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第一章
37 異国からの仕入れ
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対策のために連日王宮へ出向いています。
麻酔の完成品を大量生産したり、人間が自動光合成で生きていけるような秘薬を作っているためです。
今日はライカル様は別の仕事があるので一人で王宮に来ていました。
「リリーナ嬢よ。はるか遠くの国から世界的に有名な客人が来るのだが、よかったら君も会ってみるかい?」
「私などが良いのですか?」
「もちろんだとも。それに相手は女性だ。リリーナ嬢のような美しい女性が一人近くにいてくれたほうが助かる」
デインヒール陛下が緊張しているほど凄い方がこられるようです。
「どなたですか?」
「異国の王妃なのだが、様々な服のデザインを手掛けたお方だ」
確かここより遥か遠くの国で仕事をしながらご活躍されている王妃様だと、風の噂で聞いたことがあります。
「次回の射撃大会のための衣装を大量に注文していたのだよ。まさか制作者自ら届けてくれると知らせがあったときは驚いたが」
まさかそのような有名人にお会いできる機会が訪れるとは思いませんでしたね。
もうしばらく時間がかかるそうで、私は作業を続けました。
♢
「今回娯楽用特殊ジャージのデザインと監修を担当しましたシェリル=レオログニスと申します。此度は一万着ものオーダーいただきありがとうございます」
「ここまでの長旅大変ご苦労であった。デインヒール=オーブルジェである。こちらは我が国の英雄リリーナだ」
陛下はいきなり何をおっしゃっているのでしょうか。
シェリル様は大変綺麗で比の打ちどころがないスタイルと服装です。
私はつい顔を赤らめてしまいましたが、すぐに深々とお辞儀をしました。
「オーダー通りに、上下共に黒をベースにしたジャージです。水分が外部から付着した際に瞬時に白色に変化するように特殊仕様を入れてあります。更に、衝撃緩和と耐久性増加の効果も付与されておりますのでご確認お願い致します」
まさに戦争になってしまうかもしれないというタイミングで衝撃緩和がある服が手に入るのはラッキーでした。
「ふむ、非常に助かる。ではこのお礼と支払いはしっかりと」
「ありがとうございます。あら……あなた……」
「は、はい!」
絶世の美女に声をかけられて普段よりも高い声で返事をしました。
「とても綺麗な顔だちで美人さんですね。出逢ったご縁ということで、一着何かリリーナさんに似合いそうな服のデザインを書かせていただいてもよろしいですか?」
「良いのですか!?」
「まだ納品まで時間もかかりますし、構いませんよ」
まさか世界的に有名なデザイナーさんからこのようなことを言っていただけるとは思いませんでした。
「良かったではないか。シェリル様のお目にかかるとはさすがリリーナ嬢だ」
再び顔が赤くなってしまいました。
私を見ながらスラスラと物凄い速さで筆を進めています。
「はい、こんな感じでどうでしょうか?」
あっという間に描きあげたデザインを見せてもらい、目を大きく開けて感激しました。
「すごいです! まさに私好みで、惚れ惚れしてしまいました」
「それなら良かったです。この国でもすぐ加工できるように詳細も記してあるので、製造できる方に渡せば実物が完成するかと思いますので良ければ」
「ありがとうございます!」
「ちょうど良いタイミングで納品も終わったようですので、私はこれで失礼いたします。またいつかどこかでお会いできたら嬉しいです」
シェリル様は馬車に乗って帰っていきました。
「夢をみているようです」
「なぁに、リリーナ嬢ならあり得ることだと思っていたのだよ。有名人に気に入られるとは、私も鼻が高いよ」
「この作品は国が落ち着いたら頼んでみたいと思います」
この夜、私はシェリル様に作ってもらったデザイン画を見てずっと満面の笑みでした。
また明日から、頑張っていこうと思います。
麻酔の完成品を大量生産したり、人間が自動光合成で生きていけるような秘薬を作っているためです。
今日はライカル様は別の仕事があるので一人で王宮に来ていました。
「リリーナ嬢よ。はるか遠くの国から世界的に有名な客人が来るのだが、よかったら君も会ってみるかい?」
「私などが良いのですか?」
「もちろんだとも。それに相手は女性だ。リリーナ嬢のような美しい女性が一人近くにいてくれたほうが助かる」
デインヒール陛下が緊張しているほど凄い方がこられるようです。
「どなたですか?」
「異国の王妃なのだが、様々な服のデザインを手掛けたお方だ」
確かここより遥か遠くの国で仕事をしながらご活躍されている王妃様だと、風の噂で聞いたことがあります。
「次回の射撃大会のための衣装を大量に注文していたのだよ。まさか制作者自ら届けてくれると知らせがあったときは驚いたが」
まさかそのような有名人にお会いできる機会が訪れるとは思いませんでしたね。
もうしばらく時間がかかるそうで、私は作業を続けました。
♢
「今回娯楽用特殊ジャージのデザインと監修を担当しましたシェリル=レオログニスと申します。此度は一万着ものオーダーいただきありがとうございます」
「ここまでの長旅大変ご苦労であった。デインヒール=オーブルジェである。こちらは我が国の英雄リリーナだ」
陛下はいきなり何をおっしゃっているのでしょうか。
シェリル様は大変綺麗で比の打ちどころがないスタイルと服装です。
私はつい顔を赤らめてしまいましたが、すぐに深々とお辞儀をしました。
「オーダー通りに、上下共に黒をベースにしたジャージです。水分が外部から付着した際に瞬時に白色に変化するように特殊仕様を入れてあります。更に、衝撃緩和と耐久性増加の効果も付与されておりますのでご確認お願い致します」
まさに戦争になってしまうかもしれないというタイミングで衝撃緩和がある服が手に入るのはラッキーでした。
「ふむ、非常に助かる。ではこのお礼と支払いはしっかりと」
「ありがとうございます。あら……あなた……」
「は、はい!」
絶世の美女に声をかけられて普段よりも高い声で返事をしました。
「とても綺麗な顔だちで美人さんですね。出逢ったご縁ということで、一着何かリリーナさんに似合いそうな服のデザインを書かせていただいてもよろしいですか?」
「良いのですか!?」
「まだ納品まで時間もかかりますし、構いませんよ」
まさか世界的に有名なデザイナーさんからこのようなことを言っていただけるとは思いませんでした。
「良かったではないか。シェリル様のお目にかかるとはさすがリリーナ嬢だ」
再び顔が赤くなってしまいました。
私を見ながらスラスラと物凄い速さで筆を進めています。
「はい、こんな感じでどうでしょうか?」
あっという間に描きあげたデザインを見せてもらい、目を大きく開けて感激しました。
「すごいです! まさに私好みで、惚れ惚れしてしまいました」
「それなら良かったです。この国でもすぐ加工できるように詳細も記してあるので、製造できる方に渡せば実物が完成するかと思いますので良ければ」
「ありがとうございます!」
「ちょうど良いタイミングで納品も終わったようですので、私はこれで失礼いたします。またいつかどこかでお会いできたら嬉しいです」
シェリル様は馬車に乗って帰っていきました。
「夢をみているようです」
「なぁに、リリーナ嬢ならあり得ることだと思っていたのだよ。有名人に気に入られるとは、私も鼻が高いよ」
「この作品は国が落ち着いたら頼んでみたいと思います」
この夜、私はシェリル様に作ってもらったデザイン画を見てずっと満面の笑みでした。
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