健多くん

ソラ

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番外編

③★

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「・・・胸、触って」

まるで女の子みたいなセリフだ。いや、女の子だってこんな言葉めったに言わないだろう。

しかし僕の手抜きなお願いは変態にあっさり却下された。

「わかってるよな?俺がそんな言葉じゃしてやらないって」

当然とばかりに切り捨てられて、今さらながらどうしてこんなヤツを好きになったんだろうなんて後悔する。

そしてそんな言葉に、浅ましくも今よりもっと興奮してしまう自分が怖い。

「ち、くび・・・弄ってほしい」

ゾク、と自分の言葉に背筋が痺れた。

自分自身を言葉責めとはこういうことだ、きっと。

「弄るって?こうか?」

「あッ・・・ん、ち、がうっ」

ぐり、と両方の親指が僕の突起を押し潰す。

たしかにそれはそれで気持ちいいけど、もっと・・・もっとしてほしいことが。

「ほら、どうしてほしいって?」

ぐ、ぐ、と何度も押し込められて、僕の胸の尖りは痛いくらいに勃ち上がっていた。

「や、あッ、くりくり・・・して、先っぽ・・・爪で・・・」

「お前が先っぽ爪でクリクリしてほしいのはココだけじゃないだろ?」

「いやぁ・・・」

恥ずかしい。やめて。そんなの・・・

「なるひと・・・!」

興奮しすぎて胸の奥がぎゅうっとなる。

自分の好きな場所を弄ってもらおうと必死な僕は、精一杯鳴人に向かって胸を突き出した。

そんないやらしい姿に満足したのか、鳴人はやっと僕の求めていた快感をくれた。

「ま、ソコはあとでたっぷり苛めてやるよ。いまはココ」

「あぁ、んッ」

真っ赤になって充血した二つの突起を鳴人の少し伸びた爪がくすぐる。

ときどききゅっと摘みだして硬くすると、親指と人差し指で転がすように揉まれた。

ジンジンと胸の頂が痺れ、上半身から力が抜けて後ろに倒れそうになる。

すると鳴人が支えてくれて、お尻にゴツっとしたモノが当たった。

「あッ・・・!」

・・・大きい。

「おい、押すなよ。ヤバいんだからなコレ」

ニヤニヤしながらも鳴人は僕のカラダを弄り続ける。

ちょうど双丘の挟間に感じるアレがいつも僕にくれる快感を思い出し、カラダが勝手に疼きだす。

胸への刺激から逃げようとすればするほどお尻にアレが当たる。

布越しでもその熱がはっきりと感じられて、頭の中に靄がかかったような不思議な感覚に襲われた。

もう恥ずかしいなんて考えられなかった。

「あッ・・・あ、んッ」

思わず腰が揺れてしまほうどの刺激から逃げるように手を突っぱね、鳴人から徐々にカラダを離していく。

「こら。どこ行く気だ」

きゅう、と両方の突起を同時に摘まれて歯を食いしばった。

それでも僕は後退を続け、鳴人の指を振り切る。

いま僕は座っているのは鳴人の足首のあたりだ。ここからだとジーンズの下で恐ろしいほどに膨らんだ鳴人のソレが目に入る。

・・・・欲しい。

全部欲しくてたまらない。

ごくりと生唾を飲んで、ゆっくりとカラダを倒す。

相変わらず怪訝そうな顔をした鳴人をチラッと見上げると、僕はこれからすることの楽しさに無意識に笑っていた。

「やめろ」

なにをされるのかわかったんだろう。鳴人が突然真剣な顔で僕の肩を掴む。

でも、もう止まらない。

鳴人の制止を聞かずに震える手でベルトを外し、怒られる前にチャックを下ろした。

「ッ、」

窮屈そうな下着を力任せに引き下げると、先走りに濡れた男のモノが僕の目の前に顔を出した。

先端を先走りで濡らしてドクドクと脈打つソレ。

僕のモノと同じ機能をもってるはずなのに、色も形も全然違う。

歳だって4つしか変わらないけど、鳴人のソレはすでにいろんな経験を積んだ大人のペニスだった。

鳴人のモノを迎え入れた人はいったい何人いるんだろう。

そんなことを考えたって仕方がないのに、僕の頭の中は誰かわからない人たちへの嫉妬でいっぱいだった。

自分でも呆れるくらい嫌な感情。

誰かにこんな強い嫉妬を覚えるなんて一生ないと思ってたけど。

「・・・見すぎだろ」

溜息混じりの鳴人の息も荒い。

自分がこの男を興奮させているんだと思うと、それだけで優越感がある。

きゅ、と軽く指を添えると。見た目にも分かるほどソレが一気に体積を増した。

僕は覚えていないけど、前に一度酔っぱらった勢いで鳴人のモノを握って愛撫したことがあるらしい。

それを聞かされたときは頭が真っ白になるほど恥ずかしかったけど、いまこうして興奮で真っ赤になった僕にとっては、そんなものはヌルい行為でしかなかった。

なにしろ半分は理性が飛んでるとはいえ、いまから僕がしようとしていることは絶対に普通の状態ではできないことだから。

「健多・・・今日はやめろって。別に無理しないでいい」

「無理なんかしてない。今日だけ」

「・・・今日だけかよ。つか、そうじゃなくて。いまヤバいんだよ」

確かにヤバそう。

限界以上に張りつめた鳴人のペニスは、少し擦っただけで爆発してしまいそうなほど勃ち上がっていた。

「また今度させてやるから」

させてやるってなんだ。まるで僕がしたいみたいじゃないか。

「・・・だめ。今日する」

あんなに嬉しい言葉をもらって、せっかくちゃんとした付き合いができるようになったのに。

僕だって少しは恋人らしいことをして、本当に好きなんだってことを伝えたい。

嫌悪感なんてまったくない。

ただ、気持ちよくしてあげたいだけ。

そっと顔を近づけ、熱を持った先端を唇で挟む。

「ッ!」

ぐ、と鳴人の腹筋が緊張した。

口の中に全部入れるなんて到底無理で先端を頬張るだけで精一杯。

それでもえずく寸前まで呑み込んで、舌に広がる青臭い独特の味を少しだけ飲みこんだ。

「・・・ん」

吐き出しそうになるくらい苦しい。

奥の奥まで侵入しようとする棒を舌で押し返し、血管の浮き出る茎を優しく擦った。

「ぁ、くッ・・・そ」

よほど我慢していたのか、余裕のない声が頭上から降ってくる。

調子に乗った僕は口に含んだ部分を舌で強く舐めまわした。もちろん下は擦ったまま。

でもそれ以上はどうしていいかわからない。

こんな単調な愛撫じゃ慣れてくれば鳴人だって気持よくなくなるだろうと思っていたら、長い指が優しく僕の髪をかき混ぜた。

ソレは舐めたまま視線だけ上げると。

「だか、ら・・・ヤバい、っつっただろッ・・・!」

恐ろしく欲情した鳴人の視線とぶつかった。

目が合った途端にグンとソレが反り返って、慣れた予感に慌てて口を離そうとしたけど。

ほんの一瞬、遅かった。

「んッ・・・んぅッ!」

「は、ッ・・・!」

熱くてねっとりと濃い液体が、一気に僕の喉の奥を犯した。

ノドが詰まって息ができない。鳴人に助けを求めようとしても、腰を迫り上げられて一滴残らず注ぎこまれる。

やっと新鮮な空気を吸えたのは、落ち着きを取り戻した鳴人のモノがずるっと口から抜け落ちたときだった。

「ぁッ、か、はッ、げほッ・・・はぁッ」

・・・少し、飲んだ。というか、喉の奥に入ってきて、残りはすべて咳と一緒にシーツの上に広がった。

「・・・~~ッ!いっ・・・イ、クならッ、言ッ・・・げほッ」

口の中にはなんともいえない不味さが残った。

ノドの奥に絡まった白濁を無理やり飲み下しながら鳴人を睨みつける。

しかし目の前の男は、今まで見たことのないほど落ち込んでいた。片手で顔を覆ってこの世の終わりかと思うほど深い溜息をつきながら。

「・・・ダメだ・・・ありえねえだろこんな早く・・・」

ブツブツとなにやら呟いている。

よく分からないけど、ちょっぴり鳴人に勝った気がした。

「まだ全然してないのに・・・」

これじゃせっかくの勇気が台無しだ。

「俺だって出したくて出したわけじゃねえよ」

一度出して冷静さを取り戻したのか、跨っていた鳴人の脚が動いた。

「あ、ちょっとッ」

いきなり両膝を立てられて、ずるずると滑るように鳴人の方に動いていく。

男子高生一人を持ち上げるなんていったいどんな脚力だ。
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