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7話 レイラ、どうせだからお願いをしてみる
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「すまない、聞き間違えたようだから、もう一度言ってもらえるだろうか」
「ガルアラム様が作った手料理を食べてみたいです」
「急にどうした……?」
「ガルアラム様、以前なんでも要求に答えると言っていたではありませんか。だから、このお願いでチャラということで」
「大事故の責任を料理でチャラなどありえぬよ」
私は食事とおいしいもの、そしてついでとしてお菓子に飢えている。
ガルアラム様はなんでもできることで有名だ。
私は参加したことはなかったが、昔侯爵邸で開かれたお茶会でガルアラム様の手料理を出したことがあったらしい。
それがあまりにも好評だったという話を聞いたことがある。
せっかくガルアラム様と話す機会ができたということもあり、これが今の私にとってガルアラム様にお願いしてみたいなと思ったことだ。
しかし、ガルアラム様は首を傾げながら呆れていた。
「それに、それは要求でもなんでもないだろう。そんなことくらい、要求されずとも望むのなら作っている」
「私にとってはこれが最大の望みなので。それ以上のことで要求したいことはありません」
「……わかった。せめて、俺が作れる最大のものを作ろう」
「ありがとうございます! 楽しみにしていますね」
思いがけず、楽しみが増えた。
このままでは伯爵邸に帰ることが本当にできなくなってしまうかもしれない。
だが、最後の機会だと思って今のうちに幸せを堪能しておくことに決めた。
この先どんな状況がやってきても後悔のないように……。
♢
「本日主人様は急用のため、夜まで私がお世話係を担当させていただきます」
「あ、はい。よろしくお願いいたしますリリさん」
リリさんとガルアラム様は、毎日休むことなく付きっきりで看病してくれていた。
尽くしてくださる優しさが大変嬉しい。
「いつも看病してくださりありがとうございます」
「当然のことですから。なにかあればすぐにお申し付けください」
「んー……」
些細なことではあるが、私は気になっていた。
目は開きつつも視界が定まらないような時間が少しだけ続く。
すると、リリさんがすぐに反応してくる。
「なにか?」
「ガルアラム様は毎日忙しいのですよね?」
「まぁ……。そうですね。来年には爵位の継承も控えていますので」
「さすがに完治までここにいては迷惑でしょう。もう歩けるようにはなってきたので帰ったほうが良いかなと」
「それはなりません」
「いや、でも」
「レイラ様が主人様のことを嫌いならば仕方ありません。しかし、そうでなければ、完治するまでこの屋敷で過ごされたほうがよろしいかと……」
この優しさが、私の帰りたくない感情をどんどん刺激されていってしまうのだ。
このままだと本当にずっといたいと思うようになってしまいそうである。
もちろんそんなワガママなど絶対に言うつもりはないし、迷惑をかけるわけにもいかない。
しかし……なんでだろう。
ここ最近、この部屋で二人の手によってかくまわれているような感じがしてしまうのは。
「いつもガルアラム様はそちらのテーブルで書類を確認しているようなことをしているのですが、どのような仕事をされているのですか?」
「レイラ様のご両親と同じようなお仕事ですよ。管理を任されている領地や領民の管理です。あくまで主人様は見習いなので、今は書類の不備などがないかどうかというチェックですね」
「あぁ……あれか。大変ですね」
「ふふ。まるで経験者のような言い方ですね」
「え!? いやー、そんなことはないですけどー! 令嬢ですし!」
「…………」
危なかった。
まさか、お父様から強制的に仕事をさせられていますだなんて言えるわけがない。
バレたら殴られるだけではすまないのだから。
幸い、リリさんも黙ったままそれ以上のツッコミはなかった。
本当に気をつけなければ。
それにしても……、仕事内容を知っているからこそ、ガルアラム様をこのような部屋で仕事をさせてはならないと思ってしまった。
早く私の怪我も回復させて、ガルアラム様に本来の日常へ戻さなければ……。
そのためにも、私は栄養をたっぷり摂って、なるべく休むことにしよう。
少しでも早く完治させるために。
「ガルアラム様が作った手料理を食べてみたいです」
「急にどうした……?」
「ガルアラム様、以前なんでも要求に答えると言っていたではありませんか。だから、このお願いでチャラということで」
「大事故の責任を料理でチャラなどありえぬよ」
私は食事とおいしいもの、そしてついでとしてお菓子に飢えている。
ガルアラム様はなんでもできることで有名だ。
私は参加したことはなかったが、昔侯爵邸で開かれたお茶会でガルアラム様の手料理を出したことがあったらしい。
それがあまりにも好評だったという話を聞いたことがある。
せっかくガルアラム様と話す機会ができたということもあり、これが今の私にとってガルアラム様にお願いしてみたいなと思ったことだ。
しかし、ガルアラム様は首を傾げながら呆れていた。
「それに、それは要求でもなんでもないだろう。そんなことくらい、要求されずとも望むのなら作っている」
「私にとってはこれが最大の望みなので。それ以上のことで要求したいことはありません」
「……わかった。せめて、俺が作れる最大のものを作ろう」
「ありがとうございます! 楽しみにしていますね」
思いがけず、楽しみが増えた。
このままでは伯爵邸に帰ることが本当にできなくなってしまうかもしれない。
だが、最後の機会だと思って今のうちに幸せを堪能しておくことに決めた。
この先どんな状況がやってきても後悔のないように……。
♢
「本日主人様は急用のため、夜まで私がお世話係を担当させていただきます」
「あ、はい。よろしくお願いいたしますリリさん」
リリさんとガルアラム様は、毎日休むことなく付きっきりで看病してくれていた。
尽くしてくださる優しさが大変嬉しい。
「いつも看病してくださりありがとうございます」
「当然のことですから。なにかあればすぐにお申し付けください」
「んー……」
些細なことではあるが、私は気になっていた。
目は開きつつも視界が定まらないような時間が少しだけ続く。
すると、リリさんがすぐに反応してくる。
「なにか?」
「ガルアラム様は毎日忙しいのですよね?」
「まぁ……。そうですね。来年には爵位の継承も控えていますので」
「さすがに完治までここにいては迷惑でしょう。もう歩けるようにはなってきたので帰ったほうが良いかなと」
「それはなりません」
「いや、でも」
「レイラ様が主人様のことを嫌いならば仕方ありません。しかし、そうでなければ、完治するまでこの屋敷で過ごされたほうがよろしいかと……」
この優しさが、私の帰りたくない感情をどんどん刺激されていってしまうのだ。
このままだと本当にずっといたいと思うようになってしまいそうである。
もちろんそんなワガママなど絶対に言うつもりはないし、迷惑をかけるわけにもいかない。
しかし……なんでだろう。
ここ最近、この部屋で二人の手によってかくまわれているような感じがしてしまうのは。
「いつもガルアラム様はそちらのテーブルで書類を確認しているようなことをしているのですが、どのような仕事をされているのですか?」
「レイラ様のご両親と同じようなお仕事ですよ。管理を任されている領地や領民の管理です。あくまで主人様は見習いなので、今は書類の不備などがないかどうかというチェックですね」
「あぁ……あれか。大変ですね」
「ふふ。まるで経験者のような言い方ですね」
「え!? いやー、そんなことはないですけどー! 令嬢ですし!」
「…………」
危なかった。
まさか、お父様から強制的に仕事をさせられていますだなんて言えるわけがない。
バレたら殴られるだけではすまないのだから。
幸い、リリさんも黙ったままそれ以上のツッコミはなかった。
本当に気をつけなければ。
それにしても……、仕事内容を知っているからこそ、ガルアラム様をこのような部屋で仕事をさせてはならないと思ってしまった。
早く私の怪我も回復させて、ガルアラム様に本来の日常へ戻さなければ……。
そのためにも、私は栄養をたっぷり摂って、なるべく休むことにしよう。
少しでも早く完治させるために。
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