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【最終話】ギルドへ帰ってきた
ダンジョンの最深層まで容易に辿り着くことができた。
そこにいた極悪モンスターを何度も討伐した結果、今まで見たこともないレアアイテムを大量に得る。
ライムハルト様の実力を、私の身体強化魔法で更に底上げした結果、予想していたよりも攻略は難しくなかった。
そしてついに、久しぶりの太陽を浴びる。
「帰ってきたな」
「そうですね。ライムハルト様と一緒だったので短時間の冒険だったような気がします」
ダンジョンに潜っている間、予想通り私はライムハルト様にどんどんと惹かれ、いつの間にか恋仲に発展していた。
今ではライムハルト殿下とは言わず、ライムハルト様と呼んでいる。
「これだけ簡単に攻略できたのも、ソフィアがいてくれたからこそだ。私一人ではおそらく、最深層で死んでいただろう」
「私も、ライムハルト様がいなければ辿り着けなかったかと思います」
ライムハルト様と手を繋ぎながら仲良くギルドへ帰還した。
「ソフィーーー!! よかったよ~! 無事帰ってこれたんだね~!」
受付のアーニャは泣きながら私に抱きついてきた。
他の冒険者もいる手前、この行動はまずいだろ。
だが、そんなこともお構いなしに私から離れようともしない。
それだけ心配してくれていたのだろう。
「ありがとう。でもね、ライムハルト様と一緒だし、どこへ行ったって平気だから」
「もう、いつの間にか見せ付けるようになっちゃって……。みんな心配していたんだからね!」
「最深層のレアアイテムも沢山手に入れたから」
「本当に最深層まで行っちゃったんだね……。さすが超級冒険者が二人揃うと格が違うね」
アーニャはふむふむと頷きながら感心しているように見える。
「アーニャ殿。手に入れたレアアイテムの一部はこちらのギルドに提供することにした。ギルドの発展に役立ててほしい」
「え!? しょ、少々お待ちください。ギルド長を連れてきますので!」
慌ててアーニャは走り、あっという間にギルド長も驚きながらこちらに姿を見せる。
「ライムハルト殿下、それからソフィア。ひとまずはお疲れ様でした。此度のご活躍は伝説となるでしょう」
「うむ。ソフィアがいてくれたからこそ成し遂げた。彼女を育てたこちらのギルドには感謝している。その礼に、このアイテムを提供したい」
ライムハルト様がギルド長に手渡したのは、金色に光り続けている魔石だ。
リンゴ程度の大きさなので、魔石にしては大きめだ。
「こ……これは……!?」
「治癒の力が込められている魔石のようだ。これを充てるだけで怪我が一瞬で治った。ソフィアの魔法には及ばぬが、近い力を持っている。しかも自動で魔石が回復しているようなので、半永久的に使えるかもしれん。これで負傷者を治せるだろう」
「し……しかし、このような代物、どれほどの貴重な価値があるか……」
すぐにライムハルト様に魔石を返そうとしていたが、受け取ることはなかった。
ライムハルト様はニコリと笑う。
「構わぬよ。それに、今まではソフィアがその務めをしていたのだろう? 彼女はこの後私の妃になり王都へと連れていく。このギルドには回復が必要なのであろう」
「感謝いたします。これで当ギルドも安泰になるでしょう……。どれほど感謝しても足りません」
「すまんな。ソフィアは私にとってかけがえのない大事な人だ。このギルドにとっては大きな損失かもしれぬが、私は必ず彼女を幸せにし、何度でもお礼をしにここへ来る」
そこまで言われて私も照れてしまった。
「あら~、ソフィーったら顔を赤くしちゃって。あの男にも今のソフィーを見せつけてやりたかったわよ」
「あの男?」
「ダンジョンに潜っていたから知らないわよね。ダルムたち、結局あのあとパーティー解散しちゃったのよ」
別に驚きもしなかった。
いつかはそうなると思っていたから。
「三流冒険者にコテンパンにやられて自信喪失したみたいね。あれだけソフィアに負けたのに、まだ納得いかなかったみたい」
「それで、三人ともどうしているの?」
「ダルムはソロでスライムを必死に倒しているみたいよ。慰謝料支払いで借金が物凄いし、それだけで生活できるとは思えないけど。マインとミーンは家からも追い出されて今頃……路頭にでも迷っているのかしらねー。結局恋愛もダメになったみたいだし」
やれやれだ。
ライムハルト様も横で呆れた顔をしている。
「でもそんな話はあと! それよりもソフィーと殿下の恋話を私は聞きたいのー!」
「え!?」
「アーニャ殿。ここではまずいであろう。他の冒険者もいるであろうが」
「私はそれに加え、ダンジョンの最深層を詳しく聞きたい、お二人とも、応接室へ起こしいただきたい。そこで詳しく話を……。おっと、その前に水浴びをして身体の疲れを癒してくだされ」
ギルド長まで……。
ライムハルト様の顔を伺って二人で顔が合い、笑ってしまった。
いいですよ、希望ならばいくらでも話しましょうか。
ライムハルト様のカッコいいエピソードを。
ライムハルト様が何度も私を助けてくれた冒険録を。
そして、そんな彼を見ているうちに大好きになってしまったことを。
アーニャは私の永遠の親友だ。
彼女になら自慢話も許されるし、私も幸せそうに話す彼女の自慢話は聞きたい。
だが、今の私はその域を越えるくらい喋りたいことが沢山ある。
聞きたいと発言したことを後悔するくらい、アーニャにはたっぷりとライムハルト様の自慢をしてあげるからね!
覚悟して聞きなさい。
私は幸せで浮かれすぎているのかもしれない。
だが、アーニャは自分ごとのように私の話を飽きずに聞いて、喜んでくれたのだった。
ーーーーーーーーーーーー
【後書き】
最後まで読んでいただきありがとうございました。
試しにハイファンっぽいような恋愛を描いてみましたが、想定していたよりも多くの方々に読んでいただけたこと、とてもうれしく思っています。
今後も冒険者主体の恋愛作品が描きたくなったら挑戦してみようと思いますので、その際はまたお付き合いいただけたら嬉しいです。
そこにいた極悪モンスターを何度も討伐した結果、今まで見たこともないレアアイテムを大量に得る。
ライムハルト様の実力を、私の身体強化魔法で更に底上げした結果、予想していたよりも攻略は難しくなかった。
そしてついに、久しぶりの太陽を浴びる。
「帰ってきたな」
「そうですね。ライムハルト様と一緒だったので短時間の冒険だったような気がします」
ダンジョンに潜っている間、予想通り私はライムハルト様にどんどんと惹かれ、いつの間にか恋仲に発展していた。
今ではライムハルト殿下とは言わず、ライムハルト様と呼んでいる。
「これだけ簡単に攻略できたのも、ソフィアがいてくれたからこそだ。私一人ではおそらく、最深層で死んでいただろう」
「私も、ライムハルト様がいなければ辿り着けなかったかと思います」
ライムハルト様と手を繋ぎながら仲良くギルドへ帰還した。
「ソフィーーー!! よかったよ~! 無事帰ってこれたんだね~!」
受付のアーニャは泣きながら私に抱きついてきた。
他の冒険者もいる手前、この行動はまずいだろ。
だが、そんなこともお構いなしに私から離れようともしない。
それだけ心配してくれていたのだろう。
「ありがとう。でもね、ライムハルト様と一緒だし、どこへ行ったって平気だから」
「もう、いつの間にか見せ付けるようになっちゃって……。みんな心配していたんだからね!」
「最深層のレアアイテムも沢山手に入れたから」
「本当に最深層まで行っちゃったんだね……。さすが超級冒険者が二人揃うと格が違うね」
アーニャはふむふむと頷きながら感心しているように見える。
「アーニャ殿。手に入れたレアアイテムの一部はこちらのギルドに提供することにした。ギルドの発展に役立ててほしい」
「え!? しょ、少々お待ちください。ギルド長を連れてきますので!」
慌ててアーニャは走り、あっという間にギルド長も驚きながらこちらに姿を見せる。
「ライムハルト殿下、それからソフィア。ひとまずはお疲れ様でした。此度のご活躍は伝説となるでしょう」
「うむ。ソフィアがいてくれたからこそ成し遂げた。彼女を育てたこちらのギルドには感謝している。その礼に、このアイテムを提供したい」
ライムハルト様がギルド長に手渡したのは、金色に光り続けている魔石だ。
リンゴ程度の大きさなので、魔石にしては大きめだ。
「こ……これは……!?」
「治癒の力が込められている魔石のようだ。これを充てるだけで怪我が一瞬で治った。ソフィアの魔法には及ばぬが、近い力を持っている。しかも自動で魔石が回復しているようなので、半永久的に使えるかもしれん。これで負傷者を治せるだろう」
「し……しかし、このような代物、どれほどの貴重な価値があるか……」
すぐにライムハルト様に魔石を返そうとしていたが、受け取ることはなかった。
ライムハルト様はニコリと笑う。
「構わぬよ。それに、今まではソフィアがその務めをしていたのだろう? 彼女はこの後私の妃になり王都へと連れていく。このギルドには回復が必要なのであろう」
「感謝いたします。これで当ギルドも安泰になるでしょう……。どれほど感謝しても足りません」
「すまんな。ソフィアは私にとってかけがえのない大事な人だ。このギルドにとっては大きな損失かもしれぬが、私は必ず彼女を幸せにし、何度でもお礼をしにここへ来る」
そこまで言われて私も照れてしまった。
「あら~、ソフィーったら顔を赤くしちゃって。あの男にも今のソフィーを見せつけてやりたかったわよ」
「あの男?」
「ダンジョンに潜っていたから知らないわよね。ダルムたち、結局あのあとパーティー解散しちゃったのよ」
別に驚きもしなかった。
いつかはそうなると思っていたから。
「三流冒険者にコテンパンにやられて自信喪失したみたいね。あれだけソフィアに負けたのに、まだ納得いかなかったみたい」
「それで、三人ともどうしているの?」
「ダルムはソロでスライムを必死に倒しているみたいよ。慰謝料支払いで借金が物凄いし、それだけで生活できるとは思えないけど。マインとミーンは家からも追い出されて今頃……路頭にでも迷っているのかしらねー。結局恋愛もダメになったみたいだし」
やれやれだ。
ライムハルト様も横で呆れた顔をしている。
「でもそんな話はあと! それよりもソフィーと殿下の恋話を私は聞きたいのー!」
「え!?」
「アーニャ殿。ここではまずいであろう。他の冒険者もいるであろうが」
「私はそれに加え、ダンジョンの最深層を詳しく聞きたい、お二人とも、応接室へ起こしいただきたい。そこで詳しく話を……。おっと、その前に水浴びをして身体の疲れを癒してくだされ」
ギルド長まで……。
ライムハルト様の顔を伺って二人で顔が合い、笑ってしまった。
いいですよ、希望ならばいくらでも話しましょうか。
ライムハルト様のカッコいいエピソードを。
ライムハルト様が何度も私を助けてくれた冒険録を。
そして、そんな彼を見ているうちに大好きになってしまったことを。
アーニャは私の永遠の親友だ。
彼女になら自慢話も許されるし、私も幸せそうに話す彼女の自慢話は聞きたい。
だが、今の私はその域を越えるくらい喋りたいことが沢山ある。
聞きたいと発言したことを後悔するくらい、アーニャにはたっぷりとライムハルト様の自慢をしてあげるからね!
覚悟して聞きなさい。
私は幸せで浮かれすぎているのかもしれない。
だが、アーニャは自分ごとのように私の話を飽きずに聞いて、喜んでくれたのだった。
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【後書き】
最後まで読んでいただきありがとうございました。
試しにハイファンっぽいような恋愛を描いてみましたが、想定していたよりも多くの方々に読んでいただけたこと、とてもうれしく思っています。
今後も冒険者主体の恋愛作品が描きたくなったら挑戦してみようと思いますので、その際はまたお付き合いいただけたら嬉しいです。
この作品は感想を受け付けておりません。
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