【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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43 陛下と対談1

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 王宮のサバス様専用個室へ顔を出す。
 今日もここでクッキーを焼いてサバス様に召し上がっていただく予定だ。
 作りながら、サバス様が今何しているのかなぁと何度か顔を眺めていた。

「最近私の顔を見てくれるようになったな」
「やっと……緊張を克服してきましたので。今までなかなか見れなくてごめんなさい」

 何度もお会いして、私が必死になって顔を見ても気絶しないようにする努力をしてきた結果、ついに……ついに!!

 サバス様のお顔を直視しても数秒は耐えられるようになった!!

 だが勘違いしないでほしい。
 私がサバス様に対する愛が低下したわけではないのだ。
 むしろ前よりも好きになっている。

「気にするな。だが、不思議だ……。世の女性は皆私の顔を見ようとしない。視線を避けてくるのだよ」

 当たり前だ。
 サバス様は相変わらず、自分の美顔に気がついていない。
 母親である、歌手のアリアことダリア様は自分の外見のことは理解していて、外ではアリアの姿に変装しているというのに。

「サバス様はカッコ良すぎるのです」
「そこまで褒めなくとも良いのだ。私などせいぜい中の下くらいだろう」

 自分の顔を鏡で見たことないのかよ!
 サバス様が中の下ならば、世の中の男は全員下の下で統一されてしまうから!

「今までは皆が私のことを見ると吐くくらい気持ち悪くなると思っていた。だから顔を合わせないようにしているのかと……。だが、ライアンと付き合うようになってからそうではないと気づいたのだ」
「そうでしたか……それなら良かったですよ」

「私が王族だからと緊張しているのだな」
「全くわかってませんね!」

 最近、会話で私がツッコミ役のような立場になることが多い。
 それだけサバス様とはお近づきになって、仲良くなれたと思っている。
 もちろん、公の場や他の人がいるときはサバス様を立てるようにしているが。

「今日はライアンのクッキーをいただいたら、連れて行きたいところがある」
「そうですか。私はどこへでもついて行きますよ」
「陛下のところだ」
「何かあるのですか?」
「あぁ、会えばわかる」

 会わなくても、なんとなくわかる。
 きっとオズマとミーナのことだ。

 幼馴染ということで、経過報告のようなことをしてくださっているのだろうか。
 普通じゃ考えられないが、サバス様と婚約中だし、加えてお父様が陛下に気に入られているからなのかもしれない。

 窃盗疑惑だったっけ……。

 ミーナならやり兼ねないからな……。
 オズマがしっかりと阻止していたのならいいんだけど。

 クッキーが焼き上がり、出来立てをサバス様に召し上がっていただく。
 本来は冷ましてから食べるんだけど、サバス様は出来立ての熱々クッキーが好きらしい。

「いつも私のためにありがとう」
「いえ、こんなことで喜んでいただけるのなら毎日でもお作りしますよ」
「年中無休で食べても飽きることはなさそうだ」

 いや、それは言い過ぎだろう。
 でも大丈夫!
 次回のクッキーは味付けを変えてみようかと思っているのだ。
 サバス様の口にあえばいいんだけど。

 クッキーを食べ終え、私とサバス様は陛下の元へと向かった。
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