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超級冒険者、ライムハルト(前編)
検問で身分証明書を見せてあっさりと王宮の入り口を通過した。
田舎育ちの私にとっては、王宮というとてつもなく大きな建物と、その周りの広場のような庭を見て感動していた。
シャーゴット王国の中で一番賑わっている王都、そしてその中央に位置する王宮。
私は今、国の中心部分となる名誉ある場所へ来ているんだ!!
時間があったら王都のギルドへも足を運んでみたい。
きっと、依頼の数もとてつもない数あるはずだし。
ライムハルト陛下とパーティーを組んだら、登録するときに行けるから楽しみだ。
期待を胸に馬車を降り、騎士の案内で王宮内に入る。
応接室のような部屋へ案内された。
「こちらでお待ちください」
さすが王宮だ。
応接室だけでも私の住んでいた家くらいの広さがある。
椅子に腰掛け、用意していただいた紅茶を飲みながら待つ。
そして……。
「待たせてすまない。私がライムハルト=シャーゴッドだ」
見た目は王服ではなく、どちらかというと騎士の格好だ。
腰には二本の剣を装備し、それを隠すように白のマントを覆っている。
マントからは魔力を感じるので、何か付与がついた防具のようだ。
すぐに立ち上がり、殿下の前で跪いた。
「お初にお目にかかります。ソフィア=エンブレムです。この度は、私のような者をパーティーメンバーに招待していただきありがとうございます」
「うむ、ひとまず一度座りたまえ。私はこう見えても堅苦しいのを好まなくてね。楽にしてくれたまえ」
「かしこまりました」
さすが超級冒険者だというだけのことはある。
挨拶している間、私はライムハルト殿下の隙を探したが、全く見つけられなかった。
誰にでも会話をしたり自然体でいるときは、どこかしらに隙が生まれる。
だが、殿下にはそれがない。
常にどんなときでも戦闘態勢でいるようだ。
再び腰掛け、殿下は正面に座る。
「ふむ……。噂通り、いや、それ以上の魔力を感じる……」
「……!? 魔力は常に外に漏れないように隠しているつもりでした。それでもわかるのですか?」
「あぁ。誰にでも体内に秘めたオーラというものがある。そこからソフィアの魔力が溢れているのを感じるのだ。ただ、ソフィアのステータスを予め確認させていただいているので、ズルしていると言われればそれまでだがな」
「いえ、ズルとは思いませんよ。本当に感じていただいてるのかと。殿下の隙のなさも驚かされました」
「ほう」
初対面だというのに、いきなり戦術や力の話ばかりしている。
しかも話していて、とても楽しい。
「ソフィアよ、率直に伝える。私と共にパーティーを組み、尚且つ婚約者として私のそばにいてくれぬか?」
「え? えぇ!? 婚約!?」
初めてお会いしてから一時間も経たずにプロポーズされてしまった……。
田舎育ちの私にとっては、王宮というとてつもなく大きな建物と、その周りの広場のような庭を見て感動していた。
シャーゴット王国の中で一番賑わっている王都、そしてその中央に位置する王宮。
私は今、国の中心部分となる名誉ある場所へ来ているんだ!!
時間があったら王都のギルドへも足を運んでみたい。
きっと、依頼の数もとてつもない数あるはずだし。
ライムハルト陛下とパーティーを組んだら、登録するときに行けるから楽しみだ。
期待を胸に馬車を降り、騎士の案内で王宮内に入る。
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「こちらでお待ちください」
さすが王宮だ。
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椅子に腰掛け、用意していただいた紅茶を飲みながら待つ。
そして……。
「待たせてすまない。私がライムハルト=シャーゴッドだ」
見た目は王服ではなく、どちらかというと騎士の格好だ。
腰には二本の剣を装備し、それを隠すように白のマントを覆っている。
マントからは魔力を感じるので、何か付与がついた防具のようだ。
すぐに立ち上がり、殿下の前で跪いた。
「お初にお目にかかります。ソフィア=エンブレムです。この度は、私のような者をパーティーメンバーに招待していただきありがとうございます」
「うむ、ひとまず一度座りたまえ。私はこう見えても堅苦しいのを好まなくてね。楽にしてくれたまえ」
「かしこまりました」
さすが超級冒険者だというだけのことはある。
挨拶している間、私はライムハルト殿下の隙を探したが、全く見つけられなかった。
誰にでも会話をしたり自然体でいるときは、どこかしらに隙が生まれる。
だが、殿下にはそれがない。
常にどんなときでも戦闘態勢でいるようだ。
再び腰掛け、殿下は正面に座る。
「ふむ……。噂通り、いや、それ以上の魔力を感じる……」
「……!? 魔力は常に外に漏れないように隠しているつもりでした。それでもわかるのですか?」
「あぁ。誰にでも体内に秘めたオーラというものがある。そこからソフィアの魔力が溢れているのを感じるのだ。ただ、ソフィアのステータスを予め確認させていただいているので、ズルしていると言われればそれまでだがな」
「いえ、ズルとは思いませんよ。本当に感じていただいてるのかと。殿下の隙のなさも驚かされました」
「ほう」
初対面だというのに、いきなり戦術や力の話ばかりしている。
しかも話していて、とても楽しい。
「ソフィアよ、率直に伝える。私と共にパーティーを組み、尚且つ婚約者として私のそばにいてくれぬか?」
「え? えぇ!? 婚約!?」
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