【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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【オズマ視点1】

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「あーよかったわ! ライアンったら私たちのお金の振る舞いに負けてあっさりと婚約解消を認めてしまうんだもの」

「俺も助かった。ミーナと婚約ができて両親も喜ばれている。だが、まだミーナのご両親に挨拶していないが、本当に家一軒建てられるほどの資金援助をしてくれるのか!?」

「もっちろん! なにせ、私ん家は大金持ちなのよ。ライアン家も大出世したみたいだけど、あんなの大したことないし。それに、私だってオズマのことを好きだったのに婚約が決まってたら手出しできなかったのが悔しかったのよ!!」

 ミーナが俺のことをずっと好きでいてくれたのには驚いた。
 俺とライアンとミーナは近所の幼なじみで初めは仲良くしていたんだがな。
 いつの日か意見がバラバラになってしまった。

 元はと言えばライアン一家の急な出世が原因だろう。
 何故ライアンたちだけが裕福になるんだ!?
 俺の家は貧乏貴族のままだというのに。
 それを妬み、両親からもライアンとの婚約があるのだから、資金援助をもらうように頼まれていた。
 だが、それをライアンたちは良く思ってくれなかったのだ。

 しかし、ミーナは違った。
 小さい頃から金遣いが荒かったのも原因だろうが、ミーナと結婚すれば金に困ることはないと思うようになっていたのだ。
 結果、勝利を掴めた。

「ま、これで丸くおさまったわけだ。やはり好きな者同士で結婚できる方が幸せになれるだろう」

 正直いうと、ミーナのことは可愛いとは思うがそこまで好きではない。
 どちらかというとライアンの方が好きなのだ。
 だが、やはり世の中はお金で全てが決まる。
 ドケチなライアンよりも、大盤振る舞いなミーナと一緒にいる方が安泰だし何よりも両親が喜ぶ。

「まぁ今だから言えるけど、最初は侯爵家のサバス様に縁談を申し込んではいたんだけどね」
「はっはっは……気でも狂っていたのか? あれほど人気で地位も名誉もあるお方に声をかけようとするなんて無謀すぎるだろう」

 笑える冗談だ。
 今まで誰の縁談も受け付けようとしなかったあのお方に挑戦しようとしていたとは笑える。
 身近の人間で縁談が決まりでもしたら、俺がその分どん底人生になったって構わないさ。
 それくらいに、無茶で有り得ない話なのだから。

「もう、夢くらい見させてよね」

 ミーナとは会話も弾むし楽しいかもしれない。
 あとはさっさと結婚して財産を分けてもらって、使用人を雇ったうえで、俺は働かずにのんびりとだらだらと生活できればそれで良い。
 こちらの方が現実的だよな。

♦︎※

 後日、あっさりと婚約は正式に決まり、物凄い速さでスピード婚が成立した。
 向こう側のご両親も早く結婚してほしいという願望が強かったのだ。
 そんなに財産を分け与えるのを楽しみにしてくれていたなんて、なんという懐の優しい方々なのだろう。

 と、俺も俺の両親もそう思っていた。

「オズマに謝らなければいけないことがあるの……」
「どうした? まだ結婚して三日目だぞ? 何か悪いことでもあったのか?」
「うん、実は、家一軒建てられるくらいのお金の援助の話、ダメになっちゃったの」
「な!?」

 身体中が固まってしまった。
 一体ミーナのご両親に何があったというのだ!?
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