一人の私は、そう叫んでた。
でも、そんな私は、火に焼かれて消えちゃう。……これは、怒りの火だ。
「私に構わないで!! 出て行ってよ!!」
キーン……。
私の叫びは、耳鳴りみたいに、恐ろしく響いた。出してしまった言葉に気付いて、慌てて口をつぐむ。
でも、もう遅い。私の中からあふれた言葉は、とっくにホクトに届いているはず。
ごめん。違うの。今のは……謝ろうとしたけど、なぜだかすぐに言えなくて。
「言ってしまった」という焦りだけがぐるぐるうずまいて、ホクトの顔もきちんと見られなかった。
けど私は、どこかで期待してた、ホクトなら、気にしないんじゃないかって。「やだ! 出ていかない!」なんて、またワガママみたいに返してくれるんじゃないかって。
だからホクトの顔をちゃんと見たとき、私は絶句した。
……見開かれた大きい目いっぱいに、涙をためていたから。
「ホ、クト」
「……ごめんなさい」
先に、謝ったのはホクトの方だった。
「わかってたつもりだよ。ナナセが大変なのも、怖いのも、ワタシがいるからだって。でも、だから、楽しいことをナナセにあげられたらって……ごめんなさい」
「ホクト、待って!」
ピョンッ! とホクトは机から飛び降りた。小さい体でひょこひょこ走って。
私は、追いかけられなくて。
子ぐまは、本当に私の前から、いなくなってしまった。
心配だったから、とりあえず「今日は一日私の鞄から出ないこと」って約束させた。嫌がるかなって思ってたけど、「ナナセの周り、楽しそう!」だって。本当に、ポジティブというか何というか。何でも楽しみに出来るって、呆れを通りこして尊敬するよ……。
「レク係、やってくれる人?」
例のレク係決め。
学級委員の言葉。教室、シーン。
はぁ、ホクトみたいに楽しいこと大好きな子だったら、こういうのにもすぐ立候補するのかな。
早く決まらないかな、早く帰りたいな。中々係が決まらない中、今日もみんなは他人事だ。私もその一人だけど。
「うーん、困ったな。それじゃあ、くじ引きかな」
くじ引き。そう学級委員が言ったら、ようやく教室がちょっとざわつき始める。当たったらめんどくさいなぁ。二人組なんでしょ? 仲良くない人と当たったらどうしよう……。ひそひそに耳をすませると、そんな言葉が聞こえてくる。
何となく、そうなる気はしてた。まぁ、仕方ないよね。
「はい! レク係、やるよ!」
え?
ザワザワし始めた教室も静まり返った。今の声は、誰? みんながきょろきょろして声の主を探す。
今くじになった所なのに、立候補? 今になって決心がついたのかな。
クラス的には救世主登場! って感じだけど、タイミングがタイミングだったから、喜びよりも不思議そうな雰囲気が教室を取り巻いた。
「えっと……今名乗り出てくれたのは、誰?」
学級委員の子が首を傾げた。
甲高くて、明るくて、女の子の声だった。こんな声の子、いたかな? 何か……声色を変えているように聞こえたのは気のせい?
声は答える。
「私だよ! ナナセ!」
ぐるん!!
教室中の人の目が、私を向いた。一気に、鳥肌が立つ。うそ、私……!?
心底安心した学級委員の顔が私に笑いかける。
「ありがとう帳さん、助かるわ!」
「え……ちょ、ちょっと待ってよ!」
私、立候補するなんて言ってない! 今の、私の声じゃないし!
「七星すげぇ」
「帳さんが立候補するの、何か意外だね。くじ枠はあと一人か~」
「まぁ七星ちゃん真面目そうだし、くじで当たっても一緒に仕事できるな~」
勝手にどんどん話が進む。もうみんな私に感謝していて。私を「すごい」って褒めてくれて。もう決定って雰囲気。こんなの……「違う、私じゃない」って言えないよ……。
違う、違うのに。
頭がぐちゃぐちゃになって、指先から冷えていく。そりゃあ、くじで当たったなら仕方ないし、仕事をするよ。でも、自分から言い出すなんて。「レクの案を出す自信がある」って思われたらどうしよう。私、そういうアイデアを出すって苦手なのに。
「じゃあ、くじであと一人決めちゃうね。えーっと、えんぴつはっと……」
「くじ、やらなくて良いよ」
熱が高まってきた教室に、また割り入る声。また女の子の声だけど、今度は低めで落ち着いた声だった。今度は……。
声の主に、またみんなの注目が集まる。私も、その流れに乗るように視線を動かした。その子は、すっと真っ直ぐ手を挙げている。りりしい顔をして、前を見ている。
「私が、あと一人に立候補するから」
「満田さん、やってくれるの?」
光ちゃん、だ。こく、と真剣な顔はうなずいた。縮こまっている私とは違って、ずっと堂々としている。
また、別の意味で緊張が走った。どうして? どうして光ちゃんが立候補するの? 光ちゃんは優しいから、強く頼まれたなら、引き受けるかもしれない。けど……よりによって私がいるのに。
どうして、と、どうしよう、で思考が行き来している私を置いて、教室は安心モードに包まれた。無事にレク係が二人決まった、ありがたい、喜ばしい! って。
「じゃあレク係は、帳さんと満田さんに決まりました。拍手!」
パラパラと響く拍手に包まれながら、私は震えているしかなかった。
「ねぇホクト。あの声ホクトでしょ!?」
その日、家に帰って。私はためこんでいたものを声に込めて全部、ホクトにぶつけた。あれから、ずっと考えてた。たぶんあれはホクトの声だって。ホクトが私をレク係にしたかったから、あぁ言ったんだって。
何でかは分からない。でもホクトのことだ。「楽しそうだから」って言うに決まってる。今回ばかりは、イタズラにしてもひどすぎるよ!
私の剣幕と声の大きさに、小さい体がビクッ! と跳ねる。でもまだその顔はきょとんとしていた。ホクトは何も分かっていなさそうで、また頭が熱くなっていくのを感じる。
「ホクトが私を、立候補させたんだよね!?」
「うん、そうだよ!」
元気いっぱいにうなずく子ぐま。あまりにも反省が無くて、私のほうがびっくりしちゃう。一瞬口をつぐんでしまって、慌ててお説教を続けた。
「余計なことするのやめてよ! 勝手なことしないでって言ったよね!?」
「でも……でもだって、ナナセなら出来ると思ったんだもの!」
また、面食らう。出来る? 何を根拠に?
「昨日のおさいほう! とってもステキだった。ナナセは、こんなものが生み出せるんだって、思った!」
ホクトの顔は真剣で、「イタズラなんかじゃない」と訴えているようでもあった。
だけど私の心も、負けじとフツフツ燃え上っていく。あれは……あれはだって、自分だけの楽しみだから。責任を負ったりしないから。気軽に出来るの。
「そんなナナセをみんなに知ってほしかったの!」
「余計なお世話! 私には出来ないよ!」
カーッと心が燃え上がった後は、それが移ったみたいに、頭も熱くなる。頭が熱くなって、声も大きくなった。
ホクトが少しびっくりしたような顔をしたけど、その目が吊り上がる。
「何で! 出来るよ!」
「出来ない!」
「出来ないって言ってたら本当に出来ないんだよ!?」
「そんなの放っといてよ!!」
止まらない。
ホクトには分からないよ。私のことなんて。
あぁもう、泣きそうだ。怒りがなぜか涙になってくる。私もホクトも、震えていた。そして、ホクトは震えながら叫んだ。
「どうしてそう、ナナセは『できない』ばっかりなの!?」
私の息が、一瞬止まる。
何か言い返そうとして、唇からは息だけが漏れる。やっと、言葉が出てきた頃には。
「もう……もう」
頭の中が、熱かった。心の中が、どろどろとして気持ち悪い。
ダメ、ダメ!! 私の中にいるもう一人の私は、そう叫んでた。
でも、そんな私は、火に焼かれて消えちゃう。……これは、怒りの火だ。
「私に構わないで!! 出て行ってよ!!」
キーン……。
私の叫びは、耳鳴りみたいに、恐ろしく響いた。出してしまった言葉に気付いて、慌てて口をつぐむ。
でも、もう遅い。私の中からあふれた言葉は、とっくにホクトに届いているはず。
ごめん。違うの。今のは……謝ろうとしたけど、なぜだかすぐに言えなくて。
「言ってしまった」という焦りだけがぐるぐるうずまいて、ホクトの顔もきちんと見られなかった。
けど私は、どこかで期待してた、ホクトなら、気にしないんじゃないかって。「やだ! 出ていかない!」なんて、またワガママみたいに返してくれるんじゃないかって。
だからホクトの顔をちゃんと見たとき、私は絶句した。
……見開かれた大きい目いっぱいに、涙をためていたから。
「ホ、クト」
「……ごめんなさい」
先に、謝ったのはホクトの方だった。
「わかってたつもりだよ。ナナセが大変なのも、怖いのも、ワタシがいるからだって。でも、だから、楽しいことをナナセにあげられたらって……ごめんなさい」
「ホクト、待って!」
ピョンッ! とホクトは机から飛び降りた。小さい体でひょこひょこ走って。
私は、追いかけられなくて。
子ぐまは、本当に私の前から、いなくなってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
#アタシってば魔王の娘なんだけどぶっちゃけ勇者と仲良くなりたいから城を抜け出して仲間になってみようと思う
釈 余白(しやく)
児童書・童話
ハアーイハロハロー。アタシの名前はヴーゲンクリャナ・オオカマって言ぅの。てゆうか長すぎでみんなからはヴーケって呼ばれてる『普通』の女の子だょ。
最近の悩みはパパが自分の跡継ぎにするって言って修行とか勉強とかを押し付けて厳しいことカナ。てゆうかマジウザすぎてぶっちゃけやってらンない。
てゆうかそんな毎日に飽きてるンだけどタイミングよく勇者のハルトウって子に会ったのょ。思わずアタシってば囚われの身なのってウソついたら信じちゃったわけ。とりまそんなン秒でついてくよね。
てゆうか勇者一行の旅ってばビックリばっか。外の世界ってスッゴク華やかでなんでもあるしアタシってば大興奮のウキウキ気分で舞い上がっちゃった。ぶっちゃけハルトウもかわいくて優しぃし初めての旅が人生の終着点へ向かってるカモ? てゆうかアタシってばなに言っちゃってンだろね。
デモ絶対に知られちゃいけないヒミツがあるの。てゆうかアタシのパパって魔王ってヤツだし人間とは戦争バッカしてるし? てゆうか当然アタシも魔人だからバレたら秒でヤラレちゃうかもしンないみたいな?
てゆうか騙してンのは悪いと思ってるょ? でも簡単にバラすわけにもいかなくて新たな悩みが増えちゃった。これってぶっちゃけ葛藤? てゆうかどしたらいンだろね☆ミ
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる