【完結】溺愛してくれる夫と離婚なんてしたくない!〜離婚を仕向けるために義父様の配下が私に呪いをかけてきたようですが、治癒魔法で解呪します〜

よどら文鳥

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6話

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「おのれ……。まさか父上の側近魔導士がミリアに呪いを……!!」

 ベイルハルト様は今まで見せたことがないような険しく怒り狂った感情があらわになっていた。
 私もすぐには信じられないくらい驚いてしまった。

「私にこんな呪いをかけてなんの意味が」
「いや、父上はそもそも俺たちの結婚を最後まで許そうとはしなかった。だからミリアが最低限の任務を果たせなくすればそれを口実に離婚させようとしていたのかもしれん」
「では、義父様が命令して私に呪いを……」
「それ以外に考えられんな」
「うーん、困りましたね……」

 私としては、ベイルハルト様と一緒にいられればそれでいい。
 だが、このまま義父様たちを放っておいたら、今度また私たちの関係を引き裂こうとしてくるかもしれないと思うと不安が残る。

「よし、叔父に協力を依頼するか」
「国王陛下ですか!?」
「はっきり言って俺は怒っている。ミリアを傷つけたことも許せん! 婚約に関しては強引だったところもあったが、ミリアは王族にも負けない良さがある。それは叔父は理解してくれていた」
「それは今もよくわかりませんが……」

 私とベイルハルト様の結婚については、むしろ国王陛下が推奨してくれて成立できたようなものである。
 義父様はそれで渋々了承してくださったのだ。

「加えてミリアは聖女の素質まであり治癒魔法まで取得してしまった。もう俺たちの結婚生活に誰も文句を言う貴族はいないだろう」
「国王陛下に頼むというのは……?」

「むろん、呪いをかけてきた魔導士の拘束と黒幕を捕らえてもらう。暫定だが、仮に父上が黒幕だとしても、愛するミリアを傷つけたことは決して許せることではない!」
「はう……」

 土壇場なタイミングで愛するとか言われてしまうのはズルい。
 ベイルハルト様はいったい私のどこに魅力を感じてくれてこんなに一緒にいようとしてくださるのだろう。

「呪いの解呪はすまないがそれまで待ってくれ」
「私は構いませんが……」

 ♢♢♢

 ベイルハルト様はその後、迅速に行動してくれた。
 彼の友人である魔導士の力も借りて、やはり呪いをかけてきた犯人は義父様の専属魔導士だった。

 このことは国王陛下の耳にも入り、すぐに動いてくれたのだ。
 その結果、呪いを罪のない者にかけた理由で身柄を拘束。
 義父様も仕組んだ主犯としてひとまず牢屋に入ることになった。

「では呪いを解呪しますね」
「あぁ。待たせてすまなかったな」
『身体の異常、呪い、怪我、病気を全て取り除きたまえ』

 これで……。
 これでようやく……、ベイルハルト様との子供が授かるかもしれない。

 嬉しいことはそれだけではなかったのだ。
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