【完結】新たな恋愛をしたいそうで、婚約状態の幼馴染と組んだパーティーをクビの上、婚約破棄されました

よどら文鳥

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超級冒険者、ライムハルト(後編)

 ライムハルト殿下にプロポーズされてしまった。
 確か、このお方は自分よりも強い人間でないと結婚しないと聞いたことがある。
 それよりも、出会って時間もろくに経過していない相手から、いきなり告白されること自体が疑問だった。

「殿下のようなお方にそのようなお言葉をいただき、大変光栄ではありますが、いきなり言われましても心の準備と私の気持ちも整理がついていません」
「無論わかっておる。その上で考えていただきたい」
「失礼ですが、理由をお伺いしてもよろしいですか?」

 今から理由を考えるようでは、いくら殿下だとしても婚約したくない。
 本当は誰でもいいんじゃないかと疑ってしまうくらいだ。
 だが、思いの外殿下はすぐに答えてくれた。

「まずソフィアの魔力。間違いなく世界の中でも5本の指に……いや、世界一かもしれぬ。続いて初見での会話。戦闘や能力の会話を、初めてまともにできたのだ。このような相手は初めてで嬉しかった。その次にその容姿……。この部屋に入った瞬間、人目見て意識してしまったよ。まだあるが……」
「あ、ありがとうございます……」

 物凄く考えているし、私のことを見てくださっていた……。
 疑ってしまった自分を恥じる。

「私より強い者でないと婚約する気になれないと世間に流しているが、あれは嘘だ。そうでも言っておけば、縁談の申し込みを諦めてくれるだろうと思い、そのようなことを言って広めていたのだ。私は自ら選び、共に冒険者として活動していけそうな者と幸せになりたいと思っていた」

 ライムハルト殿下のような超級冒険者より強い者なんて、貴族界でも王族の中にもいるわけがない。
 冒険者をやっていなくてもそれくらいのことは理解できるだろう。
 殿下がそう言っていれば、縁談の話もそうそう来るはずもない。

「私は超級冒険者の資格があるのでな、各冒険者のステータスを拝見する権利を持っているので見てきた。その中でもソフィアがダントツで魔力が特化していた。だから一度お会いしてみたい、ずっとそう思っていたのだ」

「お気持ち大変嬉しく思います。私も、共に冒険者として活動できる相手と結ばれたいと思っていました」
「本当か!?」

 ライムハルト殿下は、期待に満ちたような表情をしている。
 だが、私はいくら相手の地位が格上の存在でも、易々と受け入れるわけにはいかなかったのだ。

「はい。ですが、婚約の件は少しお時間をいただけませんか? 望まぬ縁談だったとはいえ、一度は過去に婚約していた身。今度はしっかりと考えた上で返事をしたいのです」
「うむ、承知した。むしろ、そこまで考えてくれて嬉しい。冒険者パーティーの方も時間が必要か?」
「いえ、そちらは是非お願いいたします。殿下の強さはお会いした瞬間によくわかりましたので」

 一見矛盾しているように思うが、ここにきた目的は冒険者パーティーに加入するかどうかだ。
 何様のつもりかと思われてもおかしくはないと覚悟していたが、ライムハルト殿下の表情は穏やかだ。
 怒っているような気配も全く感じられなかった。

「感謝する。それではこれよりギルドに出向き、正式に共通のパーティーになる登録をしようかと思うのだが構わぬか?」
「はい。よろしくお願いいたします」

 この日、私は超級冒険者のパーティーに加入した。
 噂は一気に広まり、王都ではいきなり有名人になってしまった。
 遠い故郷の村にもそのことがすぐに伝わったらしい。

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