25 / 33
25
しおりを挟む
はじめての転移=瞬間移動は不思議な感覚でした。
今まで神様の手によって転移したときはどちらも意識を失っていて、気がついたらその場所にいたというもの。
今回は、意識があるため、いきなり違う場所の視界が入ってくる感じで、ちょっと気持ち悪くもなってしまいましたね。
何回か転移を繰り返せば慣れてくるとは思います。
おっと、そんなことは今はどうでも良いんです。
不本意ではありますが、ブブルル王国の王宮内部へ転移しました。
そこしか意識して移動できる場所がなかったため、いたしかたなく。
すでに全員避難しているようで、王宮内分はガランとしたもぬけの殻状態です。
ますます上級モンスター出現の信憑性が増したというわけですね。
誰もいないという状況はむしろラッキーで、王宮内をスイスイ進むことができ、あっという間に王宮の外へ出ました。
外を見ると、この位置からでもわかるくらいにとんでもなく巨大な怪物が真っ直ぐブブルル王国王都を目指して進んでいます。
ただし、空は飛んでおらず、地面をゆっくりと歩いているようです。
見た目はラノベでよく見るようなドラゴン。ただし、想定していたものよりも巨大で、その大きさは飛行機くらいのサイズはあるのではないかと……。
「こんなのとどうやって戦えば良いの……?」
途方に暮れながらも、ドラゴンに向かって走ります。
進行速度を高速にする覚えたての、『ダッシュ』という空属性魔法を発動させてから。
「神様に感謝しなきゃね」
脳内には知らなかった魔法がいくつも入っていたのです。
おかげで、初めてでも発動方法や効果も最初から知っていたかのように発動ができました。
まるで自分が新幹線にでも乗っているかのようなスピードで走ることができ、あっというまに王都の外へ出て、モンスターのすぐそばまで近づくことができました。
使ったことなんてありませんが、念のために騎士団が使う刀を持ってきました。
「……うん、持ってきても意味がなかったよね」
仮に刀で貫くことができても、人間で言えば蜂の針に刺された程度でしょう……。
それくらいに上級モンスター=ドラゴンは巨大なのです。
強力な毒が付与されている刀なんてものがあれば良いのですが、生憎この世界には付与効果がある刀は今のところ存在していないようでして。
ドラゴンは、私のことにまだ気がついていないようで、真っ直ぐに王都へ向かっています。
しかし、突然ドラゴンが止まったのです。
――コォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!
「え? ちょっと待って。そんなのずるい!!」
私が大声で叫ぶものの、ドラゴンは全く気がつく様子もなかったのです。
ドラゴンの体内から口を通して発動されたエネルギー砲のようなブレスは、ブブルル王国王都に向けられ放たれてしまいました。
そして、あっという間のできごとです……。
――ズゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオン……………………!!!!
「うわぁ……わわわわわわ!!」
このあたり一帯が立っていられないほどの地震が襲います。
それもそのはずで、それだけドラゴンの放ったブレスが強力で、地面が大きく揺れるほどだったのです。
そして、被害にあった王都が炎で包まれていたのです。
それだけでは止まらず、ドラゴンが放ったブレスは王都を貫通してその先に見える大きな山に衝突。山の一部が吹き飛んでしまいました。
「嘘でしょ!? あんな威力のあるエネルギーが直撃したら、絶対に助からないでしょう……」
神様は大丈夫だとお墨付きで言っていましたが、心配になってきました。
どちらにしても、私の指名は聖女としてモンスターを生まれさせないのが役目。
つまり、出現してしまったモンスターはなんとかして退治しなければならないのです。
逃げるわけにはいきません。身体中ガタガタと震えていて恐怖で動けないけれど。
私は覚悟を決めます。
今まで神様の手によって転移したときはどちらも意識を失っていて、気がついたらその場所にいたというもの。
今回は、意識があるため、いきなり違う場所の視界が入ってくる感じで、ちょっと気持ち悪くもなってしまいましたね。
何回か転移を繰り返せば慣れてくるとは思います。
おっと、そんなことは今はどうでも良いんです。
不本意ではありますが、ブブルル王国の王宮内部へ転移しました。
そこしか意識して移動できる場所がなかったため、いたしかたなく。
すでに全員避難しているようで、王宮内分はガランとしたもぬけの殻状態です。
ますます上級モンスター出現の信憑性が増したというわけですね。
誰もいないという状況はむしろラッキーで、王宮内をスイスイ進むことができ、あっという間に王宮の外へ出ました。
外を見ると、この位置からでもわかるくらいにとんでもなく巨大な怪物が真っ直ぐブブルル王国王都を目指して進んでいます。
ただし、空は飛んでおらず、地面をゆっくりと歩いているようです。
見た目はラノベでよく見るようなドラゴン。ただし、想定していたものよりも巨大で、その大きさは飛行機くらいのサイズはあるのではないかと……。
「こんなのとどうやって戦えば良いの……?」
途方に暮れながらも、ドラゴンに向かって走ります。
進行速度を高速にする覚えたての、『ダッシュ』という空属性魔法を発動させてから。
「神様に感謝しなきゃね」
脳内には知らなかった魔法がいくつも入っていたのです。
おかげで、初めてでも発動方法や効果も最初から知っていたかのように発動ができました。
まるで自分が新幹線にでも乗っているかのようなスピードで走ることができ、あっというまに王都の外へ出て、モンスターのすぐそばまで近づくことができました。
使ったことなんてありませんが、念のために騎士団が使う刀を持ってきました。
「……うん、持ってきても意味がなかったよね」
仮に刀で貫くことができても、人間で言えば蜂の針に刺された程度でしょう……。
それくらいに上級モンスター=ドラゴンは巨大なのです。
強力な毒が付与されている刀なんてものがあれば良いのですが、生憎この世界には付与効果がある刀は今のところ存在していないようでして。
ドラゴンは、私のことにまだ気がついていないようで、真っ直ぐに王都へ向かっています。
しかし、突然ドラゴンが止まったのです。
――コォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!
「え? ちょっと待って。そんなのずるい!!」
私が大声で叫ぶものの、ドラゴンは全く気がつく様子もなかったのです。
ドラゴンの体内から口を通して発動されたエネルギー砲のようなブレスは、ブブルル王国王都に向けられ放たれてしまいました。
そして、あっという間のできごとです……。
――ズゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオン……………………!!!!
「うわぁ……わわわわわわ!!」
このあたり一帯が立っていられないほどの地震が襲います。
それもそのはずで、それだけドラゴンの放ったブレスが強力で、地面が大きく揺れるほどだったのです。
そして、被害にあった王都が炎で包まれていたのです。
それだけでは止まらず、ドラゴンが放ったブレスは王都を貫通してその先に見える大きな山に衝突。山の一部が吹き飛んでしまいました。
「嘘でしょ!? あんな威力のあるエネルギーが直撃したら、絶対に助からないでしょう……」
神様は大丈夫だとお墨付きで言っていましたが、心配になってきました。
どちらにしても、私の指名は聖女としてモンスターを生まれさせないのが役目。
つまり、出現してしまったモンスターはなんとかして退治しなければならないのです。
逃げるわけにはいきません。身体中ガタガタと震えていて恐怖で動けないけれど。
私は覚悟を決めます。
77
あなたにおすすめの小説
偽聖女の汚名を着せられ婚約破棄された元聖女ですが、『結界魔法』がことのほか便利なので魔獣の森でもふもふスローライフ始めます!
南田 此仁@書籍発売中
恋愛
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人であると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」
■この三連休で完結します。14000文字程度の短編です。
【完結】聖女の私は利用されていた ~妹のために悪役令嬢を演じていたが、利用されていたので家を出て幸せになる~
ゆうき
恋愛
十七歳の誕生日を迎えた男爵令嬢のリーゼは、社交界では有名な悪役令嬢で、聖女と呼ばれる不思議な力を持っていた。
リーゼは社交界に出席すると、いつも暴言を吐き、粗暴な振る舞いを取る。そのせいで、貴族達からは敬遠されていた。
しかし、リーゼの振る舞いは全て演技であった。その目的は、か弱い妹を守るためだった。周りの意識を自分に向けることで、妹を守ろうとしていた。
そんなリーゼには婚約者がいたが、リーゼの振る舞いに嫌気がさしてしまい、婚約破棄をつきつけられてしまう。
表向きでは強がり、婚約破棄を了承したが、ショックを隠せないリーゼの元に、隣国の侯爵家の当主、アルベールが声をかけてきた。
社交界で唯一リーゼに優しくしてくれて、いつも半ば愛の告白のような言葉でリーゼを褒めるアルベールは、リーゼに誕生日プレゼントを渡し、その日もリーゼを褒め続ける。
終始褒めてくるアルベールにタジタジになりつつも、リーゼは父に婚約破棄の件を謝罪しようと思い、父の私室に向かうと、そこで衝撃の事実を聞いてしまう。
なんと、妹の性格は大人しいとは真逆のあくどい性格で、父や婚約者と結託して、リーゼを利用していたのだ。
まんまと利用され、自分は愛されていないことを知ったリーゼは、深い悲しみに暮れながら自室に戻り、長年仕えてくれている侍女に泣きながら説明をすると、とあることを提案された。
それは、こんな家なんて出て行こうというものだった。
出て行くと言っても、リーゼを助けてくれる人なんていない。そう考えていた時、アルベールのことを思い出したリーゼは、侍女と共にアルベールの元へ訪ねる。
そこで言われた言葉とは……自分と婚約をし、ここに住めばいいという提案だった。
これは悪役令嬢を演じていたリーゼが、アルベールと共に自分の特別な力を使って問題を解決しながら、幸せになっていく物語。
☆全34話、約十万文字の作品です。完結まで既に執筆、予約投稿済みです☆
☆小説家になろう様にも投稿しております☆
☆女性ホットランキングで一位、24hポイントで四位をいただきました!応援してくれた皆様、ありがとうございます!☆
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
神龍の巫女 ~聖女としてがんばってた私が突然、追放されました~ 嫌がらせでリストラ → でも隣国でステキな王子様と出会ったんだ
マナシロカナタ✨ねこたま✨GCN文庫
恋愛
聖女『神龍の巫女』として神龍国家シェンロンで頑張っていたクレアは、しかしある日突然、公爵令嬢バーバラの嫌がらせでリストラされてしまう。
さらに国まで追放されたクレアは、失意の中、隣国ブリスタニア王国へと旅立った。
旅の途中で魔獣キングウルフに襲われたクレアは、助けに入った第3王子ライオネル・ブリスタニアと運命的な出会いを果たす。
「ふぇぇ!? わたしこれからどうなっちゃうの!?」
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
異世界から本物の聖女が来たからと、追い出された聖女は自由に生きたい! (完結)
深月カナメ
恋愛
十歳から十八歳まで聖女として、国の為に祈り続けた、白銀の髪、グリーンの瞳、伯爵令嬢ヒーラギだった。
そんなある日、異世界から聖女ーーアリカが降臨した。一応アリカも聖女だってらしく傷を治す力を持っていた。
この世界には珍しい黒髪、黒い瞳の彼女をみて、自分を嫌っていた王子、国王陛下、王妃、騎士など周りは本物の聖女が来たと喜ぶ。
聖女で、王子の婚約者だったヒーラギは婚約破棄されてしまう。
ヒーラギは新しい聖女が現れたのなら、自分の役目は終わった、これからは美味しいものをたくさん食べて、自由に生きると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる