29 / 87
23 マーレット様主催のお茶会に招待された2
しおりを挟む
「もちろん今までのことだって謝罪いたしますわ。子爵家が男爵家などと深く付き合えば低レベルな貴族と関わったことでバカにされますもの。子爵以上の階級になると、そういう風習がありますから」
「そうだったんですね……」
噂でしか聞いたことがなかったので事実かどうかは謎だった。
でもサバス様はそのような感じではなかったし、一部の人間だけがそういう雰囲気になっているんじゃないだろうかとは思うが。
「でも、それを無視してでもあなたとは仲良くなりたいと思ったんです! 先日の舞踏会で!」
「ありがとうございます。でも、あの日マーレット様と挨拶はしたと思いますけど、それ以外に何かしましたっけ……?」
「ライアンさんなのでしょう? 舞踏会のテーブルに並んでいたクッキー作られたのは」
お父様からメニューが足りないから作れと命じられていたので、クッキーとケーキは私が用意したっけ。
「そうですけど、クッキーと何か関係が?」
「美味しすぎたのですわ!! 感動して、誰が作ったのか聞きましたもの。そうしたら、ライアンさんだと知りましたわ。また食べたいんです!」
お菓子目当てかよ……。
マーレット様の性格ならわからなくもない。
だが、文句など全くなく、私は笑みを浮かべてマーレット様の手を握った。
「ちょ……なんでしゅか?」
「ありがとうございます!! 私の作ったクッキーをそこまでして喜んでいただけて嬉しいんです! また作りますので、今度は是非我が家にも遊びにいらしてください!」
顔が真っ赤になっているマーレット様が可愛らしい。
私が王族になっても、民衆になったとしても、自分の好きなことをこれだけ褒めてくださり、必死になって作った主を探してくれたという行為が何よりも嬉しかった。
「ま……まぁライアンさんがどうしてもって言うなら男爵家に行ってあげてもいいですわ……。そ、そのかわり、クッキー絶対用意してもらいますわよ?」
「はい、焼き立てでご用意しますね!」
マーレット様が今までに私に見せたことのないような笑みを浮かべてくれた。
私はこのとき、上位貴族で初めての女の子の友達ができたのだった。
さっきまでは気がつかなかったのだが、マーレット様が私に対して常に敬語を使ってくれている。
きっと、貴族関係抜きにして対等に話してくださっている証拠なのだろう。
マーレット様のことを『あんたなんか一度ゴキブリの大群と一緒に水浴びでもしていなさい!』などと思うようなことは二度とないだろう。
今思えば、サバス様とレストランでのできごとすら笑い話にできてしまいそうなくらいだ。
マーレット様とはそういう関係になったのだが、それだけで止まらなかったのである。
「マーレットさんだけずるいですよ! 私もライアンさんが作るクッキー食べたいです!」
「ちょっと! まさか伯爵家令嬢の私を差し置いてそんなに面白そうなことをしようとしているので!? 私も招待しなさい!」
「舞踏会で出ていたクッキー、ライアンさんが作ったんですね。感動しました。今後は私ともぜひ仲良くして欲しいものです」
「へ……?」
最初はぼっちだった私のところに全員が集まってくるようになった。
サバス様が命じたから、私のことを変に言わないようにしてくれているというわけではなさそうだ。
もしそうなら、無理に関わろうとはしてこないはずだから。
むしろ、マーレット様との会話のおかげでこんなに嬉しい展開にしてくれたのだろう。
この日、マーレット様のおかげで上位貴族の同年代女性とお近づきになることができた。
「マーレット様、ご招待いただき本当に感謝しています。ありがとうございます!」
「べ……べつに感謝することでもないですわよ……。それよりも、あなたのクッキーが人気すぎて私の分減っちゃったら困りますわよ。しっかりと作ってもらいますからね」
マーレット様とお近づきになってわかったこと。
彼女はツンデレだったのか……。
「そうだったんですね……」
噂でしか聞いたことがなかったので事実かどうかは謎だった。
でもサバス様はそのような感じではなかったし、一部の人間だけがそういう雰囲気になっているんじゃないだろうかとは思うが。
「でも、それを無視してでもあなたとは仲良くなりたいと思ったんです! 先日の舞踏会で!」
「ありがとうございます。でも、あの日マーレット様と挨拶はしたと思いますけど、それ以外に何かしましたっけ……?」
「ライアンさんなのでしょう? 舞踏会のテーブルに並んでいたクッキー作られたのは」
お父様からメニューが足りないから作れと命じられていたので、クッキーとケーキは私が用意したっけ。
「そうですけど、クッキーと何か関係が?」
「美味しすぎたのですわ!! 感動して、誰が作ったのか聞きましたもの。そうしたら、ライアンさんだと知りましたわ。また食べたいんです!」
お菓子目当てかよ……。
マーレット様の性格ならわからなくもない。
だが、文句など全くなく、私は笑みを浮かべてマーレット様の手を握った。
「ちょ……なんでしゅか?」
「ありがとうございます!! 私の作ったクッキーをそこまでして喜んでいただけて嬉しいんです! また作りますので、今度は是非我が家にも遊びにいらしてください!」
顔が真っ赤になっているマーレット様が可愛らしい。
私が王族になっても、民衆になったとしても、自分の好きなことをこれだけ褒めてくださり、必死になって作った主を探してくれたという行為が何よりも嬉しかった。
「ま……まぁライアンさんがどうしてもって言うなら男爵家に行ってあげてもいいですわ……。そ、そのかわり、クッキー絶対用意してもらいますわよ?」
「はい、焼き立てでご用意しますね!」
マーレット様が今までに私に見せたことのないような笑みを浮かべてくれた。
私はこのとき、上位貴族で初めての女の子の友達ができたのだった。
さっきまでは気がつかなかったのだが、マーレット様が私に対して常に敬語を使ってくれている。
きっと、貴族関係抜きにして対等に話してくださっている証拠なのだろう。
マーレット様のことを『あんたなんか一度ゴキブリの大群と一緒に水浴びでもしていなさい!』などと思うようなことは二度とないだろう。
今思えば、サバス様とレストランでのできごとすら笑い話にできてしまいそうなくらいだ。
マーレット様とはそういう関係になったのだが、それだけで止まらなかったのである。
「マーレットさんだけずるいですよ! 私もライアンさんが作るクッキー食べたいです!」
「ちょっと! まさか伯爵家令嬢の私を差し置いてそんなに面白そうなことをしようとしているので!? 私も招待しなさい!」
「舞踏会で出ていたクッキー、ライアンさんが作ったんですね。感動しました。今後は私ともぜひ仲良くして欲しいものです」
「へ……?」
最初はぼっちだった私のところに全員が集まってくるようになった。
サバス様が命じたから、私のことを変に言わないようにしてくれているというわけではなさそうだ。
もしそうなら、無理に関わろうとはしてこないはずだから。
むしろ、マーレット様との会話のおかげでこんなに嬉しい展開にしてくれたのだろう。
この日、マーレット様のおかげで上位貴族の同年代女性とお近づきになることができた。
「マーレット様、ご招待いただき本当に感謝しています。ありがとうございます!」
「べ……べつに感謝することでもないですわよ……。それよりも、あなたのクッキーが人気すぎて私の分減っちゃったら困りますわよ。しっかりと作ってもらいますからね」
マーレット様とお近づきになってわかったこと。
彼女はツンデレだったのか……。
48
あなたにおすすめの小説
幼なじみと再会したあなたは、私を忘れてしまった。
クロユキ
恋愛
街の学校に通うルナは同じ同級生のルシアンと交際をしていた。同じクラスでもあり席も隣だったのもあってルシアンから交際を申し込まれた。
そんなある日クラスに転校生が入って来た。
幼い頃一緒に遊んだルシアンを知っている女子だった…その日からルナとルシアンの距離が離れ始めた。
誤字脱字がありますが、読んでもらえたら嬉しいです。
更新不定期です。
よろしくお願いします。
諦めていた自由を手に入れた令嬢
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢シャーロットは婚約者であるニコルソン王太子殿下に好きな令嬢がいることを知っている。
これまで二度、婚約解消を申し入れても国王夫妻に許してもらえなかったが、王子と隣国の皇女の婚約話を知り、三度目に婚約解消が許された。
実家からも逃げたいシャーロットは平民になりたいと願い、学園を卒業と同時に一人暮らしをするはずが、実家に知られて連れ戻されないよう、結婚することになってしまう。
自由を手に入れて、幸せな結婚まで手にするシャーロットのお話です。
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
わたしのことはお気になさらず、どうぞ、元の恋人とよりを戻してください。
ふまさ
恋愛
「あたし、気付いたの。やっぱりリッキーしかいないって。リッキーだけを愛しているって」
人気のない校舎裏。熱っぽい双眸で訴えかけたのは、子爵令嬢のパティだ。正面には、伯爵令息のリッキーがいる。
「学園に通いはじめてすぐに他の令息に熱をあげて、ぼくを捨てたのは、きみじゃないか」
「捨てたなんて……だって、子爵令嬢のあたしが、侯爵令息様に逆らえるはずないじゃない……だから、あたし」
一歩近付くパティに、リッキーが一歩、後退る。明らかな動揺が見えた。
「そ、そんな顔しても無駄だよ。きみから侯爵令息に言い寄っていたことも、その侯爵令息に最近婚約者ができたことも、ぼくだってちゃんと知ってるんだからな。あてがはずれて、仕方なくぼくのところに戻って来たんだろ?!」
「……そんな、ひどい」
しくしくと、パティは泣き出した。リッキーが、うっと怯む。
「ど、どちらにせよ、もう遅いよ。ぼくには婚約者がいる。きみだって知ってるだろ?」
「あたしが好きなら、そんなもの、解消すればいいじゃない!」
パティが叫ぶ。無茶苦茶だわ、と胸中で呟いたのは、二人からは死角になるところで聞き耳を立てていた伯爵令嬢のシャノン──リッキーの婚約者だった。
昔からパティが大好きだったリッキーもさすがに呆れているのでは、と考えていたシャノンだったが──。
「……そんなにぼくのこと、好きなの?」
予想もしないリッキーの質問に、シャノンは目を丸くした。対してパティは、目を輝かせた。
「好き! 大好き!」
リッキーは「そ、そっか……」と、満更でもない様子だ。それは、パティも感じたのだろう。
「リッキー。ねえ、どうなの? 返事は?」
パティが詰め寄る。悩んだすえのリッキーの答えは、
「……少し、考える時間がほしい」
だった。
※この作品は、小説家になろう様にも掲載しています。
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
「帰ったら、結婚しよう」と言った幼馴染みの勇者は、私ではなく王女と結婚するようです
しーしび
恋愛
「結婚しよう」
アリーチェにそう約束したアリーチェの幼馴染みで勇者のルッツ。
しかし、彼は旅の途中、激しい戦闘の中でアリーチェの記憶を失ってしまう。
それでも、アリーチェはルッツに会いたくて魔王討伐を果たした彼の帰還を祝う席に忍び込むも、そこでは彼と王女の婚約が発表されていた・・・
【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ
水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。
ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。
なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。
アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。
※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います
☆HOTランキング20位(2021.6.21)
感謝です*.*
HOTランキング5位(2021.6.22)
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる