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25 ハーベスト視点(後編)
シャロンと結婚して十年経った。
ようやく慰謝料を全て支払うことができたのだ。
「長かった……これでようやくシャロンと共に平和な生活を迎えられるのだ」
「えぇ……もう身体はボロボロだけれど、最後まで一緒にいてくれたこと……感謝しますわ。ハーベスト様、これからも私のことを愛してくれます?」
「当然だろう。これからも国からの強制労働は続くが、最低限の生活を送れる分だけ稼げれば良いのだし、ようやく家を持てるかもしれん」
ようやく普通の生活ができると思っていた。貧民街から脱出して昔のような生活ができるだろうと。
だが……。
「ハーベスト、今後は奴隷国家の元で奴隷人として働いてもらうので出国の手続きを開始する。シャロン、君は別の国で身体を売る仕事を行ってもらう。喜べ。これでようやく国からの罰を全うできるのだからな」
声も出なかった。
俺たちがようやく一緒になれるかと思えば、別々になってしまうじゃないか。
国からの強制労働には逆らうことができない。
「期限はどのくらいですか?」
「何をバカなことを言っているのだ? 無期限に決まっている」
「「は!?」」
「今まではジュリエル様への支払いを尊重し、極々簡単な仕事だけを与えた。こんなことでは五百年働いても足りないに決まっているだろ!?」
なんということだ。今までの地獄のような生活の方がまだマシではないか。
「捕えろ」
容赦無く俺もシャロンも捕まってしまい、今になってようやく現実を知った。
シャロンの罪の重さをジュリエルは知っていたから、何度も俺に警告してくれたのだろう……。
あの時に戻れればこんな地獄を味わうこともなかったのに。
俺はシャロンに挨拶をすることもできずに、連行されてしまった。
こんなことになるならば鉱山の方がはるかにマシだった気がする……。
「おい、離せ! 全てはジュリエルのせいだ。あの女がしっかりとシャロンが仮病だと教えてくれなかったからいけないのだ。私は被害者なんだぞ!」
警備も兵士も誰一人として私の話を聞こうとしない。
くそう……どいつもこいつも騙されやがって……。
散々文句を言ったが、ついに他国へ出向する船が到着してしまった。
ようやく慰謝料を全て支払うことができたのだ。
「長かった……これでようやくシャロンと共に平和な生活を迎えられるのだ」
「えぇ……もう身体はボロボロだけれど、最後まで一緒にいてくれたこと……感謝しますわ。ハーベスト様、これからも私のことを愛してくれます?」
「当然だろう。これからも国からの強制労働は続くが、最低限の生活を送れる分だけ稼げれば良いのだし、ようやく家を持てるかもしれん」
ようやく普通の生活ができると思っていた。貧民街から脱出して昔のような生活ができるだろうと。
だが……。
「ハーベスト、今後は奴隷国家の元で奴隷人として働いてもらうので出国の手続きを開始する。シャロン、君は別の国で身体を売る仕事を行ってもらう。喜べ。これでようやく国からの罰を全うできるのだからな」
声も出なかった。
俺たちがようやく一緒になれるかと思えば、別々になってしまうじゃないか。
国からの強制労働には逆らうことができない。
「期限はどのくらいですか?」
「何をバカなことを言っているのだ? 無期限に決まっている」
「「は!?」」
「今まではジュリエル様への支払いを尊重し、極々簡単な仕事だけを与えた。こんなことでは五百年働いても足りないに決まっているだろ!?」
なんということだ。今までの地獄のような生活の方がまだマシではないか。
「捕えろ」
容赦無く俺もシャロンも捕まってしまい、今になってようやく現実を知った。
シャロンの罪の重さをジュリエルは知っていたから、何度も俺に警告してくれたのだろう……。
あの時に戻れればこんな地獄を味わうこともなかったのに。
俺はシャロンに挨拶をすることもできずに、連行されてしまった。
こんなことになるならば鉱山の方がはるかにマシだった気がする……。
「おい、離せ! 全てはジュリエルのせいだ。あの女がしっかりとシャロンが仮病だと教えてくれなかったからいけないのだ。私は被害者なんだぞ!」
警備も兵士も誰一人として私の話を聞こうとしない。
くそう……どいつもこいつも騙されやがって……。
散々文句を言ったが、ついに他国へ出向する船が到着してしまった。
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