スカーレットオーク

はぎわら歓

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風の住処(番外編)

21 安堵

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 早苗をアパートに送り届けた後、絵里奈はすぐに颯介に電話をかけた。

 『おう。なんだ。久しぶりだな』
 『ちょっと。昨日何してた?』
 『え。何してたっけ』
 『キャバクラ巡りしてなかった?』
 『え。ああ。何で知ってんだ。職場の忘年会で二次会がキャバなだけだよ』 
 『ふーん。悪いことしてないでしょうねえ。』
 『なんだよ。してないって、やけにとげがある言い方するなあ。いきなり何なんだよ』
 『キャバ嬢といちゃついてるとこ、早苗先生に見られてたんだよ』
 『え……』

  さすがの颯介も息をのんだ。
 『どうしたらいいのかわからないって泣いてたよ』
 『今から行ってくる。またな』
  電話が切れた。
 (はあ。世話やけるなあー……って私もか。)
 気が楽になった絵里奈は帰ったら、いっぱい葵を抱っこしてやろうと心に決めた。

  電気の入っていない冷えたこたつで横になっているとチャイムが鳴った。
 (なんだろ)
 「はい」
 「俺。颯介。開けて」
 「あ、うん」
  ドアを開けると息を切らせて汗ばんだ颯介が立っている。

 「あのさ。ごめん。心配させて」
 (ああ。葵ちゃんのママが言ってくれたんだ)
 「ん。もう平気」
 「ほんとか?」
 「うん」
  無理をして作った笑顔から涙をこぼれる。

  颯介は早苗の肩を抱いて部屋に上がった。
 「ごめん」
 「こんなことで悲しくなるなんて思わなかった。もういい大人なのに」
 「俺が悪いんだ。早苗と会う前は確かに遊んでてチャラチャラしてた。
ここんとこ全然飲みに出歩いてなかったんだけど、忘年会で調子に乗っちまった」

  早苗は深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとした。
 颯介は早苗の背中をさする。
 「大人でも子供でも傷つくときは傷つくよ。
もう調子に乗らないように気を付けるから泣かないでくれ。
 気に入らないことがあったら小さいことでも言ってくれ」

 「うん」
  早苗は颯介の腕の中でいつの間にか安堵していた。
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