【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥

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53 早速捕まった

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「おはようございますシェリル様。早朝から申し訳ございませんが、大事な報告があります」
「どうかしましたか?」

 新しく配属してもらっている王宮直属の警備からの挨拶。
 その人から報告といえば考えられることは一つしかないだろう……。

「実は昨晩、この家に侵入者が現れまして、捕らえた状態です」
「あぁ……やはりそうですか。怪我はありませんでしたか!?」
「はい。お気遣いありがとうございます。ですが、どうやら侵入した者はシェリル様と知り合いのようで……」

 この家に侵入をする人間で知り合いと言ったらほぼ絞られる……。いや、想像できる人物はわずか二人しかいない。

「捕らえたまま今はどこにいるのですか?」
「外庭の倉庫に一旦拘束中です。今後専用の牢屋も必要かもしれませんな……」

 私は大きなため息を吐きながら、念のためにパンドラと一緒に侵入者の元へと向かった。
 誰だか概ね確定している時点で、緊張感はほぼ無いに等しい。

 そういう意味では、一番最初に捕われてくれた人物に感謝すべきだろうか。



「おい、シェリル! 俺は元夫なんだからここから早く出せ!」
「シェリルさん! 私はあなたの弟子でしょう!? すぐに解放するべきですよ!」

 やはりガルカとレムだった。
 毎度会うたびに浴びせられる刺々しい言葉にはウンザリだ。

 このまま警備兵に突き出せば確実に処刑になるだろうから、念のために最後の情けとして聞いておくことにしよう。

「なんで夜中に侵入したのですか?」
「違うぞ! 俺は侵入ではなく正攻法で入ったまでだ。ほら、合鍵! これで正面の入り口からドアを開けて入る予定だったのだ。なのに、鍵を使う前に庭で警備兵に捕まってしまった」

「元夫でしょう? 家に入るだけなのになぜ捕まらなければいけないのかしら? あなたの警備兵の教育がなってないんじゃないの?」

 まだ我慢はできる……。
 パンドラは限界のようだけど、もうちょっと我慢してね。

「合鍵なんて聞いていません。しっかりと裁判のときに何故返却しなかったのです!? それに正攻法ならば、普通は昼でしょう」
「いや、違うんだ。合鍵を持っていたことを忘れていて、それを返そうと思って……」
「……本当なら警備兵に渡せば済むでしょ?」
「あ……だっていきなり捕まれば気が動転してしまう」

 茶番劇はここまでにしようか……。
 やはり聞いていて不快だった。


「ガルカ、レム。これは最後の警告です。このまま警備兵に突き出したらあなたたちは間違いなく処刑されます」
「「は!?」」
 二人とも驚きながら顔が真っ青になっている。
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