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第一章
49 処刑処刑処刑
「国を侵略しようとした罪及びリリーナを侮辱し更に王族に怪我を負わせた罪。重罪とし、全員処刑とする」
デインヒール陛下が、牢獄に囚われている全員に向かってそう告げました。
中にいる者達はすでに目が覚めていて、震えている者や言い訳や文句を行ったりしている者と様々です。
そんな中、ゼオンだけはいまだにぐったりとしています。
顔が変形するほどボコボコにされていたので、余程こたえたのでしょうか。
陛下と一緒にいた私はゼオンに向かって尋ねます。
「ゼオン、私のお父様達やサフランお姉様、それにザグロームやドルドック様の姿が見受けられませんが一緒に来たのではないのですか?」
アルガルデ王国にいる名執事ルルガムからの知らせでは、一緒に向かっていると書いてあったはずですが。
どうでもいいことですが、私もゼオンに対しては怒っています。
私にとってとても大切なライカル様を命の危険に晒したのですから。
流石に、そのような相手には敬意を払った呼び方をすることはできませんね。
「……捨てた」
「はい!?」
「だから捨てたと言った」
言っている意味がわかりませんね。
詳しく問い詰めます。
「貴様のメンテナンスした馬車が道中壊れた。その罪として連帯責任で貴様の関係者から馬車から追放し野原に捨てたと言っている」
「車輪自体が長距離用ではなく、耐久力も低いと。あくまで作物の集荷や王都内だけで使うように言いましたが」
「なんとでも言うがいい! 今頃全員ミイラにでもなっているだろう。私たちをこのような目に合わすからだ。ザマァみろ!」
ゼオンは嘲笑っていますが、肝心なことを見落としていますね。
もちろん彼に言うつもりはありませんが、少なくともサフランお姉様とザグロームは確実に生きているでしょう。
たとえ元家族であったとしても、国の大事な仲間を殺そうと動くような人たちを許すわけがありまえん。
とは言え……。
「厄介なことになっちゃいましたね……」
「そうだろう。貴様の困った顔を見れて私は幸せだよかっかっか!」
ゼオンは所詮何もできない状態なので放っておきましょう。
必要な情報だけ仕入れられましたので無視しておきます。
「さ、陛下。戻りましょう」
「おいおいリリーナよ! 私を無視するな! もっと困った顔をしろ!」
「全く困っていませんよ。この国の皆さんと一緒ならこれからもどんな困難があろうと戦えますからね」
「な……!」
皮肉めいた発言をするのは好きではありませんが、ゼオン相手には一言だけ言っておきたかったのです。
ライカル様を危険な目に合わせた行為がどうしても許せなかったので。
「くそう! 貴様ーーー!!」
牢屋の柵に両手を当てて壊そうとしていますが、人間の力では無理でしょう。
それだけ強度があるもので作られているのですから。
無視して監獄部屋から出ていきました。
♢
「ライカル様! 怪我は大丈夫ですか!?」
救護室にいるライカル様のことがとにかく心配だったので、陛下と別れすぐに駆けつけたのです。
「出血と思ったが、かすり傷だ。ここまで厳重に手当てはいらないと思ったのだが?」
「いえ、相手はずる賢いゼオンでしたから。万が一剣に毒でも塗られていたらすぐにでも解毒剤を作らないといけませんからね。もう少し安静にしていてください」
「よくそこまで予測できるな。私たちでは到底想像もつかない」
それは平和だったから仕方がないことだと思います。
今までのアルガルデ王国だったら、私でなくとも予測できる人間は多いんじゃないかと思うくらいですから。
「ところで、やはりリリーの家族はいなかったのか?」
私は首を縦に振りました。
「そうか……」
「未練はありませんので。ですが、少々厄介なことになりました。今後も引き続き検問所は稼働させていないといけませんね」
サフランお姉様とザグロームに関しては、実験的に作っていた秘薬を奪われて飲んでしまっているのです。
いわば光合成のような効果があり、何も食べなくとも生きていける状態になっているはずですから、時間をかければこの国まで歩いてくることも可能です。
あるいは遠くの国までも……。
一体今頃どこにいるのでしょうか。
デインヒール陛下が、牢獄に囚われている全員に向かってそう告げました。
中にいる者達はすでに目が覚めていて、震えている者や言い訳や文句を行ったりしている者と様々です。
そんな中、ゼオンだけはいまだにぐったりとしています。
顔が変形するほどボコボコにされていたので、余程こたえたのでしょうか。
陛下と一緒にいた私はゼオンに向かって尋ねます。
「ゼオン、私のお父様達やサフランお姉様、それにザグロームやドルドック様の姿が見受けられませんが一緒に来たのではないのですか?」
アルガルデ王国にいる名執事ルルガムからの知らせでは、一緒に向かっていると書いてあったはずですが。
どうでもいいことですが、私もゼオンに対しては怒っています。
私にとってとても大切なライカル様を命の危険に晒したのですから。
流石に、そのような相手には敬意を払った呼び方をすることはできませんね。
「……捨てた」
「はい!?」
「だから捨てたと言った」
言っている意味がわかりませんね。
詳しく問い詰めます。
「貴様のメンテナンスした馬車が道中壊れた。その罪として連帯責任で貴様の関係者から馬車から追放し野原に捨てたと言っている」
「車輪自体が長距離用ではなく、耐久力も低いと。あくまで作物の集荷や王都内だけで使うように言いましたが」
「なんとでも言うがいい! 今頃全員ミイラにでもなっているだろう。私たちをこのような目に合わすからだ。ザマァみろ!」
ゼオンは嘲笑っていますが、肝心なことを見落としていますね。
もちろん彼に言うつもりはありませんが、少なくともサフランお姉様とザグロームは確実に生きているでしょう。
たとえ元家族であったとしても、国の大事な仲間を殺そうと動くような人たちを許すわけがありまえん。
とは言え……。
「厄介なことになっちゃいましたね……」
「そうだろう。貴様の困った顔を見れて私は幸せだよかっかっか!」
ゼオンは所詮何もできない状態なので放っておきましょう。
必要な情報だけ仕入れられましたので無視しておきます。
「さ、陛下。戻りましょう」
「おいおいリリーナよ! 私を無視するな! もっと困った顔をしろ!」
「全く困っていませんよ。この国の皆さんと一緒ならこれからもどんな困難があろうと戦えますからね」
「な……!」
皮肉めいた発言をするのは好きではありませんが、ゼオン相手には一言だけ言っておきたかったのです。
ライカル様を危険な目に合わせた行為がどうしても許せなかったので。
「くそう! 貴様ーーー!!」
牢屋の柵に両手を当てて壊そうとしていますが、人間の力では無理でしょう。
それだけ強度があるもので作られているのですから。
無視して監獄部屋から出ていきました。
♢
「ライカル様! 怪我は大丈夫ですか!?」
救護室にいるライカル様のことがとにかく心配だったので、陛下と別れすぐに駆けつけたのです。
「出血と思ったが、かすり傷だ。ここまで厳重に手当てはいらないと思ったのだが?」
「いえ、相手はずる賢いゼオンでしたから。万が一剣に毒でも塗られていたらすぐにでも解毒剤を作らないといけませんからね。もう少し安静にしていてください」
「よくそこまで予測できるな。私たちでは到底想像もつかない」
それは平和だったから仕方がないことだと思います。
今までのアルガルデ王国だったら、私でなくとも予測できる人間は多いんじゃないかと思うくらいですから。
「ところで、やはりリリーの家族はいなかったのか?」
私は首を縦に振りました。
「そうか……」
「未練はありませんので。ですが、少々厄介なことになりました。今後も引き続き検問所は稼働させていないといけませんね」
サフランお姉様とザグロームに関しては、実験的に作っていた秘薬を奪われて飲んでしまっているのです。
いわば光合成のような効果があり、何も食べなくとも生きていける状態になっているはずですから、時間をかければこの国まで歩いてくることも可能です。
あるいは遠くの国までも……。
一体今頃どこにいるのでしょうか。
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