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13話
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「え?……」
「そうか、お前パイシャなのか…… 外界人だと思って優しくして損したぜ。俺らの気持ちがわかってくれると思ったのによ」
パイシャとは、ラジタニア国での階級を現す言葉だということは覚えていた。
おそらくこの男は、その階級制度によって差別され、虐げられた経験があるのだろう、そう思った俺は言葉に詰まった。
優しそうだった男の顔は先程までとまるで別人のように剣幕を寄せている。
「いや、そんな。俺はまだ、見習いにもなれていないんで……」
「ふんっ、どうだかな、魔法士なんてみんな同じだ。魔法の使えない俺達をゴミのように扱ってきやがる。いったい何様なんだ? 魔法が使える事がそんなに偉いのか?」
「そ、それは……」
「悪いな、ついあたっちまったよ。わるいけど、俺は仕事に戻る」
うつむき、なにも言えなくなった俺をみて、男は、はっと気づいたように表情を変えてそう言った。
「ま、待ってください! 」と呼び止めたのは自分でも予想外だった。
思った事が口からでる魔法でもかけられていたのだろうか。
怪訝な顔をして、振り向く男に「俺は絶対、あなたの言っている魔法士にはなりません。約束します」といいはなつ。
男は目を見開き、驚きで言葉がでなくなっている。
当然といえば、当然なのだろう。俺も自分自身に驚いている。しかし、おっさんの話をきいて、言わずにはいられなかった。
「ほう、じゃあどんな魔法士になるんだ?」とおっさんはきいた。
「そ、それは、まだ……」
「よし、決めた」と男は声を張り上げる。
「え? なにをですか?」
「お前が、この国を変えろ」
「え?」
唐突に言われた、男の言葉に思考が停止する。
「俺達が差別されない世の中になったとき、俺はお前の今言った言葉を信じてやる」
「それは……」
国の体制を変えるなんて、いったいどのくらい偉くなればいいのか検討もつかない。
「なんだ? さっき言った言葉は嘘なのか?」
「いや、そうじゃないですけど、この国の最高位はバロモン? でしたっけ? 外界人の俺にはなれないんじゃ…… 」
「誰がバロモンになれと言った? 」
「階級制度をなくすということは、この国を一から変えるんだ。バロモンじゃ限界があるだろう。お前が王になるんだ」
「は!?」
「俺は真剣だぞ、お前がこの国の王になれ。そして、国を変えろ」
そんなの無理だ! と言おうと口を開いた時だった。
「ほう、なかなか面白そうな話しておるの」
後ろを振り返ると、おっさんが髭を擦ってニヤリと笑っている。
「おっさん、どこにいたんだよ!」
「シルバ様!?」と男が膝まづき、顔をふせる。
「あー、よいよい、立って普通に話そう」
「し、しかし、私のような身分の者が立ってあなた様のような方と話しすなど…… 」
「さっき言っておったではないか、そこの少年に。王になってこの国を変えろと」
「そ、それは……」男の顔が青ざめる。
そして「死罪…… ですか?……」と声を震わせる。
俺は死罪という言葉に反応する。
「死罪!? なんで?」
「この国の存続を脅かす話は死罪にきまっとろう」とおっさんが面倒くさそうに説明する
「なんだよそれ…… まさかしないよな……」
「そうか、お前パイシャなのか…… 外界人だと思って優しくして損したぜ。俺らの気持ちがわかってくれると思ったのによ」
パイシャとは、ラジタニア国での階級を現す言葉だということは覚えていた。
おそらくこの男は、その階級制度によって差別され、虐げられた経験があるのだろう、そう思った俺は言葉に詰まった。
優しそうだった男の顔は先程までとまるで別人のように剣幕を寄せている。
「いや、そんな。俺はまだ、見習いにもなれていないんで……」
「ふんっ、どうだかな、魔法士なんてみんな同じだ。魔法の使えない俺達をゴミのように扱ってきやがる。いったい何様なんだ? 魔法が使える事がそんなに偉いのか?」
「そ、それは……」
「悪いな、ついあたっちまったよ。わるいけど、俺は仕事に戻る」
うつむき、なにも言えなくなった俺をみて、男は、はっと気づいたように表情を変えてそう言った。
「ま、待ってください! 」と呼び止めたのは自分でも予想外だった。
思った事が口からでる魔法でもかけられていたのだろうか。
怪訝な顔をして、振り向く男に「俺は絶対、あなたの言っている魔法士にはなりません。約束します」といいはなつ。
男は目を見開き、驚きで言葉がでなくなっている。
当然といえば、当然なのだろう。俺も自分自身に驚いている。しかし、おっさんの話をきいて、言わずにはいられなかった。
「ほう、じゃあどんな魔法士になるんだ?」とおっさんはきいた。
「そ、それは、まだ……」
「よし、決めた」と男は声を張り上げる。
「え? なにをですか?」
「お前が、この国を変えろ」
「え?」
唐突に言われた、男の言葉に思考が停止する。
「俺達が差別されない世の中になったとき、俺はお前の今言った言葉を信じてやる」
「それは……」
国の体制を変えるなんて、いったいどのくらい偉くなればいいのか検討もつかない。
「なんだ? さっき言った言葉は嘘なのか?」
「いや、そうじゃないですけど、この国の最高位はバロモン? でしたっけ? 外界人の俺にはなれないんじゃ…… 」
「誰がバロモンになれと言った? 」
「階級制度をなくすということは、この国を一から変えるんだ。バロモンじゃ限界があるだろう。お前が王になるんだ」
「は!?」
「俺は真剣だぞ、お前がこの国の王になれ。そして、国を変えろ」
そんなの無理だ! と言おうと口を開いた時だった。
「ほう、なかなか面白そうな話しておるの」
後ろを振り返ると、おっさんが髭を擦ってニヤリと笑っている。
「おっさん、どこにいたんだよ!」
「シルバ様!?」と男が膝まづき、顔をふせる。
「あー、よいよい、立って普通に話そう」
「し、しかし、私のような身分の者が立ってあなた様のような方と話しすなど…… 」
「さっき言っておったではないか、そこの少年に。王になってこの国を変えろと」
「そ、それは……」男の顔が青ざめる。
そして「死罪…… ですか?……」と声を震わせる。
俺は死罪という言葉に反応する。
「死罪!? なんで?」
「この国の存続を脅かす話は死罪にきまっとろう」とおっさんが面倒くさそうに説明する
「なんだよそれ…… まさかしないよな……」
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