60 / 71
第二章
60 魔導車
王宮の庭に一台の魔導車を設置しています。
試作車とはいえ、いつでも動かせる状態になったのでお披露目です。
「これが魔導車か……」
「まさかこんなに早く完成させてしまうとはな」
「いえ、ライカル様も陛下も私を褒めないで協力してくれた人たちを讃えてください。私は設計を教えただけですので」
陛下とライカル様は完成した魔導車を見て驚いています。
見た目は馬車とそんなに変わりはありませんが、車輪ではなくタイヤという大きい物に変わり、空気を詰め込んだことで車輪のようになるシステムを導入しました。
問題は空気が抜けていくので、道中で補給できるように空気入れも作ったのです。
他にも色々と新たな仕組みを駆使して制作したわけですが、全て説明するとキリがないのでここまでにしておきましょうか。
「これだけの規模のものを設計するリリーも素晴らしいと思うが」
「私一人では作成できませんでしたけどね」
「ところでこの魔導車には乗っても良いのかね?」
陛下が好奇心旺盛に聞いてきますが、ここは首を横に降ります。
「いえ、まだ危険が伴う可能性があるので、試運転が完了するまではご遠慮ください」
「まさか、その試運転はリリーがやるわけじゃないだろうな?」
ライカル様がとても心配そうな表情で尋ねてきました。
あぁ、私ってば少しミスをしましたね。
この流れで試運転をするのは私だと感づくのは無理もありません。
しかもライカル様は私のことをとても心配してくださっていますからね……。
「試運転は危険ではありません。ゆっくりと動かして動作不良がないか確認するだけですから」
「そうなのか……。ならば深くは追求しないが、ともかく命に関わることも、怪我を負うかもしれないようなこともできれば避けてほしい」
「ご心配ありがとうございます」
私自身に魔力はありませんし、動力が魔道具である以上はそんなに心配はしていません。
アクセルさえ強く踏み込まなければの話ですけどね。
今回最初に製造した魔導車は最大で時速百キロは超える仕組みになっています。
もちろん危険なので、最初のうちは最大速度を抑えたものを流通させる予定です。
魔導車の運転が慣れれば、いずれは今回のような試作品も世に出そうかと考えています。
ライカル様は今もなお心配した表情をしています。
「ライカル様、試運転の際一緒に乗ってみますか?」
「良いのか? もしも何かあれば私が命に変えてでもリリーを守る!!」
まるですぐに大事故を起こしそうな言い方には少し気になりましたが、ライカル様の可愛らしいところでもあります。
それに、それだけ私のことを心配してくれているのでむしろ喜ばしいと捉えておきましょうか。
「では試運転してみましょうか」
動力になる魔道具もモーター部分に設置しているので、後は私が運転席のハンドルを握りアクセルを踏み込めば動き出すはずです。
ライカル様は運転席の横にある助手席という場所に座りました。
「それでは発進します」
「う、うむ!」
私はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
試作車とはいえ、いつでも動かせる状態になったのでお披露目です。
「これが魔導車か……」
「まさかこんなに早く完成させてしまうとはな」
「いえ、ライカル様も陛下も私を褒めないで協力してくれた人たちを讃えてください。私は設計を教えただけですので」
陛下とライカル様は完成した魔導車を見て驚いています。
見た目は馬車とそんなに変わりはありませんが、車輪ではなくタイヤという大きい物に変わり、空気を詰め込んだことで車輪のようになるシステムを導入しました。
問題は空気が抜けていくので、道中で補給できるように空気入れも作ったのです。
他にも色々と新たな仕組みを駆使して制作したわけですが、全て説明するとキリがないのでここまでにしておきましょうか。
「これだけの規模のものを設計するリリーも素晴らしいと思うが」
「私一人では作成できませんでしたけどね」
「ところでこの魔導車には乗っても良いのかね?」
陛下が好奇心旺盛に聞いてきますが、ここは首を横に降ります。
「いえ、まだ危険が伴う可能性があるので、試運転が完了するまではご遠慮ください」
「まさか、その試運転はリリーがやるわけじゃないだろうな?」
ライカル様がとても心配そうな表情で尋ねてきました。
あぁ、私ってば少しミスをしましたね。
この流れで試運転をするのは私だと感づくのは無理もありません。
しかもライカル様は私のことをとても心配してくださっていますからね……。
「試運転は危険ではありません。ゆっくりと動かして動作不良がないか確認するだけですから」
「そうなのか……。ならば深くは追求しないが、ともかく命に関わることも、怪我を負うかもしれないようなこともできれば避けてほしい」
「ご心配ありがとうございます」
私自身に魔力はありませんし、動力が魔道具である以上はそんなに心配はしていません。
アクセルさえ強く踏み込まなければの話ですけどね。
今回最初に製造した魔導車は最大で時速百キロは超える仕組みになっています。
もちろん危険なので、最初のうちは最大速度を抑えたものを流通させる予定です。
魔導車の運転が慣れれば、いずれは今回のような試作品も世に出そうかと考えています。
ライカル様は今もなお心配した表情をしています。
「ライカル様、試運転の際一緒に乗ってみますか?」
「良いのか? もしも何かあれば私が命に変えてでもリリーを守る!!」
まるですぐに大事故を起こしそうな言い方には少し気になりましたが、ライカル様の可愛らしいところでもあります。
それに、それだけ私のことを心配してくれているのでむしろ喜ばしいと捉えておきましょうか。
「では試運転してみましょうか」
動力になる魔道具もモーター部分に設置しているので、後は私が運転席のハンドルを握りアクセルを踏み込めば動き出すはずです。
ライカル様は運転席の横にある助手席という場所に座りました。
「それでは発進します」
「う、うむ!」
私はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
あなたにおすすめの小説
『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』
六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。
王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。 数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。
そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。
「復讐? いいえ、これは正当な監査です」
リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。 孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。 やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
(完結)妹の婚約者である醜草騎士を押し付けられました。
ちゃむふー
恋愛
この国の全ての女性を虜にする程の美貌を備えた『華の騎士』との愛称を持つ、
アイロワニー伯爵令息のラウル様に一目惚れした私の妹ジュリーは両親に頼み込み、ラウル様の婚約者となった。
しかしその後程なくして、何者かに狙われた皇子を護り、ラウル様が大怪我をおってしまった。
一命は取り留めたものの顔に傷を受けてしまい、その上武器に毒を塗っていたのか、顔の半分が変色してしまい、大きな傷跡が残ってしまった。
今まで華の騎士とラウル様を讃えていた女性達も掌を返したようにラウル様を悪く言った。
"醜草の騎士"と…。
その女性の中には、婚約者であるはずの妹も含まれていた…。
そして妹は言うのだった。
「やっぱりあんな醜い恐ろしい奴の元へ嫁ぐのは嫌よ!代わりにお姉様が嫁げば良いわ!!」
※醜草とは、華との対照に使った言葉であり深い意味はありません。
※ご都合主義、あるかもしれません。
※ゆるふわ設定、お許しください。
お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~
柚木ゆず
恋愛
今日は私が、ラファオール伯爵家に嫁ぐ日。ついにハーオット子爵邸を出られる時が訪れましたので、これまで隠していたことをお伝えします。
お姉様たちは私を苦しめるために、私が苦手にしていたクロード様と政略結婚をさせましたよね?
ですがそれは大きな間違いで、私はずっとクロード様のことが――
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます
tartan321
恋愛
最後の結末は??????
本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。
「価値がない」と言われた私、隣国では国宝扱いです
ゆっこ
恋愛
「――リディア・フェンリル。お前との婚約は、今日をもって破棄する」
高らかに響いた声は、私の心を一瞬で凍らせた。
王城の大広間。煌びやかなシャンデリアの下で、私は静かに頭を垂れていた。
婚約者である王太子エドモンド殿下が、冷たい眼差しで私を見下ろしている。
「……理由を、お聞かせいただけますか」
「理由など、簡単なことだ。お前には“何の価値もない”からだ」