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リリノアさんの自宅に到着しました。
リリノアさんは私たちではなく、何故かバズドド様だけにお礼を言って降りていきます。
安全確認後、再び馬車は動きました。
「ジュリアーナ……彼女のことなんだけどさ……」
リリノアさんのことですね。一緒に馬車に乗ってみて私はわかりました。たとえバズドド様がどんなに仲良くしていても、私はあの人とは仲良くやっていける自信はありません。
「病気を抱えていたんだ。遠くの地で治療をしてやっと戻ってはきたんだが、まだ病弱ではある。それに、俺は幼馴染としてあの子とずっと仲が良かったんだ。放って置けないんだよ。わかってほしい」
難しい問題ですね。
私個人の気持ちとしては、リリノアさんと関わっているとあまり良くないのではと思ってしまいます。
性格や言動に関しては他人を傷つけたり怒らせたりするようなことを平気でやってしまう人です。
そんなリリノアさんとバズドド様が関わってしまえば、バズドド様にも更に悪影響が出てしまうのではないかと心配になります。
ここはうまく切り抜けるしかありませんね。
「バズドド様の優しい気持ちは伝わります。幼馴染相手としての特別な感情ではないことも。ですが、他人から見てみますと、リリノアさんはバズドド様のことを恋愛感情もしくは異性として強く認識している気がします」
「んなことあるもんか。幼馴染だぞ?」
「血が繋がっているわけではありませんから、たとえバズドド様がそのように思っていても本人はどう思っているかはわからないものかと。問題なのは、このまま非常に近い距離で接していき、もしもリリノアさんの方からバズドド様に何かしようとしてきた場合、しっかりと断ることができますか?」
ここまで言えば流石にわかってくれるかと思いたいです。
私の本心でもありますし、バズドド様を絶対に取られたくないという自分本意な気持ちも含まれています。
「何かしようって、例えばなんだ?」
「え……」
そんなことを私に聞くのですか。
流石にそういうことを口にしたくはありませんが、ここは私がされたら嫌だと思う最低ラインをお伝えすれば良いでしょうか。
「唇同士でのキスなどされたら、婚約破棄したいと思ってしまうかもしれませんね……」
「わかった。まぁ俺からはしないし、リリノアだって俺にそんな感情ないから心配すんなって」
どうしてこうも自信満々に言えるのでしょうか。
よくわからないままバズドド様の家に到着してしまいましたので、一旦私も降ります。
「じゃあまた明日な」
「はい、学園にて」
お別れの軽いキスをしてから私は馬車に戻ります。
どっと疲れてしまいました。
お別れのキスもいつもと違って嬉しさを感じません。
「お嬢様……本日は申し訳ございませんでした」
「え? 良いんですよ。むしろあの場でしっかりと言ってくださって感謝しています」
護衛は先ほどの叱責を悔やんでいたようですが、そんな必要ありません。
むしろ、私がしっかりと言えれば良いのに、それができず代弁してくれた護衛を叱責するなどあり得ませんから。
「お嬢様……私個人としての意見ですが……」
「どうぞ遠慮なく」
「婚約破棄された方がよろしいのでは?」
護衛の言葉が私の胸にグサッと刺さりました。
リリノアさんは私たちではなく、何故かバズドド様だけにお礼を言って降りていきます。
安全確認後、再び馬車は動きました。
「ジュリアーナ……彼女のことなんだけどさ……」
リリノアさんのことですね。一緒に馬車に乗ってみて私はわかりました。たとえバズドド様がどんなに仲良くしていても、私はあの人とは仲良くやっていける自信はありません。
「病気を抱えていたんだ。遠くの地で治療をしてやっと戻ってはきたんだが、まだ病弱ではある。それに、俺は幼馴染としてあの子とずっと仲が良かったんだ。放って置けないんだよ。わかってほしい」
難しい問題ですね。
私個人の気持ちとしては、リリノアさんと関わっているとあまり良くないのではと思ってしまいます。
性格や言動に関しては他人を傷つけたり怒らせたりするようなことを平気でやってしまう人です。
そんなリリノアさんとバズドド様が関わってしまえば、バズドド様にも更に悪影響が出てしまうのではないかと心配になります。
ここはうまく切り抜けるしかありませんね。
「バズドド様の優しい気持ちは伝わります。幼馴染相手としての特別な感情ではないことも。ですが、他人から見てみますと、リリノアさんはバズドド様のことを恋愛感情もしくは異性として強く認識している気がします」
「んなことあるもんか。幼馴染だぞ?」
「血が繋がっているわけではありませんから、たとえバズドド様がそのように思っていても本人はどう思っているかはわからないものかと。問題なのは、このまま非常に近い距離で接していき、もしもリリノアさんの方からバズドド様に何かしようとしてきた場合、しっかりと断ることができますか?」
ここまで言えば流石にわかってくれるかと思いたいです。
私の本心でもありますし、バズドド様を絶対に取られたくないという自分本意な気持ちも含まれています。
「何かしようって、例えばなんだ?」
「え……」
そんなことを私に聞くのですか。
流石にそういうことを口にしたくはありませんが、ここは私がされたら嫌だと思う最低ラインをお伝えすれば良いでしょうか。
「唇同士でのキスなどされたら、婚約破棄したいと思ってしまうかもしれませんね……」
「わかった。まぁ俺からはしないし、リリノアだって俺にそんな感情ないから心配すんなって」
どうしてこうも自信満々に言えるのでしょうか。
よくわからないままバズドド様の家に到着してしまいましたので、一旦私も降ります。
「じゃあまた明日な」
「はい、学園にて」
お別れの軽いキスをしてから私は馬車に戻ります。
どっと疲れてしまいました。
お別れのキスもいつもと違って嬉しさを感じません。
「お嬢様……本日は申し訳ございませんでした」
「え? 良いんですよ。むしろあの場でしっかりと言ってくださって感謝しています」
護衛は先ほどの叱責を悔やんでいたようですが、そんな必要ありません。
むしろ、私がしっかりと言えれば良いのに、それができず代弁してくれた護衛を叱責するなどあり得ませんから。
「お嬢様……私個人としての意見ですが……」
「どうぞ遠慮なく」
「婚約破棄された方がよろしいのでは?」
護衛の言葉が私の胸にグサッと刺さりました。
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