【完結】聖女レイチェルは国外追放されて植物たちと仲良く辺境地でサバイバル生活します〜あれ、いつのまにかみんな集まってきた。あの国は大丈夫かな

よどら文鳥

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10話 レイチェルは全員を回復させた

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「みんなーーー! 来てくれたんだ!」
「植物や野菜が自立して動いている……」
「私の友達です。王都から追っかけて来てくれたようです」
「よほどレイチェルのことが大切なのだろう」

 アルジェント辺境伯様は驚きを見せたものの、すぐに現実を受け入れてくれたように見えた。
 私はすぐにみんなのもとへ走り、再会を喜ぶ。

「こんなに遠くまで、無茶して……。カシノキが誘導してくれたの?」
『レイチェル殿がいない王都であっても、任務を継続するつもりではありました。ですが、レイチェル殿を国の王が追放したとなれば話は別です。我々の主人はレイチェル殿なのですからな』

『そんなことより腹減ってんだろー? 俺たち野菜の出番ですぜ!』
「キャベツ……。身を削ってまで」
『平気ですよ! 俺たちはレイチェルさんのおかげで、食われてもすぐに別の野菜で自我が芽生えるんで。ま、王都の連中みたいに残されたら時間かかっちまうけど……』

 陛下や偉い人たちは、みんな食べ物を残していた。
 私が何度もお願いしても無視され、その結果キャベツたちは深刻な毎日を送っていたのだ。
 その影響で、最近のキャベツはグレてしまって口調も荒々しくなっている。

「もう大丈夫だよ。あそこにいるアルジェント辺境伯様は、みんなのことをわかってくれるし酷い扱いはしないと思う」
『それを聞いてホッとしたぜ。頑張ってレイチェルさんを追いかけたのも正解だったようだな』

 キャベツがドスンドスンと飛び跳ねて喜んでいるようだった。

『ところでレイチェル殿よ。ザッソウ殿が増えておりますが、これはいったい?』
「うん。ここに来たときは荒野だったんだ。でもザッソウが頑張って緑いっぱいの野原にしてくれたんだよ」
『さすがザッソウ殿とレイチェル殿の力は素晴らしいですな。では我々も負けぬよう、王都などよりも住み心地の良い環境に変えてみせましょう。皆のもの、疲れは残っているかもしれないがレイチェル殿のためにもう一踏ん張りだ。我々の楽園を作ってしまおう』

『『『『『『『『『『『『『『おおおおおおおおおおーーーーー!!』』』』』』』』』』』』』』

 さすがに無理させすぎだ。
 だが、アルジェント辺境伯の衰弱っぷりを見ると、のんびりしていられそうにはない。

「みんな。頑張ってもらう前にこっち来て。回復させるから」
『しかし、これだけの大勢にレイチェル殿の力を使わせてはあなた様が……』
「そんなこと気にしないで。頑張ってくれるんだから、私も頑張るよ」

 実のところ、こんなに大勢の植物たちに私の聖なる力を一気に使うのは初めてである。
 体力が持ち堪えてくれるかは不安だが、私も頑張らなければと思う。

 順番に聖なる力を注ぎ、植物たちを元気にさせていく。
 ようやく全員の力を回復させたところで、私の体力も限界だった。

「ふう……。ちょっと休もうかな」
『んやー……ムチャしやがって……』

 キャベツが呆れながらも私のことを心配してくれていた。
 よろよろっとしゃがみ込んだ瞬間、ザッソウたちがザッソウベッドを、ジュモクが枝木で枕を作ってくれていた。

「ふふ……ありがとうね」
『ボクたちのほうがレイチェル様にお礼を言いたいんですから。ゆっくりと休んでください』
「うん。お言葉に甘えようかな」

 私は、なんとか全員を回復させることができたことで満足していた。
 さすがに聖なる力を使いすぎて意識が朦朧としている。
 少し休ませてもらおう。

 ザッソウのふかふかベッドでごろんと身体を預けた。
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