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side1.米原孝雪(まいばらたかゆき)の場合
定番料理には、ちょっぴりの隠し味を。第三話
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「……ねえ、今日、ゴムなしでして」
「え、そう? いいよ?」
あくまで高井戸さんは、顔色が変わらない。
いそいそと、ソファにバスタオルを敷き始めた。
汚れるのを防ぐためらしい。……汚れても知らないよ、と俺は思ったのだが、高井戸さんにもその懸念はあったようだ。
高井戸さんは俺を見て言う。
「今日は、ずいぶん積極的だね」
そうだよ。そうだけど。
高井戸さんは、全然、態度変わってくれないじゃん。
俺は、更に思い切って言ってみる。
「……ね、俺のこと、縛ってみたいとか、ある?」
「え、縛る?」
ちょっとだけ高井戸さんは嬉しそうだ。そう来なくっちゃ。
でも、彼は言う。
「それもいいけど、別にしなくってもいいけど」
……えー。
目隠しして縛ったりとかって、少し憧れるものがあるのに。
高井戸さんはやっぱり、そういうのに興味がないのかな。
俺はちょっとがっかりした。
これってあれなの? 大げさに言えば、性的嗜好の不一致ってものに入ったりする?
それって、恋人同士が別れる原因になる?
「……どしたの? 大丈夫?」
ちょっと元気がなくなった俺に、高井戸さんがキスをして言う。
「今日はもうやめる?」
すぐそれだよ。そうじゃないでしょ。
無理やりして欲しい時だって、あるでしょ。自分のこと求められてるって、思いたいでしょ。
高井戸さんって、全然、男の気持ちわかってない。……いや、この人、女の気持ちもきっとわかんないな。
俺は何だか悲しくなって、不覚だけど、涙を一つこぼしてしまった。
やっぱり、高井戸さんと付き合い続けるのって無理なのかなぁ、って。
ノーマルとか関係なく、俺じゃ、高井戸さんのこと、夢中にさせられないのかなぁ、って。
「あー……、ごめん。」
しばらくすると突然、高井戸さんが謝って来た。
前髪をくしゃりとかきあげて、反省の色を表情に浮かべたみたいのを見てとると、高井戸さんは俺をソファに押し倒したままで言った。
「……いつも、エッチなことが好きな孝が可愛くって……」
ん? 俺エッチか?
……まあ、心当たりはなくないけど。
俺が自問自答していると高井戸さんは続ける。
「俺に遠慮しながらおねだりするのが可愛くって、つい焦らしてた。ごめん」
…………えー、うっそ……。
じゃあ俺、焦らされてたのか。高井戸さんが淡白だったのって、本当なの? それとも淡白なふり?
「俺、前からするのも好きだよ」
「!」
……気付いてたのか。俺が前から入れられるの、遠慮してたの。そう思っていると、高井戸さんが俺のを優しく口に含んだ。
「孝のこれ、俺、すごい好き。……可愛い」
「あ……、……っ!」
「それで、その下も好き。……後ろも好き。俺が指入れると、押し出そうとしながらきゅうきゅうってなるよね? すごい可愛いんだ」
「あんっ……た、高井戸さん……」
高井戸さんは、もう一度俺のアナに指を入れて、それから俺の勃起し始めたものを口に入れた。途中で、袋も舐めた。口に含まれると力が抜けそうになって、でも中を刺激されてまた勃ち上がって、もう変な気持ちになってしまう。
俺は足をびくびくさせながら閉じようとするが、足を閉じても高井戸さんの刺激は止まらない。
高井戸さんは言う。
「俺、いつもゴム付けるでしょ。じゃないと、俺の汁が漏れて、孝を汚しちゃうからだよ」
ヨダレ汁。そう耳元で囁かれて、俺は嬉しくてもう一度イキそうになってしまった。
その、一番いい時に、高井戸さんが入って来た。
今日はゴムを付けていない、ローションと先走りでぬるぬるになった、高井戸さんのだ。
すごく固い。俺は歓喜して、高井戸さんを受け入れる。
「……ああっ……も、もう、俺……っ!」
「縛られてもいい、だと? そんな可愛いこと言ったら、本当に縛られても知らないからね……」
「……――んーっ! や、や、やあ……!」
俺は、高井戸さんにぬぷぬぷと注挿され、小刻みに液を出していった。俺は痺れる頭の中で、高井戸さんの続きの声を聞いた。
――俺が休みの火曜日、一日中ね。
そうしたら、俺はたぶん次の日、ジムに仕事に行けないな、と、俺は思った。一度、本当にそうなってみてもいい。というか、そうなりたい。次の日、休みを取って置くから。
高井戸さんも、俺のなかに沢山出した。そのあとも、そのあともだ。
淡白? 誰が、という話だ。
俺たちは、何度かセックスをした後、ソファで高井戸さんに腹を撫でられながら話をした。俺の自慢のシックスパックである。
高井戸さんは言う。
「……全く、こんなお腹しちゃってさ……。可愛い顔して、四つん這いしたり、頑張って俺のことを誘ってみたりしてさ」
「え……」
「孝のおねだりするの可愛いから、もっとやって欲しい」
そう言って、俺にチュッとキスをするから、とてもかなわない。
俺は、今回一つわかったことがある。
ノーマルだろうが男だろうが関係なく、恋人同士は誰もがセックスで悩むということ。
同時に誰にとっても、恋愛にセックスは重要だということだ。
とりあえず、俺と高井戸さんは、セックスの問題を超えて二人の距離は縮まった。
たぶんこれから、もっと縮まる、はずだ。
END
「え、そう? いいよ?」
あくまで高井戸さんは、顔色が変わらない。
いそいそと、ソファにバスタオルを敷き始めた。
汚れるのを防ぐためらしい。……汚れても知らないよ、と俺は思ったのだが、高井戸さんにもその懸念はあったようだ。
高井戸さんは俺を見て言う。
「今日は、ずいぶん積極的だね」
そうだよ。そうだけど。
高井戸さんは、全然、態度変わってくれないじゃん。
俺は、更に思い切って言ってみる。
「……ね、俺のこと、縛ってみたいとか、ある?」
「え、縛る?」
ちょっとだけ高井戸さんは嬉しそうだ。そう来なくっちゃ。
でも、彼は言う。
「それもいいけど、別にしなくってもいいけど」
……えー。
目隠しして縛ったりとかって、少し憧れるものがあるのに。
高井戸さんはやっぱり、そういうのに興味がないのかな。
俺はちょっとがっかりした。
これってあれなの? 大げさに言えば、性的嗜好の不一致ってものに入ったりする?
それって、恋人同士が別れる原因になる?
「……どしたの? 大丈夫?」
ちょっと元気がなくなった俺に、高井戸さんがキスをして言う。
「今日はもうやめる?」
すぐそれだよ。そうじゃないでしょ。
無理やりして欲しい時だって、あるでしょ。自分のこと求められてるって、思いたいでしょ。
高井戸さんって、全然、男の気持ちわかってない。……いや、この人、女の気持ちもきっとわかんないな。
俺は何だか悲しくなって、不覚だけど、涙を一つこぼしてしまった。
やっぱり、高井戸さんと付き合い続けるのって無理なのかなぁ、って。
ノーマルとか関係なく、俺じゃ、高井戸さんのこと、夢中にさせられないのかなぁ、って。
「あー……、ごめん。」
しばらくすると突然、高井戸さんが謝って来た。
前髪をくしゃりとかきあげて、反省の色を表情に浮かべたみたいのを見てとると、高井戸さんは俺をソファに押し倒したままで言った。
「……いつも、エッチなことが好きな孝が可愛くって……」
ん? 俺エッチか?
……まあ、心当たりはなくないけど。
俺が自問自答していると高井戸さんは続ける。
「俺に遠慮しながらおねだりするのが可愛くって、つい焦らしてた。ごめん」
…………えー、うっそ……。
じゃあ俺、焦らされてたのか。高井戸さんが淡白だったのって、本当なの? それとも淡白なふり?
「俺、前からするのも好きだよ」
「!」
……気付いてたのか。俺が前から入れられるの、遠慮してたの。そう思っていると、高井戸さんが俺のを優しく口に含んだ。
「孝のこれ、俺、すごい好き。……可愛い」
「あ……、……っ!」
「それで、その下も好き。……後ろも好き。俺が指入れると、押し出そうとしながらきゅうきゅうってなるよね? すごい可愛いんだ」
「あんっ……た、高井戸さん……」
高井戸さんは、もう一度俺のアナに指を入れて、それから俺の勃起し始めたものを口に入れた。途中で、袋も舐めた。口に含まれると力が抜けそうになって、でも中を刺激されてまた勃ち上がって、もう変な気持ちになってしまう。
俺は足をびくびくさせながら閉じようとするが、足を閉じても高井戸さんの刺激は止まらない。
高井戸さんは言う。
「俺、いつもゴム付けるでしょ。じゃないと、俺の汁が漏れて、孝を汚しちゃうからだよ」
ヨダレ汁。そう耳元で囁かれて、俺は嬉しくてもう一度イキそうになってしまった。
その、一番いい時に、高井戸さんが入って来た。
今日はゴムを付けていない、ローションと先走りでぬるぬるになった、高井戸さんのだ。
すごく固い。俺は歓喜して、高井戸さんを受け入れる。
「……ああっ……も、もう、俺……っ!」
「縛られてもいい、だと? そんな可愛いこと言ったら、本当に縛られても知らないからね……」
「……――んーっ! や、や、やあ……!」
俺は、高井戸さんにぬぷぬぷと注挿され、小刻みに液を出していった。俺は痺れる頭の中で、高井戸さんの続きの声を聞いた。
――俺が休みの火曜日、一日中ね。
そうしたら、俺はたぶん次の日、ジムに仕事に行けないな、と、俺は思った。一度、本当にそうなってみてもいい。というか、そうなりたい。次の日、休みを取って置くから。
高井戸さんも、俺のなかに沢山出した。そのあとも、そのあともだ。
淡白? 誰が、という話だ。
俺たちは、何度かセックスをした後、ソファで高井戸さんに腹を撫でられながら話をした。俺の自慢のシックスパックである。
高井戸さんは言う。
「……全く、こんなお腹しちゃってさ……。可愛い顔して、四つん這いしたり、頑張って俺のことを誘ってみたりしてさ」
「え……」
「孝のおねだりするの可愛いから、もっとやって欲しい」
そう言って、俺にチュッとキスをするから、とてもかなわない。
俺は、今回一つわかったことがある。
ノーマルだろうが男だろうが関係なく、恋人同士は誰もがセックスで悩むということ。
同時に誰にとっても、恋愛にセックスは重要だということだ。
とりあえず、俺と高井戸さんは、セックスの問題を超えて二人の距離は縮まった。
たぶんこれから、もっと縮まる、はずだ。
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