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移動費も経費削減でした
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「たったこれだけですか!?」
「むしろ十分すぎるだろう。わざわざ国の経費を使って食料を調達させたのだぞ?」
パンが三個と水がほんのちょっとだけ。
しかも、御者や馬の分の食料が見当たらない。
ホワイトラブリー王国までは最低でも一週間はかかるんだけど……。
念のために食料を買い込んでおいて良かった。
それでも私の残された全財産では、馬と私たちの食べる分で概ね三日分の食料しか買えなかった。
だが、なんとか餓死には避けられるはずだ。
「陛下、もう少し食料を用意していただかないと、御者の私だけでなく馬まで飢え死にする可能性が」
「馬鹿者め! そういう必要な物は国に頼むのではなく、自ら用意しておくのが当然だろう!」
「申し訳ありません……」
私と同い年くらいの御者である。
御者の女の子は頭を下げることしかできなかったようだ。
私だけでなく、仕っている人たちへの待遇も酷すぎる。
御者や馬の分も用意しておいてよかった……。
「用意もろくにできなかったのは貴様の過失だ。そのまま出発したまえ」
「は……はい」
「私は急いでいないので買い出しに行かれても構いませんが」
「そんなことは許さぬぞ。何故ならば、馬車は借りている状態なのだからな。とっとと送り届け、大至急戻ってきてもらわねば困る! 遅れた分は御者のポケットマネーで清算してもらうぞ!?」
「しかしこの馬は……」
「言い訳は聞かぬ」
ロブリー陛下が御者を脅迫していた。
今にも涙目な御者に情が出てしまう。
「大丈夫ですよ。私が持ち込んだ食べ物は御者さんたちの分ですから」
「聖女様……」
私は馬車で乗ってるだけだし、ずっとゴロゴロしていればなにも食べずとも一週間くらいならなんとかなるだろう。
聖なる力を使わなくて良い期間=脱社畜生活という状態だし、体力面でも余裕が生まれるかもしれない。
これから頑張ってもらう御者と馬に栄養を摂ってもらわなければならないだろう。
「決まりだ。とっととイデアを連れて行ってきたまえ。イデアに命じた件も早急に動いてもらいたいのだからな」
あぁ、ホワイトラブリー王国の陛下に王金貨五十枚の催促だっけ。
こんなことを私が言わなければいけないことを想像するだけで胃が痛くなってくる。
ロブリー陛下がやたらと急かしてくるため、さっさと馬車に乗り込んで出発した。
結局、私はお世話になった人たちに挨拶する時間すら貰えなかった。
そして、ついに今まで毎日限界近くまで発動していた聖なる力を放出するのをやめ、国全体に展開していた結界を解いた。
「むしろ十分すぎるだろう。わざわざ国の経費を使って食料を調達させたのだぞ?」
パンが三個と水がほんのちょっとだけ。
しかも、御者や馬の分の食料が見当たらない。
ホワイトラブリー王国までは最低でも一週間はかかるんだけど……。
念のために食料を買い込んでおいて良かった。
それでも私の残された全財産では、馬と私たちの食べる分で概ね三日分の食料しか買えなかった。
だが、なんとか餓死には避けられるはずだ。
「陛下、もう少し食料を用意していただかないと、御者の私だけでなく馬まで飢え死にする可能性が」
「馬鹿者め! そういう必要な物は国に頼むのではなく、自ら用意しておくのが当然だろう!」
「申し訳ありません……」
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御者や馬の分も用意しておいてよかった……。
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「は……はい」
「私は急いでいないので買い出しに行かれても構いませんが」
「そんなことは許さぬぞ。何故ならば、馬車は借りている状態なのだからな。とっとと送り届け、大至急戻ってきてもらわねば困る! 遅れた分は御者のポケットマネーで清算してもらうぞ!?」
「しかしこの馬は……」
「言い訳は聞かぬ」
ロブリー陛下が御者を脅迫していた。
今にも涙目な御者に情が出てしまう。
「大丈夫ですよ。私が持ち込んだ食べ物は御者さんたちの分ですから」
「聖女様……」
私は馬車で乗ってるだけだし、ずっとゴロゴロしていればなにも食べずとも一週間くらいならなんとかなるだろう。
聖なる力を使わなくて良い期間=脱社畜生活という状態だし、体力面でも余裕が生まれるかもしれない。
これから頑張ってもらう御者と馬に栄養を摂ってもらわなければならないだろう。
「決まりだ。とっととイデアを連れて行ってきたまえ。イデアに命じた件も早急に動いてもらいたいのだからな」
あぁ、ホワイトラブリー王国の陛下に王金貨五十枚の催促だっけ。
こんなことを私が言わなければいけないことを想像するだけで胃が痛くなってくる。
ロブリー陛下がやたらと急かしてくるため、さっさと馬車に乗り込んで出発した。
結局、私はお世話になった人たちに挨拶する時間すら貰えなかった。
そして、ついに今まで毎日限界近くまで発動していた聖なる力を放出するのをやめ、国全体に展開していた結界を解いた。
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