【完結】用済みで殺されかけた魔女が幸せを掴んでのんびり暮らすまで〜全属性魔法を使いこなし、王様の不治の病を治したら重宝されました〜

よどら文鳥

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16話 ソフィアは二度目の戦闘でいきなりラスボス級の相手と対峙する

「まさか……オロチが集落を襲うとは……」

 アーヴァイン様が絶望したかのような表情をしている。
 無理もないが、私も同じような気持ちだ。
 辺境地まではまだまだ遠い。
 そのため、いくつかの村を通過点にしながら向かうことになっていた。
 最初にようやくたどり着いた村は壊滅寸前状態だったのだ。
 家は炎で燃やされ、逃げまとう人々で混乱していた。

「オロチって……、モンスターですか?」
「そうです。もの凄い魔力をビリビリと感じていますよ……。あちらの方です」

 アーヴァイン様が指差した方角を見てみると、ケルベロスとはまた違ったモンスターで、オロチと言うらしい。
 蛇型で顔が八つもある。
 しかも、燃え上がる炎の中を好みながら村を破壊していた。
 これは私も本で読んだことがないし、どうやって対処したらいいのだろうか。

「退治するしかないですよね」
「しかし……。いくらケルベロスを一撃で倒せたソフィア様でもオロチ相手では……」
「そんなに強いのですか?」
「ドラゴン種族ほどではないものの、それ以外のモンスター種族の中では明らかに最強の部類です。私も直接見たのは初めてですが、ケルベロスとは比較にならないほどの強さをもっていると聞きます。むしろビリビリと伝わってくる魔力がそう物語っていますよ。我々王宮直属騎士団が全力で立ち向かって倒せるかどうか……。少なくとも死者は出ます」

 アーヴァイン様はかなり早口で詳しく説明してくれた。
 私の護衛のために一緒にきてくれた騎士団たちの誰かが死んでしまうのはごめんだ。

 幸い、この五日間で魔法に関しての知識はある程度学習できた。
 今だったら無闇な魔力消費で魔力切れを起こして気絶することもないと思う。

 だが、壊滅寸前の村で魔法を放つわけにもいかない。

「あのオロチというモンスターをおびき寄せることはできませんか?」
「な……!? なにをするつもりですか!?」
「このままでは村も壊滅して死者が多数出てしまうでしょう? 魔法でなんとかしてみようかと」
「あまりにも危険ですよ! ここは我々騎士団にお任せを」
「一緒に旅をしている中から死者が出てしまうのは嫌です。私だって魔法でモンスターと戦うことができるかもしれませんし」

 アーヴァイン様たちは私に怪我があっては絶対ダメだという。
 だが、最強と言われているオロチ相手では騎士団でも勝てる見込みがわからないというならば、一緒に戦う覚悟はある。
 死ぬときは一緒だ。
 私が一歩も引かなかったため、ついにアーヴァイン様は気持ちが折れてくれた。

「時間もないですし……ですが絶対に無茶はしないでくださいよ! 特にオロチは口から強い魔法を放ってくるそうです。絶対に口周りには近づかないように!」
「わかりました」
「騎士団全員に次ぐ。御者担当は馬の避難で遠くへ移動せよ! 残った半数は村人の救出作業にあたり、残りはオロチ撃退のため荒野へおびき寄せながらソフィア様を全力で守るように!!」

 アーヴァイン様が普段とは全く違う口調で緊張感溢れるような命令を下していた。

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