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26 ガルカ視点 借金まみれ
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予定は狂ったが、俺とレムは夫婦になれた。堂々とイチャつけるし、これほど幸せなことはない。
借金と倉庫生活さえ除けばだが……。
「レム、本当にこの大量の服は売れるのか?」
「ふっふーん、五万着くらい問題ないわよ。だって私のデザインでシェリルのやる気を失くさせたのよ! それくらい最高の出来ってことよ。早速明日売りに行くわよ」
「ふむ」
借金まみれなので、流石に家は長期で借りたり買うことができなかった。
仕事として使う倉庫での生活を余儀なくされている。
レムがいてくれて本当によかった。
現状、慰謝料が十億、服の仕入れ代が一億五千万、そして今住んでいる倉庫のレンタルと当面の生活費を全部合わせて合計十二億八千万の借金を背負っている。
レムの制作した服は知名度こそないが、口コミでどんどん広がり爆発的に売れるらしい。
「らしい」というのも、俺は全くもってファッションセンスがなく、良いのか悪いかの判断ができないのだ。
ここは完全にレム頼みとなる。
レムが自信を持っていうのだから、難なく借金も返済できるだろうから安心だ。
今日も、倉庫の中ではあるが、レムと夜通し親密な時間を過ごした。
♢
服を持てるだけ持ち、公園へやってきた。
ここはシェリルと住んでいた家に近くて嫌な気持ちにはなるが、路上販売する環境としては一番よかったのだ。
早速販売を始めるのだが、一向に売れない。
通りすがりの人がこちらを向いて服を見てくれるのだが、何故か良い顔をせずにそのまま通り過ぎていってしまうのだ。
「レム……どうなっている……嫌そうな顔をして去っていくようにしか見えないのだが……」
「大丈夫ー。一着二万とそれなりに高額だからねぇ。欲しかったけどお金が足りなかったから家に取りに帰ったのよきっと。ほらほら、あの変な格好しているお兄さんはこっちに興味津々に見ているじゃないの!」
振り向くと、王族のような服を着た男がこちらに向かってきた。
「ふむ、これは其方らのどちらかがデザインした服か?」
「そうですよー。私がデザインしましたの! とっても良いデザインでしょう?」
「そうか……うーむ……、これもコレクションになるからな……一着買おう」
おー、本当に売れた。しかも試着もせずに即購入とは。
やはりレムの言っていたことは本当のようだ。
「ところでデザインした君の名前を聞いておきたいのだが」
「はーい! レムって言います。こっちは旦那になったガルカですー。私達新婚ホヤホヤなんですよ」
気のせいだろうか。
一瞬だけこの男の目線が鋭くなって俺は睨まれた気がする……。
「成程……そうか……どおりで……」
ブツブツと独り言を小声で呟いていたが、よく聞き取れなかった。
「……納得がいく、ふむふむ……よし、ではもう二着追加で購入しよう」
驚いた。まさか三着も購入してくれるとは……。
「「ありがとうございます」」
さすがレムだ。よし、これならば初日にしてはいい傾向だろう。
……と、思っていたのだが、結局そのあとは全く売れず、最終的に三着の売り上げでこの日は終了した。
「レム、このペースではまずいと思うのだが……」
「大丈夫ー。だって、知名度が上がればいいの。今日買ってくれた人は服装はダサかったけど、おそらく貴族の人間よ。しかも三着買ったんだし、意図があるはず。あの人からの口コミで今後どんどん客が増えていくから」
レムは天才なのか。そこまで先読みできる人間だったとは。
何も心配することはなかったのだ。
レムに付いていけば間違いはない。
「今日は初日だし、売り上げの六万でパーーーーっとおいしいものでも食べいく? それとも、一晩泊まりに行く?」
「両方がいい」
俺たちは浮かれてその日のうちに全額使ってしまった。
--------------------------
【後書き】
読んでいただきありがとうございます。
本日投稿した新作のお知らせです。
新作『旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました』
こちらも宜しくお願い致します。
借金と倉庫生活さえ除けばだが……。
「レム、本当にこの大量の服は売れるのか?」
「ふっふーん、五万着くらい問題ないわよ。だって私のデザインでシェリルのやる気を失くさせたのよ! それくらい最高の出来ってことよ。早速明日売りに行くわよ」
「ふむ」
借金まみれなので、流石に家は長期で借りたり買うことができなかった。
仕事として使う倉庫での生活を余儀なくされている。
レムがいてくれて本当によかった。
現状、慰謝料が十億、服の仕入れ代が一億五千万、そして今住んでいる倉庫のレンタルと当面の生活費を全部合わせて合計十二億八千万の借金を背負っている。
レムの制作した服は知名度こそないが、口コミでどんどん広がり爆発的に売れるらしい。
「らしい」というのも、俺は全くもってファッションセンスがなく、良いのか悪いかの判断ができないのだ。
ここは完全にレム頼みとなる。
レムが自信を持っていうのだから、難なく借金も返済できるだろうから安心だ。
今日も、倉庫の中ではあるが、レムと夜通し親密な時間を過ごした。
♢
服を持てるだけ持ち、公園へやってきた。
ここはシェリルと住んでいた家に近くて嫌な気持ちにはなるが、路上販売する環境としては一番よかったのだ。
早速販売を始めるのだが、一向に売れない。
通りすがりの人がこちらを向いて服を見てくれるのだが、何故か良い顔をせずにそのまま通り過ぎていってしまうのだ。
「レム……どうなっている……嫌そうな顔をして去っていくようにしか見えないのだが……」
「大丈夫ー。一着二万とそれなりに高額だからねぇ。欲しかったけどお金が足りなかったから家に取りに帰ったのよきっと。ほらほら、あの変な格好しているお兄さんはこっちに興味津々に見ているじゃないの!」
振り向くと、王族のような服を着た男がこちらに向かってきた。
「ふむ、これは其方らのどちらかがデザインした服か?」
「そうですよー。私がデザインしましたの! とっても良いデザインでしょう?」
「そうか……うーむ……、これもコレクションになるからな……一着買おう」
おー、本当に売れた。しかも試着もせずに即購入とは。
やはりレムの言っていたことは本当のようだ。
「ところでデザインした君の名前を聞いておきたいのだが」
「はーい! レムって言います。こっちは旦那になったガルカですー。私達新婚ホヤホヤなんですよ」
気のせいだろうか。
一瞬だけこの男の目線が鋭くなって俺は睨まれた気がする……。
「成程……そうか……どおりで……」
ブツブツと独り言を小声で呟いていたが、よく聞き取れなかった。
「……納得がいく、ふむふむ……よし、ではもう二着追加で購入しよう」
驚いた。まさか三着も購入してくれるとは……。
「「ありがとうございます」」
さすがレムだ。よし、これならば初日にしてはいい傾向だろう。
……と、思っていたのだが、結局そのあとは全く売れず、最終的に三着の売り上げでこの日は終了した。
「レム、このペースではまずいと思うのだが……」
「大丈夫ー。だって、知名度が上がればいいの。今日買ってくれた人は服装はダサかったけど、おそらく貴族の人間よ。しかも三着買ったんだし、意図があるはず。あの人からの口コミで今後どんどん客が増えていくから」
レムは天才なのか。そこまで先読みできる人間だったとは。
何も心配することはなかったのだ。
レムに付いていけば間違いはない。
「今日は初日だし、売り上げの六万でパーーーーっとおいしいものでも食べいく? それとも、一晩泊まりに行く?」
「両方がいい」
俺たちは浮かれてその日のうちに全額使ってしまった。
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【後書き】
読んでいただきありがとうございます。
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こちらも宜しくお願い致します。
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