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番外編
④★
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「で、俺を苛めて満足したか」
「・・・別に苛めてない」
唇の端を垂れる残滓を拭われる。視界の端にまだ少し勃ち上がったままのソレが映って、僕のモノもじんわりと濡れた。
「鳴人、触って」
首に腕を絡めて耳に息を吹きかけてみる。
肩がピクリと動くのがわかって嬉しくなった。
「それは命令か?」
「・・・そう」
拒否権なんて無い。
もうこの男は僕のモノになったんだから。
「はやく」
自然と乱れる息を抑えて自分からズボンに手をかける。
触ってほしい。僕が男だってことをわかってほしい。
男でも、鳴人をこんなに好きだっていうのを知ってほしい。
鳴人が抱いてきた人たちに負けないくらい、男としてのプライドを全部あげてもいいくらい。
もう、引き返すつもりなんてないんだってことを。
鳴人が取り出したソレをゆっくりと扱きだす。
くちゃくちゃと淫らな音をたてて僕の感じる場所は悦び震えた。
「俺を苛めたバツを受けさせてやる」
「ぁッ・・・やぁッ」
ゾクンと背筋を快感が走りぬける。
薄い皮を剥き下ろされて顔を出した敏感な場所を指が這うと、たまらなくなって涙がこぼれた。
感じてるのを隠すことができないぶん、男っていうのは損だと思う。
怖い。ビリビリと痺れるカラダが思うように動かなくて、まるで自分が自分じゃないみたいだ。
「いやッ、あ、あぁんッ!!」
ついに鳴人の指が完全に姿を現した先端を苛め始めた。
ビクンッとカラダが跳ねて、つま先まで一気に強張る。
茎をしっかりと固定して逃げられないようにされ、鳴人の爪がパクパクと開いた先端の小さな穴を刺激した。
そのまま小刻みにクリクリとくすぐられ、カラダの奥から信じられないような愉悦が逃げ場を失って暴れまわる。
「やッ、やぁあッ、やん、あッ、いやあぁッ!!」
広い背中にぎっちりと爪をたててめちゃくちゃに腰を捩った。
遠く、意識のはるか奥で女の人のような甲高く艶めいた悲鳴が聞こえる。
それが自分の口から出ている叫び声だとは信じられなかった。
「ったく・・・きもちいいのはわかったから、ちょっと腰浮かせろ」
口では呆れたように言いながら、鳴人の声はかなり楽しそうだ。
やっぱりコイツはドSの変態大魔王。
腰を浮かせろなんて言われても、ペニスへの刺激が気持ちよすぎて脚に力が入らない。
仕方なく歯を食いしばって地面に足をつけても、尿道口を触れるか触れないかの感触で爪が行き来するたびにガクンガクンと鳴人の上でカラダが跳ねる。
「あ、ああッ、だ、めぇッ・・・!!」
唇から透明な蜜を垂らしながら息も切れ切れに喘ぐ。
鳴人がソコを弄るのをやめてくれれば話は早いのに、全然その気配もない。
結局は僕の痴態を楽しみたいだけなんだろう。
快感と興奮で涙がボロボロとこぼれおちて、もうとっくに絶頂を迎えてもいいはずなのに、いつまでも射精の予感がない。
たしかに怖いくらい気持ちがいいのになんでだろうと思ったら、僕の茎を支えている鳴人の手が絶妙な力加減で僕の射精を抑制しているからだとわかった。
「な、なる、ひとッ、あ、ぃやッ、い、イ、イきたッ・・・!」
ぎゅうぅっと爪先が痛いくらいに丸まる。突っ張ったふくらはぎがもう痙攣しはじめて、攣ってしまいそうだ。
「なるッ、」
切羽詰った声で泣きながら頼んでも、鳴人の指は止まらなかった。
「あ、あ、あぁあぁぁ・・・!」
細く、長い悲鳴が続く。
ガクガクッ、と一際大きく腰が跳ねあがって、僕は強い眩暈と脳天を直撃する快感に全身を硬直させた。
「ぁ・・・あ、あぁ・・・ッ!」
「すげ・・・中弄らなくてもドライでもイけるのか、お前」
全身を駆け巡る快感が終わらない。
いったい自分に何が起こったのかはわからないけど、確かにイった。しかもすごく激しく。
なのに、鳴人に掴まれている場所はまだドロドロに濡れたまま勃ち上がっていて、先走りが溢れるだけで精液が出た様子はなかった。
「な・・・に、いやぁ・・・!!」
途端に怖くなって、本気でカラダがどうかなってしまったのかと思った。
ズクズクと腰が重たく疼き、やっと力の抜けてきた腕で鳴人を抱きしめる。
肩に顔を埋めて泣きじゃくった。
「んッ、くっ・・・や、だぁッ・・・!」
「こら泣くなって・・・別におかしなことじゃない。お前が前より気持ちよくなれるカラダになっただけだ」
嬉しいだろ、とワケの分からないことを言われて、怖いことじゃないということだけが頭の中に染み込んできた。
よかった。よくわからないけど鳴人は嬉しそうだ。
「でもまぁ、コレはまだ刺激が強すぎるな。これからゆっくり慣らしていくか」
ポンポンと僕の頭を優しく叩きながらとんでもないことを言い出す。
「ほら泣き止め。こんなことで泣いてたらまたお袋さんに子供みたいだって笑われるぞ」
・・・・・いや、こんな姿見せたら笑われるどころの話じゃすまないと思うけど。
そんなツッコミを入れる気力もなく、ただ疼くカラダをどうにかしてほしくて僕は言った。
「鳴人、イきたい・・・もう挿れて・・・」
今度はちゃんと鳴人でイかせてほしい。
ぐずる僕をあやしながら、鳴人は僕の身体を抱きしめて自分が上になった。
はっきりと興奮した目で見下ろされ、思わず喉が鳴る。
「・・・お前ってつくづく俺の計画をぶち壊してくれるよな」
「・・・?」
「堂々と付き合えるようになって今まで我慢してたぶん全部ぶつけたら、お前壊れるだろ。せっかく人がインターバルつくってやろうとしたのに」
「イン・・・なに?」
耳慣れない単語に首を傾げる。
すると鳴人があからさまに溜息をついた。
「もういい。お前はただ気持よくなることだけ考えてろ。俺が最後までセーブできることでも祈っとけ」
「・・・ん」
鳴人のことだから本当にひどいことはしないだろうと素直に頷いて、僕は全身の力を抜いてすべてを鳴人に預けた。
向かい合ったままぐちゃぐちゃと腰を回されて、内壁の感覚がなくなるくらいかき混ぜられる。
その中で一点だけ、前立腺だけが死ぬほど気持ちよくて、ろくに慣らされもしないで突き入れられたことなんてすっかり忘れてしまうくらい僕はこの行為に溺れていた。
セーブするなんて言っておいて、鳴人は最初から全然我慢してくれなかった。
「あぁッ、ひ、ひんッ、やぁッ!!」
たまにこういうときがある。
僕を気持よくさせようと余裕たっぷりに感じるところを苛めるときと、今日みたいに鳴人自身が余裕がなくなって気持よくなろうとするときと。
どっちがいいなんて選べない。
テクニックとか経験に乏しい僕にはわからないけど、いやらしく苛められればもちろん気持いいし、鳴人が気持ちよさそうな顔をすると僕ももっと気持いいから。
抱かれ始めたときは、自分がセックス自体を好きなんだと思ってた。
でも最近はそれだけじゃないと感じ始めてる。
一緒に気持よくなるってことが大事なんだってこと。
男はカラダで、女は脳で快感を得るってよく言うけど、男だって脳で快感を得られるんじゃないかと思う。
だって、鳴人が歯を食いしばって僕を責める顔が、一番僕を興奮させるから。
「健多・・・ッ」
ときどき苦しそうに名前を呼ばれて心臓がぎゅっと痛む。
突き上げられるカラダが上に逃げようとすると、腰を掴まれてさらに引き戻されて繋がる場所が深くなる。
僕を抱いていて口数が少なくなるときは、鳴人は何度も僕の中に射精する。
我慢して我慢して、そして嬉しそうに息を吐きながら、たくさん。
そんなときが一番嬉しい。
口では素直に好きだと言わないから、態度で示そうとしてくれてるんだってわかる。
今日もたくさん鳴人の熱い蜜を注がれて、僕も今度はたくさん満足いくまで出して。
やっとカラダが自由になったときには、指一本動かすことさえ億劫になっていた。
それでも鳴人の指が優しく僕の髪を梳いて、汗の浮かんだ額を撫でてくれる。
かすかに口元に笑みを浮かべて、僕の顔に影を落とすその顔はひどく満足げで・・・見ているだけで全身がゾクゾクした。
「・・・別に苛めてない」
唇の端を垂れる残滓を拭われる。視界の端にまだ少し勃ち上がったままのソレが映って、僕のモノもじんわりと濡れた。
「鳴人、触って」
首に腕を絡めて耳に息を吹きかけてみる。
肩がピクリと動くのがわかって嬉しくなった。
「それは命令か?」
「・・・そう」
拒否権なんて無い。
もうこの男は僕のモノになったんだから。
「はやく」
自然と乱れる息を抑えて自分からズボンに手をかける。
触ってほしい。僕が男だってことをわかってほしい。
男でも、鳴人をこんなに好きだっていうのを知ってほしい。
鳴人が抱いてきた人たちに負けないくらい、男としてのプライドを全部あげてもいいくらい。
もう、引き返すつもりなんてないんだってことを。
鳴人が取り出したソレをゆっくりと扱きだす。
くちゃくちゃと淫らな音をたてて僕の感じる場所は悦び震えた。
「俺を苛めたバツを受けさせてやる」
「ぁッ・・・やぁッ」
ゾクンと背筋を快感が走りぬける。
薄い皮を剥き下ろされて顔を出した敏感な場所を指が這うと、たまらなくなって涙がこぼれた。
感じてるのを隠すことができないぶん、男っていうのは損だと思う。
怖い。ビリビリと痺れるカラダが思うように動かなくて、まるで自分が自分じゃないみたいだ。
「いやッ、あ、あぁんッ!!」
ついに鳴人の指が完全に姿を現した先端を苛め始めた。
ビクンッとカラダが跳ねて、つま先まで一気に強張る。
茎をしっかりと固定して逃げられないようにされ、鳴人の爪がパクパクと開いた先端の小さな穴を刺激した。
そのまま小刻みにクリクリとくすぐられ、カラダの奥から信じられないような愉悦が逃げ場を失って暴れまわる。
「やッ、やぁあッ、やん、あッ、いやあぁッ!!」
広い背中にぎっちりと爪をたててめちゃくちゃに腰を捩った。
遠く、意識のはるか奥で女の人のような甲高く艶めいた悲鳴が聞こえる。
それが自分の口から出ている叫び声だとは信じられなかった。
「ったく・・・きもちいいのはわかったから、ちょっと腰浮かせろ」
口では呆れたように言いながら、鳴人の声はかなり楽しそうだ。
やっぱりコイツはドSの変態大魔王。
腰を浮かせろなんて言われても、ペニスへの刺激が気持ちよすぎて脚に力が入らない。
仕方なく歯を食いしばって地面に足をつけても、尿道口を触れるか触れないかの感触で爪が行き来するたびにガクンガクンと鳴人の上でカラダが跳ねる。
「あ、ああッ、だ、めぇッ・・・!!」
唇から透明な蜜を垂らしながら息も切れ切れに喘ぐ。
鳴人がソコを弄るのをやめてくれれば話は早いのに、全然その気配もない。
結局は僕の痴態を楽しみたいだけなんだろう。
快感と興奮で涙がボロボロとこぼれおちて、もうとっくに絶頂を迎えてもいいはずなのに、いつまでも射精の予感がない。
たしかに怖いくらい気持ちがいいのになんでだろうと思ったら、僕の茎を支えている鳴人の手が絶妙な力加減で僕の射精を抑制しているからだとわかった。
「な、なる、ひとッ、あ、ぃやッ、い、イ、イきたッ・・・!」
ぎゅうぅっと爪先が痛いくらいに丸まる。突っ張ったふくらはぎがもう痙攣しはじめて、攣ってしまいそうだ。
「なるッ、」
切羽詰った声で泣きながら頼んでも、鳴人の指は止まらなかった。
「あ、あ、あぁあぁぁ・・・!」
細く、長い悲鳴が続く。
ガクガクッ、と一際大きく腰が跳ねあがって、僕は強い眩暈と脳天を直撃する快感に全身を硬直させた。
「ぁ・・・あ、あぁ・・・ッ!」
「すげ・・・中弄らなくてもドライでもイけるのか、お前」
全身を駆け巡る快感が終わらない。
いったい自分に何が起こったのかはわからないけど、確かにイった。しかもすごく激しく。
なのに、鳴人に掴まれている場所はまだドロドロに濡れたまま勃ち上がっていて、先走りが溢れるだけで精液が出た様子はなかった。
「な・・・に、いやぁ・・・!!」
途端に怖くなって、本気でカラダがどうかなってしまったのかと思った。
ズクズクと腰が重たく疼き、やっと力の抜けてきた腕で鳴人を抱きしめる。
肩に顔を埋めて泣きじゃくった。
「んッ、くっ・・・や、だぁッ・・・!」
「こら泣くなって・・・別におかしなことじゃない。お前が前より気持ちよくなれるカラダになっただけだ」
嬉しいだろ、とワケの分からないことを言われて、怖いことじゃないということだけが頭の中に染み込んできた。
よかった。よくわからないけど鳴人は嬉しそうだ。
「でもまぁ、コレはまだ刺激が強すぎるな。これからゆっくり慣らしていくか」
ポンポンと僕の頭を優しく叩きながらとんでもないことを言い出す。
「ほら泣き止め。こんなことで泣いてたらまたお袋さんに子供みたいだって笑われるぞ」
・・・・・いや、こんな姿見せたら笑われるどころの話じゃすまないと思うけど。
そんなツッコミを入れる気力もなく、ただ疼くカラダをどうにかしてほしくて僕は言った。
「鳴人、イきたい・・・もう挿れて・・・」
今度はちゃんと鳴人でイかせてほしい。
ぐずる僕をあやしながら、鳴人は僕の身体を抱きしめて自分が上になった。
はっきりと興奮した目で見下ろされ、思わず喉が鳴る。
「・・・お前ってつくづく俺の計画をぶち壊してくれるよな」
「・・・?」
「堂々と付き合えるようになって今まで我慢してたぶん全部ぶつけたら、お前壊れるだろ。せっかく人がインターバルつくってやろうとしたのに」
「イン・・・なに?」
耳慣れない単語に首を傾げる。
すると鳴人があからさまに溜息をついた。
「もういい。お前はただ気持よくなることだけ考えてろ。俺が最後までセーブできることでも祈っとけ」
「・・・ん」
鳴人のことだから本当にひどいことはしないだろうと素直に頷いて、僕は全身の力を抜いてすべてを鳴人に預けた。
向かい合ったままぐちゃぐちゃと腰を回されて、内壁の感覚がなくなるくらいかき混ぜられる。
その中で一点だけ、前立腺だけが死ぬほど気持ちよくて、ろくに慣らされもしないで突き入れられたことなんてすっかり忘れてしまうくらい僕はこの行為に溺れていた。
セーブするなんて言っておいて、鳴人は最初から全然我慢してくれなかった。
「あぁッ、ひ、ひんッ、やぁッ!!」
たまにこういうときがある。
僕を気持よくさせようと余裕たっぷりに感じるところを苛めるときと、今日みたいに鳴人自身が余裕がなくなって気持よくなろうとするときと。
どっちがいいなんて選べない。
テクニックとか経験に乏しい僕にはわからないけど、いやらしく苛められればもちろん気持いいし、鳴人が気持ちよさそうな顔をすると僕ももっと気持いいから。
抱かれ始めたときは、自分がセックス自体を好きなんだと思ってた。
でも最近はそれだけじゃないと感じ始めてる。
一緒に気持よくなるってことが大事なんだってこと。
男はカラダで、女は脳で快感を得るってよく言うけど、男だって脳で快感を得られるんじゃないかと思う。
だって、鳴人が歯を食いしばって僕を責める顔が、一番僕を興奮させるから。
「健多・・・ッ」
ときどき苦しそうに名前を呼ばれて心臓がぎゅっと痛む。
突き上げられるカラダが上に逃げようとすると、腰を掴まれてさらに引き戻されて繋がる場所が深くなる。
僕を抱いていて口数が少なくなるときは、鳴人は何度も僕の中に射精する。
我慢して我慢して、そして嬉しそうに息を吐きながら、たくさん。
そんなときが一番嬉しい。
口では素直に好きだと言わないから、態度で示そうとしてくれてるんだってわかる。
今日もたくさん鳴人の熱い蜜を注がれて、僕も今度はたくさん満足いくまで出して。
やっとカラダが自由になったときには、指一本動かすことさえ億劫になっていた。
それでも鳴人の指が優しく僕の髪を梳いて、汗の浮かんだ額を撫でてくれる。
かすかに口元に笑みを浮かべて、僕の顔に影を落とすその顔はひどく満足げで・・・見ているだけで全身がゾクゾクした。
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